フェンスにからまったオニドコロの紅葉
窓をあけるとモクセイのいい香りが流れ込んでくる。日増しに香りは強くなる。数日前、空気中に感じるかすかな香りをかいで、花を訪ねて、庭に出た。金木犀の木は1本しかない。日陰の、しかもカキの木が大きく枝を広げている脇にあるので、金木犀には条件はすこぶる悪い。この木を植えたのも私だ。植えた当初は条件は良かったのだが、いまは気の毒なほどだが、毎年花をつけ、香りを楽しませてくれる。
もう冬鳥が姿を見せてもいい頃なのに、まだ誰にもお目にかかっていない。さっき見慣れない集団が眼前(と言っても遠いが)を横切って行った。ほどなくその集団は引き返して飛び去った。遠目には銀色に見えたが、集団で飛ぶ、銀色っぽい鳥と言ったらイカルぐらいしか思いつかないが、誰だったんだろう。窓から顔を出して、もう一度来るのを待ったが、とうとう戻ってこなかった。
天井のどこかで孵ったらしく、小さな子グモがあちこちで遊泳している姿が見える。中には少し大きくなったのもいるが、ほとんどがケシ粒ほどの大きさだ。
上を見ると、そのケシ粒が一人前に網を張っているらしく、電気の光に反射してあちこちで、遊泳していてにぎやか。