立小便程度の草なぎ全裸を「最低の人間」から「最低・最悪の行為」に格上げ鳩山たちの意図・魂胆を勘繰る

2009-04-25 08:36:37 | Weblog


 人気アイドルグループ「SMAP」のメンバー草なぎ剛が4月23日木曜日午前3時に公園で酒に酔って全裸になって芝生に胡座(あぐら)をかき、意味不明なことを叫んでいたとして公然猥褻容疑で警察に逮捕され、拘留、家宅捜索まで受け、翌24日午後2時過ぎ、逮捕から約35時間ぶりに処分保留で釈放。東京区検は今後、在宅のまま捜査を継続する方針だとのこと。

 何のために?――

 「SMAP」のファンでも何でもないが、酒に酔っていた上、全裸になった。場所と時間は暗いうちの世間一般はまだ寝静まっている深夜午前3時の公園。

 そこに自分以外に誰かがいると想定する人間がいるだろうか。人一人っ子いない――いわば暗い中での無人を前提とした全裸であって、公然猥褻罪に於ける不特定または多数の人間を対象としておおっぴらに行う「公然」にも当たらないし、裸体や下半身を露出して他人に見せると同時に他人に見られることによって性的快感を得る種類の「猥褻」行為とも言えない。

 明らかに周囲に誰もいないと分かる場所、他人の視線の関与がないと分かる場所で公然猥褻罪に相当する行為を行うことができる人間がいるとしたら、余程器用な人間と言うことになる。世渡り器用な政治家・鳩山邦夫なら、持ち前の器用さに助けられて不可能を可能とすることができるかもしれない。

 素っ裸になったといっても、やたらとうろつくわけでもなく、芝生に胡坐をかいていた。慎ましいばかりに抑制的な姿を髣髴とさせる。声のみを活動させていた。何か卑猥な言葉を発していたと言うのだろうか。報道のどこにもそうしていたという説明は見当たらない。警察の発表もない。

 小便を我慢できなくなった男が路地裏の人気のない場所を見つけて、電柱の陰で立ち小便を始めた。ところが間が悪いことに女性の通行人が現れたものだから、作業途中だったが、小便を出し切って解放感を味わう暇もなく慌ててズボンにしまいこんだが、相手の女性にチラッと見られてしまった。

 この場面を以ってして、公然猥褻罪に問わなければならないとするだろうか。目的はあくまでも立小便であって、立小便を装った下半身の露出でも、あるいは直接的な下半身の露出でもない。

 本人以外に誰もいない午前3時の暗い公園で全裸になって芝生に胡坐をかく行為も意図の点では上記立小便とたいして変わらないのではないのか。

 いい方に解釈するなら、人気芸能人として普段は羽目を外してバカなことはできない抑圧的な慎みから装うこととなった自分ではない自分から酔いも手伝って抑えに抑えていた鬱屈した感情と共に自分を解放したくなった。

 それが全裸となり、大声で騒いだということではないのか。他人との関わりを目的としてではなくまた性的行為からでもなく、自己自身と関わるために裸になることも、大声で叫ぶことも、自己解放の象徴行為である。

 あるいは酔って熱く火照った全身を裸になってひんやりとした夜気に包み込み、清々しい解放感を全身全霊でもって味わいたかっただけかもしれない。

 単に夜中の静まり返った中で大声を出して叫んだことが他人に異様な出来事を思わせた、あるいは不安を与えたことから、警察に通報されたということだろう。

 それを逮捕し、家宅捜索まで行った。相手が芸能人でよくあることだからと薬物乱用による錯乱行為だと疑ったなら、尿検査で片付く。

 個人差、体調によって違いはあるものの、「1回のみの経口使用では、投与された覚せい剤の76~92%が48時間以内に排泄され、更に4日目の尿までに残りの数%が排泄されることがほぼ明らかになってい」て、乱用者の場合は「最終使用から10~14日間程度は、その尿から覚せい剤が検出される可能性があ」り、「刑事裁判の実務では、尿から覚せい剤が検出された場合、採尿からさかのぼって2週間以内に覚せい剤を使用したものと考え」(「なぜ、尿検査なのか。薬物の尿検査・3/ 弁護士小森榮の薬物問題ノート」)るということだから、尿検査で薬物に関しては陰性であったなら、過度のアルコール摂取を原因とした全裸行為であり、大声騒動とのみ見るべきで、陰性を無視しての家宅捜索なら、本人の名誉を傷つける名誉毀損に相当するのではないのか。

 鳩山邦夫総務大臣は自身が管轄している地上デジタル放送普及推進のメインキャラクターに草なぎ起用の責任問題が絡む懸念からだろう、逮捕の知らせに、「事実だとすればめちゃくちゃな怒りを感じる。最低の人間としか思えない」と自らを最高の人間に位置づけ、国際会議の記者会見で酔っ払いの醜態を見せて世界に恥を曝したお仲間がつい最近まで閣内にいたことも忘れて批判したそうだが、24日の閣議後の記者会見では「草なぎさんはたいへんな国民的な人気、実績もあるし、環境や日韓友好の問題にも力を尽くしている。人間は多面的に評価しなければならず『最低の人間』と言ったことは取り消ます。人間は人間を評価できないと、ということについて率直に私も反省してですね、最低、最悪の行為だと、いうふうに言い直させていただきたいと思います」≪総務相 批判の発言を取り消し≫ NHK/09年4月24日 12時47分)と、「最低の人間」から「たいへんな国民的な人気、実績もあるし、環境や日韓友好の問題にも力を尽くしている」と180度転回の持ち上げようで殊勝気に批判を訂正。
 
 たが、「最低、最悪の行為だと」と言ったとき、口の中で軽い笑いを何気なくを吐き出していたところを見ると、本心からの賛辞ではないようだ。

 閣議後の豹変だから、閣議で麻生か他の大臣に何か言われて、急遽批判のトーンを弱めたのだろうか。

 一番に考えられる理由は、鳩山自身が言っている「草なぎさんは」とさん付けで、「たいへんな国民的な人気」を持っていて、その「国民的」の対象の多くが若者だということではないだろうか。

 若者をキーワードにしている人物は他ならぬ我が日本が誇る麻生首相その人が存在する。自民党の首相だから、取り敢えずの支持は得ているが、個人的な人気という点では若者に理解があり、マンガやファッションといった若者の文化に理解があることから日本の若者に絶大な人気を博していると自負している麻生太郎である。特に秋葉原を文化圏としているアキバの若者には異常なまでに人気がある。

 当然、麻生のファンである若者と草なぎをのみならず、他のメンバーも含めた「SMAP」のファンである若者が重なっていることも考えておかなければならない。

 若者の多くを対象として「国民的人気」のある「SMAP」の草なぎを「最低の人間」だと麻生内閣の一員たる総務大臣が批判して若者の反発を受けたとしたら、その反発が一大臣を超えて麻生までが側杖を食って、その若者人気に影を落とさない保証はない。

 「SMAP」ファンの若者と麻生ファンの若者がどのくらいの広がりで重なっているか、早急には判断できないところがその影響の程度もを判断不可能にして不安を与えてもいるに違いない。

 アキバに再び訪れても、かつてのような歓呼で迎えられるだろうか。「麻生コール」が「帰れコール」となったら、麻生太郎はテレビの前で大恥をかくことになる。解散・総選挙となったなら、マスコミ受けを目的にアキバに再度訪れて人気の程を誇る積りでもいるだろうから、逆の歓迎は飛んでもない計算外となる。

 また、「SMAP」人気が若者のみにとどまらず、オバサンたちにも人気があるとしたら、西松効果は泡となって消えかねない。若者からオバサンまでの幅広い層の反発が喉元通って暑さ忘れないうちに総選挙がおっぱじまった場合、票の流れは明らかに逆流の形を取りかねない。

 早々に批判を撤回して、若者やオバサンたちファンの反発を宥め、支持率にまで影響しないことを防ぐ必要から生じた殊勝気な批判撤回ではなかったろうか。

 西松事件で民主党代表の政策秘書の逮捕が小沢代表の政治生命を絶つための国策捜査だとの疑いが囁かれているが、もし事実としてあった捜査なら、草なぎ釈放は麻生太郎が若者やその他の人気を失わないための国策釈放ということもあり得る。


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