麻生太郎、鳩山支持率低下で元気づいた軽口連発の講演?

2009-12-24 06:14:41 | Weblog

 日付は昨23日となっている「asahi.com」記事――《軽口連発、久々の麻生節 「ルービン?」言い間違いも》

 首相経験者や党幹部など知名度の高い政治家を全国各地に送り込む「ふるさと対話集会」の一環として麻生太郎前首相が23日、奈良県十津川村で首相辞任後初めて講演したそうだ。

 麻生太郎第二のふるさと秋葉原と比較したら、物足りない聴衆の集まりだったに違いない。

 出だしは「総選挙の敗北で、政権交代を余儀なくされた。力不足を恥じている」と神妙だったということだが、次第に軽口を連発、久しぶりの「麻生節」を披露したと出ている。

 多分、聴衆の男性の一人に「あんた、子供何人いるの?」とでも声をかけたのだろう。「カネがねえなら、結婚しない方がいい」と若者向けに発言したくらいだから、どうも結婚と出産の話にかけてはお得意中のお得意十八番の関心事に思える。

 「4人いる」と答えたのに対して、麻生太郎、間髪を入れずといったところだったに違いない、「最近は5人いると、お好きねと言われる」――

 聴衆は大いに笑ったことだろう。麻生太郎、面目躍如といったところで、麻生太郎も素晴らしい受け答えだったろうとばかりに例の顔でに得意げにこやかに笑ったはずである。

 記事には出ていなかったが、そのあとで「少子化対策のためにお好きねと言われようがなんだろうが、5人目、6人目、頑張ってよ」と言ったのだろうか。

 記事の題名にもあるように麻生太郎にはつき物となっている言い間違いも紹介している。サブプライムローン問題については「リーマン・ブラザーズ」を「ルービン・ブラザーズ」と言い間違えたそうだが、記事は〈お得意の言い間違いも健在だった。〉と解説している。

 「言い間違い」もお得意中のお得意、十八番だから、例に洩れず外さなかったわけである。

 衆議院選挙自民党大敗北を受けたときは、「もっと早く選挙をしていれば、こんなには負けなかったかもしれない」と似つかわしくなく意気消沈し、反省しきりの麻生太郎と大違いの生き返った麻生太郎を見せていた様子が記事から窺うことができる。

 自民党総裁選に打って出たときの麻生太郎、総裁となって日本国総理大臣となったときの麻生太郎はそれはそれは元気そのものだった。いつもにこやかな笑顔を振りまき、100年に一度の金融危機に見舞われてどん底の不況に陥ったときも日本中を明るくしてくれた。

 尤も悪く言うと、人の苦労や痛みを感じない鈍感さからきた底抜けの明るさだったとも言える。

 2008年10月26日秋葉原、総理大臣になってから麻生人気の発信源、「麻生太郎、秋葉原じゃあ、えらく受けた」秋葉原に「総裁になってから初めてやる街頭遊説は、まず秋葉原から始めなければいかん」とお礼演説に訪れた。

 「(国民のみなさんの?)生活が、生活が、会社の未来が、日本の将来が、何となく見えない。従って、何となく気持、開かれるよりは閉ざされる。そういった感じになっているんだと思います。

 そこで私は是非、今回の自由民主党としては、景気対策というのを、先ず一番に考えに掲げるべきだと、そう思って先ずは景気対策。そして、その中でも、中小零細企業というものを、考えなければならないんだ、そう思って私は、色々景気対策、中小零細対策と、いうのをやらせていただいております。・・・・」
 
 そして最低賃金を上げることと非正規社員を正規社員に変える政策を打ち出すことを果たしはしなかったものの約束してから、

 「非正規社員を正規社員にすると、どんなことが起こるか。一つの例を挙げます。九州トヨタって会社がある。世界のレクサスを75%はこの九州トヨタが造っています。この九州トヨタは過去4年間で2100人、非正規社員を正規社員にした。毎年500人ずつ増やして、4年間で2100人まで、昨年まで増やしています。

 結果何が起きたかと、言えば、この地域の於いて、結婚ラッシュが起きたんだ。分かりますか、この意味?非正規社員が正規社員になって、給料が安定した、いうことが分かったら、結婚するんです。

 結婚すると、子どもが平均2.2人産まれる。これは少子化にも、対策にも結果的につながる。

 やっぱり、女性側も、結婚する相手が何となく、食いっぱぐれそうな顔してると、こりゃあ、ちょっと、結婚したら、あたしが一人で働かないかんと(しょうがない笑いをする)、そら、なかなか結婚したくないよ、そら、女性のほうも選ぶ権利がある。当然のこととして、稼ぎが悪そうなのよりは、稼ぎがいい方がいいに決まっている。そう思って結婚しないんだと思いますが、それが、これできちんと証明されていると思います・・・」

 そして中小零細企業にとっては暮れはボーナスを給料以外に払わなければならなくなって資金繰りが苦しくなるから、その対策をしなければならないという話に移っていく。

 出産と結婚に関して何かトラウマを抱えているのかどうか分からないが、政策実行能力はともかく、結婚話で聴衆を笑わすことにかけてはあの頃の麻生太郎はまさしく元気があった。

 「高齢者は働くことしか才能がない。80歳を過ぎて遊びを覚えても遅い」と高齢者にハッパをかけることも忘れなかった。

 「岡崎の豪雨は1時間に140ミリだった。安城や岡崎だったからいいけど、名古屋で同じことが起きたらこの辺、全部洪水よ」

 豪雨に見舞われた、あるいはこれから見舞われるかもしれない住人の不幸を吹き飛ばす元気のよさを見せつけたもした。

 だが、今年8月の総選挙で歴史的大敗北を受けて以来、人の痛みに無感覚な鈍感さからきているその底抜けの明るさは影を潜めさせざるを得なかった。暫くの沈黙。

 そしてここへきて、「軽口連発」

 まさか、もう時効になったからということではあるまい。自民党が野党である間、選挙敗北の責任は負わなければならないからだ。

 だが、その責任を忘れて、底抜けの明るさ復活のスタートラインに立った。麻生政権に取って代わってその座についた鳩山政権が支持率を急激に下げてきているのを見て、来年の参院選の勝利も夢ではないとほのかに期待を抱いたことからの元気復活ではないだろうか。

 指導力のなさ、ブレる点ではでは兄弟のように似ていて、支持率降下の軌跡もそっくり同じだが、その支持率低下が麻生太郎から鳩山由紀夫に番が回ってきたと見たことから元気づいた麻生節復活に違いない・・・・と見たが、どうだろうか。

 他人の不幸は蜜の味。麻生太郎のにんまり顔が目に見える。



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