麻生太郎大明神から国土交通大臣に名誉の任命を受けた我が日本が誇る中山成彬センセイが失言・珍言で選挙目的の詰腹で辞職。既に総選挙の足音が間近に聞こえているこの時期の宮崎1区の後継候補に本人よりも周囲の人間がそのようにソロバンを弾いたのだろう、中山センセイ本人の名誉回復と言うよりも自民党全体の名誉回復にお釣りがきて有り余ること間違いなしとソロバンを弾いたのだろう、お笑い芸人出身東国原宮崎県知事に自民党本部がラブコールを送ることとなった。
中山センセイ本人にしても総選挙に敗れて政権交代となったら、その敗因の主たる一つに中山失言・珍言が上げられたら日本の政治史に永遠に記録される恐れから、東国原に地盤を一旦奪われたら戻ってこないことを承知で愛するべきか、愛さざるべきか迷った末に東国原ラブコールに便乗して歴史に刻まれるかもしれない不名誉を自ら打ち消す行動に踏み出さざるを得なかった。
不本意なラブコールだったから、地盤喪失の現実味に虚しく逆らって「政治活動は続ける。いったん身を引くが、充電してチャンスがあれば国政に登場したい」(「サンスポ」)と未練タラタラを見せつつも、「彼の気持ちは以心伝心で分かる。日頃の言動を見ていると、国のために一身を投げ出す気持ちは持っている」(同「サンスポ」)とアンビバレントなエールを送ることとなった。
そのアンビバレントな相反する感情が一見謙虚には聞こえるが、「心の中にはこの人に出てほしいという気持ちはあるが、辞めていく人間が後継うんぬんと言うのはおこがましい」(同「サンスポ」)と出て欲しいような出て欲しくないような煮え切らないどっちつかずの気持が表れることとなった。
我が中山センセイのこのような複雑な思いなど地方宮崎の星、日本の星たる東国原宮崎県知事にとってはどうでもいいことで、お誘いのラブコールだけが価値ある動きだった。
「自民党が候補を立てられなかったりすると、選択肢は民主党と共産党しかない。宮崎県にとってはどうか」(「asahi.com」)と宮崎県のためには自民党も選択肢に入れるべきだと主張。当然自身を自民党候補に見立てての主張であって意欲満々。
但し一旦は県政を妻としたのである。話し合いによる納得づくの協議離婚ではなく、話がこじれて邪魔が入った場合、国政との再婚に漕ぎ着けることができたとしても評判に傷がつく。意外とカネに汚いとか、往生際が悪いとか、神経質で細かいとか、離婚騒動で男を下げる例は枚挙に暇がない。ボロを出さないためには慎重な話し合いが必要である。先ずは妻が納得してくれなければならない。
「私はあくまでも県民の負託を受けて知事の職を担っている。県民、議会、県職員に国で汗をかいてこいという声があれば、話し合う」(同「asahi.com」)
妻に別れ話は正当だと思わせ、その気にさせなけれならない。
「地方切り捨ての格差社会にしたのは、国政じゃないですか。自民党ですよ、国政をどげんかせんといかん。自民党をどげんかせんといかん」(「asahi.com」)
「宮崎は九州の中でも遅れている地域で、大臣、党を担う人材が出ないことは宮崎にとってマイナスだ」(同「asahi.com」)
インタビューに答えていながら、気持は妻に向けて分かってくれ、離婚は止むを得ないことなんだと必死に訴えていた。話し合いに応じてくれと。
だが、東国原にしたら今の妻と別れて他の女と再婚するという自分の浮気心を棚に上げて、妻は話の分からない女だった。分からず屋と言ってもいい程に頑迷、理解能力ゼロであった。「どんなことがあっても別れるのは厭だ」と言い張る。
「あなたを知事にしてあげたのは誰なのよ。私でしょ?。私と別れて他の男と一緒になるなんて、相手が国政だろうと何だろうと許すわけにはいかないからね。こんな悔しいことないわよ。徹底的に邪魔してやる」
とても協議離婚どころではない妻の抵抗に一旦は別れないと約束したものの、納得して承知した関係維持ではないから、東国原もつい理性を失い、「道路が通らなくても、それは県民の皆さん(妻)が選択したことですからね。しょうがないですね」と投げ遣りに不貞腐れ、「私が出れば1年生議員かもしれないが、『コクバル知事は格が違う』とおっしゃる方々もいる」(「asahi.com」)と妻の判断の間違いに往生際悪くあくまでも拘る。
「国を変えられるような、地方から国を変えられるような方が出てくれれば、ありがたい。そういう方がいらっしゃるかどうか」(「asahi.com」)
そう、俺以外にいないじゃないか。妻に向けて未練混じり、抗議混じりの愚痴が止まらない。バカな女だと腹の中で軽蔑する。男の価値を知らない女だと。こんなにもバカだとは思いもしなかった。
現在の夫の立場で「地方でできる仕事は非常に狭いことを知ってほしい」(「読売」インターネット記事)
別れないことを約束しながら、妻への訴えは続く。「今の妻(県政)を裏切ることになっても、国政と再婚してこそ、地方にとっても大きな仕事ができることを理解して欲しい」と暗に訴えたのである。
だが、切々とした別れたいという思いは相手には通じず、厭だ厭だの一点張りで私一筋(=県政一筋)を求めるバカの一つ覚え。
離婚不成立で不利益を蒙るのは勿論東国原と国政との再婚の仲人を自任していた日本の誇る政治家・中山成彬センセイなのは言うまでもない。立候補なしと言うことなら自分の地盤は守ることができるかもしれないが、総選挙で自民党が民主党に敗れた場合、政権交代を招いた悪者の一人にされてしまう恐れは残る。最悪、戦犯にされかねない。政権交代を招いた戦犯の一人となったなら、靖国神社への参拝も許されなくなるかもしれない。絶対に避けなければならない数々である。
まだ現在の妻(=県政)と離婚が成立しているわけでもないのだから内々に根回しすべきを、自己保身意識から俄然仲人の使命感が全身に漲るあまり、都内のホテルで開催の「九州横断自動車道延岡線建設協議会」に高速道路建設の陳情予定で上京・出席の東国原知事に国土交通大臣を詰腹辞任したというものの宮崎1区選出の国会議員の身分に変わりはなく、同じく出席していたチャンスを千載の一遇とばかりにおおぴらになることも構わずに東国原と国政との仲を取り持つべく直談判に及んだ。
「民主党政権では国政が傾く。国がダメになる」とまずは持論を展開(「日刊スポーツ」)。
「自作自演のシナリオが進行中でございます。シナリオの第1ステージ、第2ステージとあるんだが、東国原知事にどうしても出てもらわんと困る」(同「日刊スポーツ」)
3メートルも離れた場所から他の出席者の頭越しだろうと何だろうと構わずに熱心に口説く。政権交代を実現させてしまった場合の戦犯言い渡しを避けるためにはなり振り構ってはいられない。民主党政権阻止と東国原の国政との結婚話を自らの「自作自演のシナリオ」だと迫って、自分が前面に立っていることの働きを印象づけ、政権交代が阻止できた場合は逆に自分の功績・手柄とする。それが次の言葉に表れている。
「知事には(衆院選に)出てもらって、全国の自民党の候補者を回ってもらいたい。全国的な知名度がありますからね」(同「日刊スポーツ」)
日本全国の自民党立候補者の応援に回ってもらって、東国原人気で当選を獲ち取り、民主党政権を夢で終わらせる。政権交代を阻止する。
どうだこの「自作自演のシナリオは」と内心自慢しているだろうが、裏を返すと、東国原の人気に頼らなければ政権維持が覚束ない程に自民党は頼りなくなっていると言っていることと同じだとは本人はお目出度くも気づかない。
10月7日に宮崎県庁を訪れて東国原に直接「県民は今後の道路整備に不安がある。宮崎のため、国政でもガンガン主張してほしい」と「国政転身を求めた」(「asahi.com」)「道づくりを考える宮崎中央女性の会」の陳情も「あれね、私の差しがねなのよ」(同「日刊スポーツ」)と内緒にしておくべき楽屋裏までご披露に及んで政権交代を実現させてしまった場合の戦犯認定を避ける功績づくりにのみ頭が一杯となる。
妻との穏便な協議離婚をまだ諦めず国政との再婚に色気を残している東国原にしたら、公の席で言われたなら、何よ、あのジジイ、夫婦のことにちょっかい出して、私は別れるつもりは絶対ないからねと妻の機嫌を損ないかねず、「あそこで言われることではない。非常に唐突。驚きと違和感を覚えた」(同「日刊スポーツ」)と表向きは迷惑を演じて見せた。
しかしジレンマは深まるばかり。妻(=県政)とは別れたい。だが妻は別れさせてくれない。自分の気持ちは国政との再婚に傾いていると言うのに。穏便な協議離婚ができるかどうかだけが問題であって、時代錯誤の中山センセイに国政との再婚の仲人役を申し出られても、同じ時代錯誤の人間に思われてしまって迷惑なだけの話。再婚さえ叶ったなら、後は自分の人気と人望で当選も果たすし、政権交代の防波堤にもなってやる。
中山センセイの方は「九州横断自動車道延岡線建設協議会」出席後、自分が政権交代阻止の功績づくりの一歩を築けた、政権交代を実現させてしまった場合の戦犯言い渡されの恐れが遠のいたと上機嫌となって、口がなお一層滑らかになり、「知事はニコッ、と笑っていたよ。(出馬要請は)初めてだよ。あれだけの知名度は利用しない手はない」(同「日刊スポーツ」)とまるで自分が東国原と再婚するような喜びよう。
「私の魂の、心の底からの訴えを以心伝心で分かってもらえたんじゃないかなぁ…おっ、直接だからハート・ツー・ハートだ」(同「日刊スポーツ」)
何という熱い思い入れ。火傷しそうな心の底からの訴え。まさしく仲人の立場を忘れ、自分が再婚相手になろうとしているようだ。
東国原にしても妻と別れて国政と引っ付きたいが本心なら、穏便な協議離婚などといった体裁に構うことなく、東国原英夫をかなぐり捨ててそのまんま東の本性を現わしさえすれば、県民への裏切りも、マニフェスト違反も節操も何もなく国政との再婚も事は簡単、自民党色に自分を染めて日本全国を回って自民党候補の応援にそのまんま東節を快調に炸裂させることも叶う話ではないか。
まずはラブコールやまない中山成彬センセイとそのまんま東の「二人でダンスを!!」
なり振り構わなさに向けたすべての解決の糸口となるだろう。
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『椿事件』
1993年9月21日、民間放送連盟の「放送番組調査会」の会合の中で、
テレビ朝日報道局長の椿貞良が、選挙時の局の報道姿勢に関して
「小沢一郎氏のけじめをことさらに追及する必要はない。
今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、
なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる
手助けになるような報道をしようではないか」
との方針で局内をまとめた、という趣旨の発言を行う。
(ウィキペディア「椿事件」)