2019年7月28日任期満了実施参院選で 安倍自民党を大敗に追いつめれば 政権運営が行き詰まり 2019年10月1日の消費税10%への増税を 断念させる可能性が生じる |
2019年3月5日参院予算委 清水貴之「日本維新の会の清水貴之です。どうぞよろしくお願い致します。先ず初めに米朝首脳会談、そして北朝鮮問題ついて総理にお聞きしたいと思います。このパネルですが、米朝会談後の総理の発言を上げてみました。『安易な譲歩を行わず、同時に建設的な議論を続け、北朝鮮の具体的な行動を促していく。そのトランプ大統領の決断を日本は全面的に支持をする』。次は『私自身が金委員長とと向き合わなければいけない』、こういったことを述べられております。 で、私が是非、聞きたいのは『全面的に支持する』という部分でして、まあ、友好国のアメリカと歩調を共にしてという意味では理解をするんですが、ただ結果は、進展は、残念ながらなかったわけです。となりますと、まあ、拉致の問題の解決も、私は遠のいたと思います。となりますと、拉致家族の皆さんの思いを受けまして、拉致問題解決のためには何が何でも合意して前に進めるべきだったと、そういった意味では、結果とした残念な結果になったんだと、いうような発言になっても良いのではないかと感じたんですが、総理、どうでしょうか」 安倍晋三「そこはですね、清水委員と見解が違うところなんですけど、あの、基本的にはですね、この世界で多くの国々が、あるいは安保理決議もそうなんですが、この 核、そして弾道ミサイルを廃棄させるという方向で、この、まさにその意を受けて、勿論、大統領が首脳会談を行っているわけでございますが、同時にこの拉致問題については、勿論、世界各国と共有はしておりますが、まさに我が国の問題であるわけでございます。 その中に於いて今回、先ず核・ミサイル問題につきましては安易な譲歩はしなかったという、勿論、この朝鮮半島の非核化に向けて大きな一歩をぐっと進むことはできなかったのは事実であります。そのことについては私も残念に思いますが、しかし安易な妥協はしなかったということでありました。 かつての、この、米朝で交渉を行ってきた中に於いてはすね、えー、向こうが少し進めば、こちらもですね、制裁を解除していく。あるいは何かを出す。結局、彼らが何かを掴んでやめてしまう。そういう繰り返しにはならなかったっていうことは良かった、こう考えておりますし、その決断をしたと。形式的な成功を示すのではなくてですね、実質的な前進がないのであれば、この安易な妥協はしなかったということを評価しているところであります。 一方拉致問題につきましては今回一対一の、一番最初の一対一の首脳会談、首脳会談うちの一対一、いわゆるテタテと言われる部分に於きまして、我々は首脳会談を行う際にはテタテを一番重視をしております。これ非常に微妙な問題、たくさん出席者がいますとですね、話せないことについて、当然、そこで通訳だけを交えて話をするわけでございます。その場に於きまして、えー、いわば日本に取って大きな問題であるこの問題を大統領は出したということでありました。 いわば米国がそこまで重視をしてるということをですね、金正恩委員長も理解したんだろうと思うわけでございます。さらにはその後の少人数の夕食会でも、この問題を引き続き提議をし、真剣な議論が行われた。えー、これは今までなかったこと、昨年も提議をして頂きましたが、今までなかったことが行われたのでございました。 そういう意味に於きましてはしっかりと金正恩委員長には伝わったのではないか。そこは私は成果と考えているところでございます。ただ、えー、まだ、実際にですね、拉致被害者が実際に日本に帰って来ることができているわけではございませんんから、実際にこの問題を進めていく上に於いて、勿論、日本人自身の問題でありますから、私自身が金正恩委員長と向き合わなければならないと、このように考えております」 清水貴之「『私自身が金委員長と向き合わなければいけない』と言われました。もう一度ですね、核の問題についてお聞きしたいんですが、非核化を進めていく上に於いて順当な流れを見ますと、非核化が進んで、その次が拉致だという話になってくるんだと思いますが、今回は非核化の部分でなかなか進展がなかったと。 そうしますとここを先ずは日本としてどう解決に向けて、アメリカと共に進めていくかという、これがまた拉致の解決に繋がっていくことだと思うんです。そうしますと、非核化に向けて、じゃあ、どんなことが日本できるのかと、これについては、総理、如何お考えでしょうか」 安倍晋三「我が国としてはですね、引き続き米朝プロセスを後押しをしていくことが大切だと思っておりますが、より具体的にはですね、朝鮮半島の完全な非核化に向けた検討は、例えば、核弾頭、核物質、再処理、ウラン濃縮施設、弾道ミサイル及びそれらの製造施設等の廃棄や検証のあり方、多くの要素を含む複雑なものだと認識しております。 その具体的な進め方をですね、含め、米国との間で引き続き緊密にすり合わせを行っていく必要があると、施設を廃棄していく、今、ありました施設、それぞれについて、また物質について、それをどのように解体していくか、廃棄していくか、という方法論の中に於きましても日本がしっかりとアメリカと、えー、相談しながら、日本でできることもあるわけであります。 今後共ですね、日米、あるいは日米韓で緊密に連携をした上で中国やロシアを初めとする国際社会と協力しながら、引き続き朝鮮半島の非核化を進めていかなければならないと、こう考えております」 清水貴之「そして総理の『私自身が』というご発言ですけど、あのー、よく分かります。是非、進めて頂きたいと思うんですが、ただ、一方でじゃあどうやってこれを実現していくのかという話になるのだと思います。何もこちらからですね、示さないのに、それこそ条件提示とか、譲歩もなく、北朝鮮側が拉致の解決を提案してくる、あるいは会おうという話になるとは、やはり思えないわけですねえ。 今回の会談で北朝鮮がやはり経済制裁の解除、これを一番欲しがっているんだなということは、非常に多く分かったというふうに思います。となりますと、日本側から率先してその提案をしていく、こういったことをやっていくことで、この直接総理が向き合うということの実現に繋がっていくんじゃないかと思いますけど、これは総理、どうでしょう」 安倍晋三「例えばですね、経済制裁についてどう対応していくのか、ということでもあるんだろうと、こう思っています。北朝鮮への対応については引き続き、米国を初めとする国際社会と緊密に連携しつつ、安保理決議を完全に履行していく方針に変わりはありません。 その上で我が国として拉致問題を解決するために何が最も効果的か、という観点から、今後の対応を真剣に検討していく考えでございます」 清水貴之「今、仰った通りですね、安保理決議を重視するということは経済制裁を日本だけ独自に解除するということは、これは現実的ではないと話したと思うんですけども、となると、やはりこう向き合い方というのは、じゃあ、どうやったらこれをが実現できるかというと、やはり私が思っているのは核とこの拉致問題、切り離して考える。これが日本としてどこまでできるのかということに繋がっていくんじゃないかと思うんですね。 切り離して、じゃあ、北朝鮮と直接向き合った場合に、今の安保理決議の話になります。経済制裁の話になりますが、日本だけ独自のことをするということになったら、これは国際社会に対して、もしくはアメリカに対してそういったことしっかり説明する、説得していく必要が生じてくると思うんですね。そういった意味で色んなことを含めてというお答えだと思うんですけども、もう一度その辺りのことをお答え頂けますか」 安倍晋三「北朝鮮側もですね、この遣り取りを、金(正恩と言おうとしたのか)、聞いて頂いていると思いますので、今申し上げることを、(苦笑しながら、)吟味して頂きたいと思うのでありますが、引き続き米国を初めとする国際社会と緊密に連携しつつ、安保理決議を完全に履行する、していく方針には変わりありません。安保理決議にについては日本も参加をしているわけであります。 その上ですね、我が国として拉致問題を解決するために何が最も効果的か、という観点から、今後の対応を真剣に検討していく考えがあるということでございました(?)。あの、 北朝鮮とのこの問題の中でも拉致問題については日本独自にですね、判断したなければならない事柄が様々あるわけでございます。日本はこれまで打ってきた中の様々な、様々な対応をしてきたわけですが、その中にはですね、今申し上げましたように安保理決議によるものもあるわけでございますが、それはですね、今申し上げましたように国際社会共に行っているものでありますが、それは続けていくということになるわけでございます。 かつて小泉総理が2002年に訪朝したときにはですね、あのあと最終的には5人の被害者が、この、おー、帰ってくる、一時帰国だったところ、(北朝鮮には)帰さないということになって、結局そのまま日本に帰還することができたのでございますかが。そのときに我々が何かをするということではなかった。ただ、しかし、えー、この拉致・核・ミサイルの問題、あと、不幸な過去を清算してですね、そして日朝関係を正常化をしていく、というような平壌宣言を発出をした中に於いてこの、この5人の被害者が日本に最終的には帰還することができたということもあるわけでございます。 そうした様々な経験も活かしながらですね、あらゆるチャンスを逃さずにこの問題の解決に当たっていきたいと、こう考えております」 清水貴之「拉致被害者家族の有本恵子さんのお父さんは、もう拉致問題の解決は長引くが、次はもう、安倍総理の仕事になったと、非核化の動きは待っていられないとこういったコメントを出されておりますけれども、是非、あの対応お願い致したいと思います」 ついて、厚生労働省の勤労統計の不正問題について質問したいと思います。まず最初がですねとくべ |
安倍晋三が応答の中で、「一番最初の一対一の首脳会談、首脳会談うちの一対一、いわゆるテタテと言われる部分に於きまして、我々は首脳会談を行う際にはテタテを一番重視をしております」と言っていることについて、「テタテ」の意味が分からなかったから、ネットで調べたところ、フランス語で、勿論、日本風の読みとなっているが、名詞で「打ち明け話」とか、「内緒話」、形容詞で「差し向かいの」、「内密の」といった意味があると解説されている。要するに「一対一」で済ますことができるところをわざわざ「テタテ」といった一般的ではないフランス語を持ち出して、首脳会談に於ける首脳同士の一対一の話し合いがさも大層なこと、凄いことであるかのような勿体をつける。安倍晋三らしい、言葉だけの価値付けとなっている。
テタテを最重要視しようがしまいが、それを何回行なおうが行うまいが、トランプと金正恩との第1回首脳会談、今回の第2回首脳会談を見れば分かるはずだが、結果が全てであることを教えている。完全非核化も進んでいないし、拉致問題も進んでいない。大体が金正恩自体に完全非核化の意志がなく、核保有国認定を望んでいることはこれまでの経緯から見て、明らかである。
いわば最重要視が即結果に繋がる保証はどこにもない。安倍晋三はプーチンと25回も首脳会談を重ねている。1対1のテタテが一度の首脳会談で2回行われるケースもあることからすると、首脳会談の回数を遥かに超えるテタテを行なってきたはずだが、北方四島返還問題に関しては何ら進展を図ることができていない。安倍晋三は言葉だけでさも成功するかのような可能性を演出することに長けているが、既に多くから見抜かれているのだから、もうそろそろ、やめた方がいい。
日本維新の会の清水貴之は第2回目の米朝首脳会談は核問題も拉致問題も、何の進展も見られなかったのだから、トランプが金正恩の経済制裁解除要求を拒否したことを以って安倍晋三がトランプの決断を日本は全面的に支持するとした発言よりも、残念な結果に終ったとする発言になってもいいのではないのか、あるいは非核化に向けて日本はどんなことができるのかと問い、さらに安倍晋三が「私自身が金委員長とと向き合わなければいけない」と決意表明していることに関しては今回の首脳会談で金正恩が一番欲しがっているのは経済制裁の解除だと分かった以上、核問題と拉致問題を切り離して考えるべきで、その場合、経済制裁の解除の話に突き当たることになるから、拉致問題解決に向けて金正恩と向き合うためのにはアメリカを説得して、日本独自の経済制裁解除を行うべきではないかと提案している。
確かに金正恩は経済制裁の解除を一番に欲している。だが、アメリカに対する説得が成功して、日本独自に制裁を解除することになる経済支援、あるいは経済交流が金正恩が望む規模のものでなく、程々の規模であったなら、金正恩は日本に対する重要な外交カードとなっている拉致問題を簡単にはテーブルに乗せることはないだろう。日本は果たして程々の規模を超える、抜け駆けともなりかねない制裁解除の説得をアメリカに対して成し得るだろうか。もし金正恩が満足する規模の日本独自の制裁解除を許したら、アメリカ自身が持つ経済に関わる北朝鮮に対して持っている外交カードの力を一定程度削ぐことになる。この点からも、許したとしても、金正恩が満足しない程々程度の解除になるはずだ。
だが、トランプが2回目の首脳会談で金正恩が要求する経済制裁解除に応じた場合の北朝鮮側のメリットはアメリカとの間に行われる経済支援や経済交流の量のみならず、他国に与える右へ倣えすることのできる影響も遥かに大きく、トランプの制裁解除に右へ倣えした日本の経済制裁解除があって初めて金正恩は拉致問題を外交カードとして切る価値が出てくる。要するにトランプが金正恩の要求する経済制裁解除を拒否したことによって、経済制裁を解除した場合に便乗して拉致解決に乗り出すことができる日本側のチャンスまで失った。
と言うことは、安倍晋三が金正恩と向き合うチャンスまで失ったことを意味する。そして首脳会談で最も重要な点は金正恩が完全非核化の意志を示さないままに経済制裁の解除を求めたということである。完全非核化までの経済制裁を主張しているアメリカや日本、他の西側諸国にとって非核化しない北朝鮮への経済制裁解除は自己矛盾そのものとなる。トランプとしたら、完全非核化へと向けるステップとして自己矛盾を可能な限り抑えた状態で一部制裁解除を与えたいと考えていたのかも知れないが、双方の思惑が違い過ぎたということで制裁解除拒否ということになったのだろう。
要するに金正恩がまともに向き合っている第一番の相手はアメリカであって、日本ではない。アメリカは親であって、日本は子の価値しかない。親が折れれば、子はそれに従う。このことは朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」が2019年3月8日付けの紙面でベトナムの首都ハノイで先月行われた米朝首脳会談についての論評を掲載して、安倍晋三と河野太郎が拉致問題でトランプに画策していることを非難する声明を載せたことに現われている。「NHK NEWS WEB」(2019年3月8日 17時50分)
安倍晋三と河野太郎について、「アメリカ側にかわるがわる電話をかけて、首脳会談で拉致問題を解決する意思を伝えてほしいと要請した。日本は自分たちに有利な方向にアメリカを動かそうとして、ロビー活動に人的物的資源を総動員した。
私たちが相手にするにはいままで日本が犯した罪はあまりにも大きい。日本が過去の罪悪について賠償しないかぎり、我々とつきあう夢を見るべきではない」
そして、〈首脳会談が物別れに終わり合意文書が交わされなかったことについて、「内外からアメリカの責任だとする主張が一様に上がっている」として、制裁解除に応じないアメリカへの不満も滲ませた。〉と解説している。要するに首脳会談を成功させることができなかった八つ当たりを日本に向けているに過ぎない。日本はその程度の扱いしか受けていない。
では、清水貴之の質問に対する安倍晋三の答弁を纏めてみる。
首脳会談が何の進展もなく、残念な結果に終わった原因がトランプの金正恩要求の経済制裁解除の拒否にあるにも関わらず、「トランプの決断を日本は全面的に支持をする」とした安倍晋三の発言の見当違いを清水貴之に指摘されると、核・ミサイル問題について安易な妥協はしなかった点を評価した全面的な支持だと述べた上で拉致問題については首脳会談での二度に亘る1対1の話し合いの場とその後の少人数の夕食会でもトランプが取り上げたのは「今までなかったこと」で、「米国がそこまで重視をしてることを金正恩も理解したはずだ、しっかりと金正恩委員長には伝わったのではないか。そこは私は成果と考えている」などと答弁している。
アホも休み休み言えと言いたい。アメリカが100回取り上げようと、金正恩は拉致問問題を日本に対する外交カードとし得るかどうかの状況に応じてこの問題について日本と向き合うべきかどうかを決める。いわば北朝鮮国益に従う。当然、金正恩に伝わったかどうかが「成果」の判断材料になるはずはない。
このことは前回の首脳会談で明らかになっているはずだが、トランプは取り上げたことを自慢し、来日して2017年11月6日に都内の迎賓館で拉致被害者家族と初めて面会、拉致被害者家族はトランプに大いなる期待を掛けたが、幻と終わった。この経験から安倍晋三は何も学ぶことができていない。学んでいながら、このような発言を口にしているとしたら、さも解決できるかのような振りを装って、国民を騙していることになる。
清水貴之がアメリカを説得して日本独自の経済制裁の解除を行ない、拉致解決に繋げるべきではないかと提案すると、安倍晋三は経済制裁に関しては米国を初めとする国際社会との緊密な連携と安保理決議の完全な履行を従来どおりに主張している。いわば北朝鮮完全非核化まで経済制裁続行の宣言である。
ところが、完全非核化の意志のない金正恩に対して完全非核化までの経済制裁続行の宣言を日本が突きつけることは見当違いということだけではなく、そのような状況下では金正恩に対して拉致問題を外交カードとして使う時期ではないことを認識させるのみとなる。要するに経済制裁を伴わせた北朝鮮完全非核化の要求と拉致問題解決は両立させることはできない。拉致問題を解決させたければ、経済制裁を伴わせた北朝鮮完全非核化の要求を取り下げる二者択一の道しか残されていないことを認識すべきである。後者は国際社会の一員としてできないと言うなら、拉致解決の要求を取り下げる選択肢しかないことになる。当然、金正恩と向き合うことなど夢のまた夢となるから、さもできるかのような雰囲気を言葉のみで振り撒くべきではない。
安倍晋三の胸の内の拉致解決の方策は次の答弁に現われている。
「我が国として拉致問題を解決するために何が最も効果的か、という観点から、今後の対応を真剣に検討していく考えでございます」
「何が最も効果的か」――
金正恩が一番欲しがっているのは核保有国認定であり、経済制裁解除であるにも関わらず、経済制裁を伴わせた北朝鮮完全非核化の要求を取り下げることができずに「何が最も効果的か」と口しているに過ぎないから、さも方策があるかのように見せかける言葉遊びに過ぎない。
だから、「次は私が金正恩氏と向き合う」とか、「拉致問題を解決するために何が最も効果的か」といった言葉を繰り返し言わなければならなくなる。