靖国神社では21日から3日間の日程で春の例大祭が開かれており、麻生総理大臣はこれにあわせて「内閣総理大臣 麻生太郎」名で5万円相当の「真榊(まさかき)」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納したという(「NHK」)。
21日夜の首相官邸でのぶら下がり記者会見の真榊奉納に関する遣り取りを「msn産経」が次のように伝えている。
--最初の質問です。靖国神社に「内閣総理大臣」名で真榊を奉納したということだが、いかなる考えに基づいているのか
「昨年10月も、真榊を納めたと記憶しますが。昨年10月にはこの種の質問をいただいていないのかしら」
--おそらく。記憶が確かなら…
「はい。昨年の10月にも納めさせていただいたと記憶しますぞ。僕は基本的に、国のために尊い命を投げ出された方々に対して、われわれとして、国民として、感謝、敬意というものを表するものだと思ってますけど」
中国に対する影響に関しては「NHK」の動画から。
麻生太郎「中国―に関して、中国とはこれまでも何回となく、未来志向、いうことを考えてやっていく、ということを申し上げてきましたし、歴史を直視してということも、申し上げてきましたし、今までどおりです」
もう一つ「NHK」の動画から河村官房長官の記者会見。
河村「事実関係については、私は、あの、確認を、しておるわけではございません。公費で、個人の立場で、自分のポケットマネーで、おやりになったということは、間違いない、と思います。政府の方から、このような公費を出すことはあり得ないわけですから」
確かに公費からではなく、私費で奉納した。しかし「内閣総理大臣 麻生太郎」と札に名前を記した以上、公人たる内閣総理大臣麻生太郎として真榊奉納を以って参拝に代えたということであろう。
身も心も「内閣総理大臣」として麻生太郎は「真榊」を奉納、天皇陛下のため、お国のために尊い命を捧げて斃れた英霊の御霊を追悼する参拝に代えた。
奉納したのが秘書官か誰なのかは知らないが、内閣総理大臣麻生太郎に代わって、神殿に向かって恭しく頭を下げては拍手を打った。
「国のために尊い命を投げ出された方々に対して」「国民として、感謝、敬意というものを表する」ために。
命を投げ出す目的対象物としての国が個人を犠牲にさせて天皇と国家に奉仕させ、アジア侵略の戦争に駆り立てた軍国主義国家だったことなどは問題ではない。どのような国家体制であろうと、それが軍部独裁の全体主義国家であろうと、「国のために尊い命を投げ出」すことが国民の国家に対する美しい当然の奉仕であり、そのような美しい奉仕に対して後世の国民が国家と先人に対する当然の務めとして「感謝、敬意というものを表する」。
いわば後世の国民が「感謝、敬意というものを表する」ことによって、先人の「国のために尊い命を投げ出」した天皇及び国への奉仕が当時偉大な行為だと価値づけられたままに現在に於いてもその価値を等身大に残すことになる。
軍国主義の時代に価値があったとする行為を今の民主主義の時代にも同じ価値が損なうことなくあるとすることになるが、そうするためにこそ、内閣総理大臣麻生太郎は本心は総理大臣となった以上、国家・国民を代表する形で正々堂々と靖国神社に参拝したいところだが、中国・韓国を諸に刺激するのはまずいから、軍国主義時代の日本国民の天皇・国家に対する奉仕精神・奉仕の価値観を今に伝え、後世に受け継ぐべく参拝に代えて真榊奉納を行ったというわけである。
後世への受け継ぎが断ち切られることなく連綿と受け継がれていくことによって、国民の「国のために尊い命を投げ出」す奉仕と、そのことに対する「感謝、敬意というものを表する」礼法・顕彰が確たる国民の務めとして日本の歴史に根付き、伝統・文化となっていく。日本人の血となっていく。素晴らしいことではないか。
安倍晋三の著書『この国を守る決意』に「命を投げうってでも守ろうとする人がいない限り、国家は成り立ちません。その人の歩みを顕彰することを国家が放棄したら、誰が国のために汗や血を流すかということです」という一節が書いてあるというが、まさに“国への命の捧げ”とそのことへの感謝・顕彰を日本及び日本人の歴史・伝統・文化としたい衝動を見ることができる。
麻生太郎と安倍晋三は「お国のために命を捧げる」行為を国民の美しく尊い価値観だとする点に於いて、双子の兄弟だと言える。
また、戦前の軍国主義時代の国民「方々」の「国のために尊い命を投げ出」す奉仕が侵略戦争を通してアジア各国の多くの国民の命を奪い、犠牲にしたことも、問題としてはならない。問題だとしたら、天皇陛下のため・お国のために命を捧げるという日本民族の戦前の優れた価値観を否定することになるからだ。
国民が天皇陛下と国に抱く命を捧げるという日本民族の戦前の優れた価値観を否定しないために、否定せず、日本の歴史・伝統・文化として、日本人の血として受け継いでいくために、どのような行為を以ってして「国のために尊い命を投げ出」したのか、そしてその行為が誰に向けられたのかの対象も一切不問に付さなければならない。アジアの人間をどのくらい犠牲にしたか。いや、大日本帝国軍隊が自己保身のために自国民さえ、どのくらい犠牲にしたか、「国のために尊い命を投げ出」す行為が及ぼしたそれらの事実は一切消し去り、無視し、「国のために尊い命を投げ出」したと言葉で言う事実とそう「された方々」の存在のみを取り上げていかなければならない。
そうしなければ日本民族の存在証明を失うからだ。日本民族として自慢できる存在証明は「国のために尊い命を投げ出」す国家奉仕以外、見るべきものがないからだ。
中国や韓国の抗議などどうでもいい。 「『大変だ、大変だ』と言って靖国の話をするのは基本的に中国と韓国、世界191カ国で2カ国だけだ」(麻生太郎/05年金沢市内での講演/「しんぶん赤旗」より)
「未来志向、歴史を直視しで誤魔化せばいい」というわけなのだろう。
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