御前崎市浜岡原発と首相官邸を結んだ原子力総合防災訓練
危機管理能力は学習能力と応用能力が深く関係する。
学習能力は優れた記憶力を欠かすことはできない。学習しても、学習したことを忘却の淵に沈めてしまっては学習しなかったことと同じ状況となるからなのは断るまでもない。
応用能力は優れた合理的な状況判断能力を必要とする。どういった状況に至っているかの咄嗟の判断能力を欠いていたなら、そこに応用能力は発揮できようがなくなる。
過去に訓練したり体験した様々な出来事を学習、記憶し、危機が生じたときに限らず、何かを新たに成すべき状況に立ち至ったとき、それがどういった状況なのか合理的な判断を下すと同時に学習し記憶した訓練なり体験なりを脳裏に呼び覚まして、学習したことと判断したことを併せて新たに成すべき状況の解決策に応用させることによってよりよい解決を導き出すことができるはずだ。
だが、4月18日の参院予算委員会で菅仮免首相の危機管理能力ゼロを証明する国会答弁が展開された。記憶し、学習材料としなければならなかった体験を忘却の淵に沈めっ放しにして脳裏に呼び覚ますことができなかった記憶力ゼロを曝した。
記憶力を欠けば、必然的に学習能力を欠くことになる。
元々合理的判断能力を欠いていた。的確な記憶力と学習能力を共に欠くことによって生じた合理的判断能力の欠如であり、結果として招いている応用能力の欠如と言うことではないだろうか。
危機管理能力ゼロを証明する国会答弁は自民党の脇雅史議員との質疑応答の中で現れた。二箇所取上げてみる。
脇雅史議員「菅総理は一生懸命やっておられる、私は思います。大変ご苦労されていると思う。しかし多くの国民がですねえ、菅総理に対して、そのリーダーシップに疑問符をつけてらっしゃる。多分、菅総理はご自身はリーダーシップがおありになると思ってらっしゃると思うんですが、しかし残念ながら、国民のみな様方はですね、今は色んな調査がありますが、7割、8割はですね、菅総理がリーダーシップがないって言ってるんですね。何でで、そういうことになると思ってらっしゃいますか」
菅仮免首相「まあ、私はですね、あのー、3月11日、えー、ちょうどハッサイ(発生)の、瞬間、ここで、え、この場で、参議院の決算委員会に席を置いておりました。えー、休憩が、宣せられて、官邸に戻って以来、えー、本当に、イー…まあ、一秒の、オ、と言えば、言い過ぎかもしれませんが、えー、全力を挙げて、この問題に取り組んでまいりました。
シー、私は、あのー、色々な、事実、というものを、オ、是非、イー、ご覧を国民の皆様にも、まあ、いただきたい。まあ、十分に、私が、あのー、伝達が悪かったかもしれません。
シー、私は先程の、会談、あのー、議員の方に申し上げました。えー、二つの、本部をつくりました。これはつくらざるを得なかったと言う意味で、わざわざたくさんの本部をつくるためにつくったんじゃありません。
片方はまさに、えー、地震・津波に対する、エ、救済から、オ、復旧であります。
(ヤジに対して)え、えー、もうちょっと待ってください。
そいう中で何をやったのか。私が先ずやったことは、防衛大臣と相談して、先ず救命に対しては、自衛隊に緊急に出動してもらいたい。それを私から指示したのはハッサイから40分後であります。
そして、えー、警察や消防などを含めてですね、多くのみなさんが現地に入っていただきました。えー、そういったことをですね、よく見ていただければ、私が、あー、どういう、ウ、行動を取ったか、あるいは内閣全体として、あー、何が進んでいるかということを、見ていただければ、決して、えー、今回の、おー、この問題で、よく言われるように、えー、初動が、あ、不十分であったとかいう、私は、シ、そのご指摘は当たっていない。
他の、場合に比べても、十分な対応ができていると、このよう認識しております」
脇雅史議員「あのー、私が申し上げている意味と全然違う答弁だったんですが。私はリーダーシップとはですね、自分で一生懸命頑張って、自分であれをやった、これもやったということではないと思うんです。人を動かす力、組織を動かす力、菅さんのためなら命を捨ててもいいと思う人がたくさんいること。そういう思いをつくることがリーダーシップの原点なんです。そのことに国民が不安に思ってるんです。
もう結構です――」
巨大災害発生後、早い時間に自衛隊を出動させ、警察、消防、その他を出動させることは国民の生命・財産を預かる内閣のトップリーダーとしてごく当たり前の使命・任務、危機管理対応の初歩・基本であって、当然のことをしたことを以ってリーダーシップがあることの答とする合理的判断能力は如何ともし難い。
この一事を以って国家のリーダーたる資格を失う。
出動させることは当たり前、出動させた組織が機能したかどうかが問題となるはずだが、そのことを問題とせずに、出動だけを以ってリーダーシップが機能したことの証明とする見当違いな判断能力を示したに過ぎない。
だから、脇議員に「私はリーダーシップとはですね、自分で一生懸命頑張って、自分であれをやった、これもやったということではないと思うんです」と言われる。
自衛隊を2万、5万、10万と拡大出動させたが、地震・津波被災者に対する食糧支援や健康維持の防寒物資支援、薬品支援等の生活支援の遅れを生じせしめた。
このことはヘリコプターを着陸可能な場所に着陸させる方法で物資を運搬したことも一因となっている遅れであるはずだ。着陸不可能な場所であってもヘリコプターに物資を吊るして降ろすという方法を採用していたなら、物資不足はより早い段階で解消できたはずであるし、電話の不通等で通信手段を失った中で被災者数や不足物資の情報を把握できなかったことの解決策として自衛隊ヘリコプターから隊員をロープで吊り降ろして、把握させた被災者数と不足物資、あるいは病気治療の必要人数を隊員とヘリコプターの間で無線で連絡、病気治療が必要な被災者がいたら、直ちにヘリコプターに収容し病院に搬送、降り立った隊員はその場に残り、必要物資を積載して折り返し戻ってきたヘリコプターが物資を吊るし降ろすのを手伝い、一通りの役目を終えたなら、ロープで吊り上げてヘリコプターに収容するといったことをしていたなら、情報の把握と同時に把握した情報に応じた物資支援、その他の支援を可能としたはずだ。
だが、物資支援ばかりか、情報の把握も遅れた。
「費用対効果」という言葉がある。物資支援の遅れ、情報把握や情報発信の遅れを見る限り、果して10万人態勢に持っていった自衛隊は“人数対効果”を挙げたと言えるのだろうか。
福島原発事故対応に関して言うと、避難指示や屋内退避指示対象の被災者に対して十分な情報と物資支援を行うことができたと言うのだろうか。住民の間だけではなく、自治体の長からも政府批判の声が上がり、テレビ等を通じて発信されたのである。
こういったことの検証に目を向けるべきを、出発点の自衛隊、その他の出動を以って、いわば「現地に入っていただきました」を以って危機管理に対応できたと言う。見当違いも甚だしい合理性を欠いた判断能力と言わざるを得ない。
次に脇議員は2010年10月20、21日に静岡県御前崎市中部電力浜岡原子力発電所で行われた総合防災訓練を取上げる。
脇雅史議員「えー、去年の、10月20日(はつか)でございますが、(平成)22年の10月20日(はつか)、21日非常に大事な催しがあったわけですが、そのことはご記憶ですか、総理」
菅仮免首相「ま、突然のご質問ですので、えー、何を指されているのか、あー、分かりません」
脇雅史議員「実はこの日はですね、えー、原子力総合防災訓練、というものをやってらっしゃるんですね。
で、これは本部長として菅直人内閣総理大臣、私がいただいたものには、紙には書いてあります。20日(はつか)、21日と総合防災訓練をされたと。そのときに、どういうテーマで訓練されたか、覚えてらっしゃいますか」
菅仮免首相「詳しい、イ、内容については記憶しておりませんが、やはりこうした、あー…、色んな、あー、地震等を想定した、あー……、ことではなかったかと思っております」
脇雅史議員「また呆れちゃうんですけどね(失笑)、これ大変なことですよ。私は日本の国はたいしたもんだと思うんですが、ちゃーんと訓練してるんですね。
その訓練はですね、事故の想定という項目があるんですが、原子炉給水系の故障により、原子炉水位が低下し、原子炉が自動停止、その後の非常用炉心冷却装置と複数の設備故障により、万一放射性物資が放出された場合、その影響が発電所周辺地域に及ぶ恐れがある、と想定。
まさに今回と同じことを想定しているんじゃないですか。そのことについてなんにも記憶はないんですか。何のための訓練だったんですか。あなたが本部長として、参加されてるんですよ。本当の覚えていない?どうぞ」
菅仮免首相「シー、少なくともですね、あのー、おー、おー…、私にとって、えー、そうした原子力の、おー、いろいろな、あー、事故は、過去に於いても、オ、多くありましたし、日本では、あー、臨界事故、というものが最も大きかったわけでありますから、えー、そういった意味で、えー、一般的な認識を持っておりましたし、えー、そういう想定に、立っての、おー……そうした、あー、訓練が、行われたということは、ア、ご指摘のとおりだと思っております」
脇雅史議員「(鼻で笑う)政府がねえ、その、総理までお入りになった訓練をやるっていうことの意味が全くないんですね。折角こういうことを想定してやっているのに、何にも動いていないじゃないですか。経産大臣(指を指して)、覚えていらっしゃいますか」
委員長「海江田――
脇雅史議員「そのとき大畠さんだけど」
委員長「海江田経済産業大臣」
海江田経産相「えー、脇委員にお答えいたします。昨年の10月でございますね。あのー、わたしは、あー、経産大臣では、ございませんでしたので、申し訳ないですが、覚えておりません」
脇雅史議員「大畠さんにお願いいたします」
大畠国交相「えー、お答を申し上げます。えー、このー、おー、浜岡での、おー、原子力事故の、おー、対策、ウー…、については、ア、覚えております」
脇雅史議員「(笑いながら)あのね、たったそれだけ覚えてたって、意味はないんで。
またまた驚くべきことがあるんです。さっき総理、法律とか計画、目を通されていないっていう話ですから、防災訓練計画ってのは国家として持ってらっしゃる、持ってるんですね。きちんと。
マニュアルで色んなときにどうしたらいいかって決める。その防災計画の中にも、この原子力の訓練はしっかりやらねばならんと、書いてあるんですね。その中には何と書いてあるかと。
訓練をしたら、その訓練の結果、様々な検討をして、専門家の意見を聞いて、変えるべきことがあったら変えなさい、きちっりやりなさいと書いてあるんですよ。
その報告どうなってるんですか。海江田さん。これは今の大臣の責任だよ」
海江田大臣「えー、この昨年の、10月のことについて、あのー、それがどういう報告がなされたということは、申し訳ございませんが、私は、あー、承知をいたしておりません」
脇雅史議員「あのね、実は纏まっていないんですよ。驚くべきことに。あのー、取り纏め中って書いてあるんだけど、私はね、ホントーに呆れてるんですよ。今度のね、様々な行動もね、こういう基本的な対応があるから、こんだけ膨らんでしまったんでですよ。
必ずしもね、初めてのことで大変なことが起こったと思う。全部がみな様方政府が悪いとは言わないけども、しかし少なくとも訓練の結果を見る限り、全くやる気がない。
あのー、政権交代した、政権交代したと叫ばれていらしたけれども、政権交代をするっていうのはそういうことをすべて引き受けるんです。そういう責任を。
その努力を何にもなされていないということにね、私はホントーにね、呆れています。深刻に反省すべきですよ。総理、どうですか」
西田昌司自民(ヤジ)「本当に国民は不幸だよ」
菅仮免首相「まあ、率直に申し上げてですね、あのー、そういうご指摘、そのものには十分反省しなければならないと思っています。シー、同時に、いー…、総理という役割は、まさに森羅万象のことに対応を、しなければなりませんので、シー、まあ、それぞれ、えー、の、エ、役割が、内閣全体としては、あるわけでありますから、シー、あのー、私が、あのー、細かいところまですべてを知っているかと言われれば、率直に申し上げて、えー、そこまでは、ア、承知をしていない。
ただ、先程来申し上げておりますように、えー、この法律が、あの、原子力災害特別措置法ができた、ベースになった、あのー、臨界事故の問題とか、チェルノブイリとか、えー、そういった問題については、私なりに、えー、知見を、持って、いる、オ、このように考えております」
脇雅史議員「あのね、なおー、さっき私申し上げましたが、国家の一大事、総理が一番果たさなければいけない危機管理対応。まさに武力行使やろうという原子力事故っていうのは想定しておかなくちゃいけないし、原点になる国の防災基本計画の中にも、そういうことのために訓練をやりましょうと、毎年やりましょうと、ずっとやってるんですよ。
毎年やってきて、その都度、問題があったら直しましょうと。そういう努力を積み重ねて初めて、危機管理なんかできるのであって、そのときになって考えて、(聞き取れない)やってもダメなんですよ。
しかも、それを聞いてですね。真摯に反省しないで、また言い逃れをしている。これは明らかに政府の間違いです。申し訳なかったと国民に頭を下げるべきであって、言い訳なんかしている場合ではないんです。その真摯な対応が見られないから、あなたという人間がリーダーシップがないと見られるんですよ。きちんとこの件について国民に謝ったらどうですか」
菅仮免首相「えー、私は、あー、この問題について、えー、こういう事故になって、えー、しまって、多くのみなさん、エ、大変な、ア、ご不便、ご迷惑をかけていることについては、本当に心から、あー、行政の責任者として謝らなければならない、謝ってきているところであります。
そのことと、今回の事故に対して、どのような、対応が必要であったかということで、この間、やってきたことについて、私は、あ、やらなければならないことについて、考えなければならないことについては、ア、私なりに考えられること、あるいは、あのー、私の内閣なりにやれることについては、全力を、オ、尽くしてやってきたということも、併せて申し上げたいと思います。
脇雅史議員「(鼻で笑う)あまりね、言い訳をしない方がいいので、やっぱりそういうことを想定して、きちんと訓練をしておけばですね、もう少しましな対応ができたかもしれない。そのことには真摯に反省を促しておきます」(以上)
菅仮免は原発事故でも考えることができるなりの全力を尽くしてきたといっている。だが、既に触れたように放射能漏出によって生じた原発周辺住民の生活上生じた、あるいは社会的活動上生じた様々な支障・障害に対する政府の対応は決して満足のいくレベルのものとは言えないのは避難住民の声を聞けば、直ちに理解できることである。
だが、全力を尽くしたと言い張る。
総理という役割は森羅万象のことに対応しなければならないが、細かいところまですべてを知っている訳ではない、だが、原子力問題に関してはそれなりに知見を持っていると言っているが、問題は知見そのものではなく、危機管理対応に於いてその知見を如何に生かして解決に導くか、そのリーダーシップを持たせた応用能力が問題となるはずだが、知見にのみ価値を置く認識能力も狂っているとしか言いようがない。
だが、何よりも問題となるのは、浜岡原発で行った総合防災訓練を記憶していなかったことであり、その記憶能力の欠如から生じる、危機管理に影響する学習能力の欠如あろう。
記憶能力を欠くことによって学んだことが無意味化して、学習能力に欠陥が生じる。当然応用能力の発揮というところまで達しない。最初に危機管理能力は学習能力と応用能力が深く関係すると書いたが、結果として危機管理能力が期待できないことになる。
この危機管理能力の欠如を埋め合わせるために、20近くにもなるとか言われている何々本部だ、何々会議だとかの組織と議論の立ち上げが行われることになり、余りにも多すぎる組織と議論が災いして指揮系統の混乱と意志決定の遅れを招いている原因となっているに違いない。
だが、首相は「二つの、本部をつくりました。これはつくらざるを得なかったと言う意味で、わざわざたくさんの本部をつくるためにつくったんじゃありません」と多過ぎる本部と会議の立ち上げを弁解で以て正当化する誤魔化しで済ませている。
脇議員に2010年の10月20、21日に何が行われたかと聞かれて、思い出さなかったとしても不思議はないが、だが、福島原発が発生した3月11日の時点で浜岡と首相官邸を結んだ訓練を思い出し、事故が訓練のスケジュールと似通った推移で展開されていることを認識していなければならなかったはずだ。
当然、脇議員に「実はこの日はですね、えー、原子力総合防災訓練、というものをやってらっしゃるんですね」と言われたとき、そのときの訓練の模様を記憶の底からすべてを呼び覚まして、福島原発事故に対しても似たような行動を取ったはずだから、その行動をも思い出して的確な答弁を行うべきを、原子力の事故は過去にもあったから一般的な認識を持っていたし、そういう想定の訓練が行われたのはご指摘どおりだと思うと、訓練を他処事とするような無責任な答弁は行わなくて済んだはずだ。
浜岡原発と首相官邸を結んだ原子力総合防災訓練については、《菅総理の動き 平成22年度原子力総合防災訓練》と題して、首相官邸HPに載っている。
次のように書いてある。〈平成22年10月21日、菅総理は総理大臣官邸で、平成22年度原子力総合防災訓練を行いました。
今回の訓練は、静岡県の浜岡原子力発電所第3号機において、原子炉給水系の故障により原子炉の冷却機能が喪失し、放射性物質が外部に放出される事態を想定して、政府、地方自治体、その他関係事業者等と合同で実施しました。
訓練では、大畠経済産業大臣から事故状況の報告、原子力緊急事態公示・指示案が提出され、これを受け菅総理は「原子力緊急事態宣言」を発出し、住民への情報提供に努めるよう関係自治体への指示を行いました。
引き続き、この事態を受けて原子力災害対策本部会議の訓練を行いました。政府対策本部長の菅総理から「住民の安全確保を最優先しつつ、事態の一刻も早い収拾を図ることが必要であり、この会議で政府の基本方針を定め、緊急対策を講じるので関係省庁、現地関係者の緊密な連携を御願いする。」と発言があり、続いて現地対策本部長、静岡県知事、御前崎市長、牧之原副市長、掛川市副市長及び菊川副市長とテレビ会議を通じて現地の状況の把握を行い、支援要請に対して速やかに応じるとともに、現地対策本部に必要な措置をとるように指示をしました。〉――
多分、菅仮免はこの訓練を儀式として形式的に参加しただけだったのだろう。
この訓練は首相官邸と現地をテレビ会議方式で結んだ。福島原発事故に際しては東電からの情報伝達の遅滞が問題視された。原発から20キロ離れた地点の政府と東電の統合事故対策本部と首相官邸をテレビ会議方式で結んだのだろうか。
より簡単な方法として、インタネット放送を利用して情報収集と情報伝達の情報交換も可能である。パソコンにマイクとビデオカメラを取り付けて、無料録画配信サイトを利用すれば、同時生中継が可能となる。わざわざ首相が東電本社に乗り込んで怒鳴り込むといったことをしなくても済んだだろう。
国民向けの情報伝達にしても首相官邸と東電と、できるなら原発の現場も加えて、原子力安全・保安院の記者会見場も結び、三元生中継放送として利用すれば、首相官邸が単に保安院が公表した数値をただ発表するといった機械的な情報伝達も避けることができ、より分かりやすくなるのではないだろうか。
いずれにしても、一国のリーダーが自衛隊等を派遣したこと、対策本部等を立ち上げたことを以って危機管理だと認識していることは恐ろしい。
実施した危機管理対応が具体的・機動的に機能したかどうかが問われているということを厳しく認識するだけの判断能力を持ち合わせていない。 |