朝から冷たい雨が降っている。昨日が暖かかったから、この冷たさは参る。
暑さ寒さも彼岸までというが、三寒四温、暖かさが続くまではこの繰り返しがなんどかあるのだろう。
毎日一応、予定を立てる。その予定は午前中に実行していく。午後になると疲れてやる気がなくなってしまうからだ。予定外はピーたちのシフォンづくり。これが結構忙しい。
日曜日、N響アワーでロドリゴの「アランフェス協奏曲」をやっていた。ギタリストはカニサレス。フラメンコギターをやっている人だという。ラトルに招かれて、ベルリンフィルとこの曲を共演し、絶賛を浴びたという。そこで期待して待っていたのである。
彼自身の説明によると、彼のギターは特注でフラメンコギターとクラッシックギターを合わせたような楽器だという。フラットが低くできているそうな。
アランフェスの出だしも、普通の弾き方ではなく、フラメンコのリズムを入れて、ビートをきかせたし、第二楽章もその調子で奏でていた。アンダルシアのスペインの魂とリズムを強調しているのだと説明していた。
私が聞きなじんでいるのはイエペスの演奏だ。イエペスもスペイン人だし、アンダルシアの出身だったような気がする。確か初演はマーサ、そのマーサの弟子がイエペスだった。イエペスの演奏でこの曲は世界的になった。イエペスは「禁じられた遊び」のテーマ「ロマンサ」を弾いたギタリストである。
私も若かりし頃、この第二楽章を弾きたいと練習したものだ。もちろんものになることはなかったが。だからアランフェスは多くのギタリストの演奏を聞いている。
久しぶりもあったが、カニサレスのこの演奏は気に入らなかった。大体私は保守的である。ビートが気分を害したのだ。フラメンコは嫌いではない。むしろ好きな方である。
私たちの時代はラジオである。そのラジオでたしかアントニオ・ガデス率いるフラメンコ舞踏団の来日公演を中継していた。急いで録音した。その後ギターを習いに行ったとき先生にフラメンコギターを習いたいというと、あなたは、たぶんフラメンコはすぐに飽きるだろうから、クラッシクをおやりなさい、と言われ、クラッシクギターを始めたのだった。確かに少しは弾けるようになるとクラッシックをやってよかったと思うようになった。
セゴビア、イエペスはその頃の頂点だった。そこでイエペスの「アランフェス協奏曲」のCDを探したが、それを見つける前に、アルビノーニのアダージオが見つかった。アダージオはスライド作品「限りあるもの」のBGMに使ったからあるのはわかっていたが、なんと3枚もあった。管弦楽、オルガン・・ついでにバロックが数枚出てきた。アランフェスは忘れて、バロックをかけまくっている。いやはや忘れていたバロックはとてもいい。やはりバッハは最高と言いながら。