路面電車復活は単線方式で

2008-03-01 08:44:16 | Weblog

 【お断り】記事を載せてから、インターネットを検索していたら、ポーランドに単線のコンピュータ制御の路面電車が走っていることが分かった(≪ロハスな街で単線路面電車に乗って:やくぺん先生うわの空≫。でも、写真を見ると、軌道と歩道との間に車の駐車帯があるから、下記の断線方式とは少し違うようである。まあ、気紛れに読んでください。(08.3.1.9:45)
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 素人考えだから、実際に機能するかどうかは分からない。CO2排出抑制等の環境対策や従来の自動車交通渋滞対策のための道路整備の際限のないコスト支出等から路面電車を見直そうという動きが世界的傾向としてあるという。

 尤も世界的傾向とは言え、日本では道路族が予算、その他の権力を一手に握って幅を利かせていることから路面電車派が入り込む余地がないためなめのか、その普及はほんの一部にとどまり、まだまだが、欧米では1970年代後半から復活しているとのこと。これまでの車両は乗降口にステップがついていて老人や身体障害者の乗り降りを困難にさせていたのに対して、ステップを取り払った殆ど段差のない車椅子でも一人で自由に乗り降りできる超低床の車両を普及させているらしい。カネがあれがドイツやフランスに行ってみたいのだが、カネなんで「関係ねえ、オッパッピー」のヒマだけはある。

 勿論日本でも障害者や高齢者に対する人権意識に関しても欧米の後を追ってマネしないわけにはいかないから、超低床式車両に関しても追随、路面電車を走らせている都市では普及を進めているらしい。

 但し先程触れたように道路族が日本の交通政策を牛耳っているせいか、道路しか頭にないのだろう、路面電車の日本全体に亘る普及は覚束ないものがある。国土交通省道路局がLRT(Light Rail Transit/次世代型路面電車システム)の導入支援を一応進めているらしいが、その国土交通省道路局自体が自らのHP≪LRT(次世代型路面電車システム)の導入支援≫で「欧米を中心にLRTの復活・導入が進んでいますが、日本では、関係主体間の合意形成、コスト負担(初期投資+維持管理)、導入空間の制約などの問題から、なかなか新規路線の整備が進んでいないのが現状です」と「関係主体」任せで、国の政策遂行の観点からは熱心でないところからきている覚束なさなのだろう。つまり「導入支援」と言っても、たいしてカネは出さない「導入支援」なのだろう。

 同じHPが「平成18年4月末現在」で「全国17都市19事業者、路線延長約205kmが営業しています。」と紹介しているが、日本全国の都市数が06(平成18)年現在で800弱だというから、微々たる存在に過ぎない。昭和7年に65都市82事業所、路線延長1,479キロメートルをピークとして次第に減少していき、昭和30~50年代にかけて急激な減少に見舞われている。車と主役の交代である。

 規模が日本一だという広島市の路面電車は法律上は鉄道で専用軌道を走行する宮島線の16.1kmを除いた正真正銘の路面電車のみでも8路線で総延長19kmもあり、一日に10万人以上が利用するというから、立派な交通手段となっている。

 我が生誕の都市・清水市(現静岡市清水区)の静岡鉄道清水市内線は街一番のメインストリートを北東から南西方向に斜めに一本走る総延長4.6kmのちまちました路面電車だったが、前年の七夕豪雨と呼び習わされた豪雨・洪水で全線が冠水して全面運休、そんなこともあって翌1975(昭和50)年に廃止の憂き目を見た。

 廃止される何年か前は大抵の停留所が信号のある交差点にあったために軌道が道路の中央を走っている関係から肝心のラッシュ時ともなると信号が赤の場合は右折する自動車が線路上を占拠していて電車が前に進めない。青になったとしても、右折車がすべて右折しきれずに2,3台も残ると、プラットホームに入りきれなくて、次の青信号まで待たなければプラットホームに無事到着して客を乗降させることができない。電車の後ろも右折車がつながっているといった状態で、電車の乗客にも車で通勤する者にも評判はよくなかった。

 当然のことで電車の乗客はバスの乗客へと例え混んでも時間を優先して益々シフトしていき、電車の乗客数が減少する。それで軌道敷内に自動車が入ることは禁止することとなったが、そうなると交差点では車が一方的に被害者となり、車の増加と共に被害者も増加していく悪循環を招いて、七夕豪雨による洪水はある意味廃止するためのいいキッカケだったのだろう、電車は討ち死に、自動車の勝利で終わった。

 確かに自動車の増加が電車を排斥していった大きな原因だろうが、殆どの路面電車が道路の中央を占拠していたことも排斥に拍車をかけた原因となっていなかっただろうか。道路の中央を走っていたために、乗降のためのプラットホームを軌道敷よりも車道側に張り出して設置してあるから、停留所が信号のある交差点際にある場合は特に車通行の邪魔になり、乗客も横断歩道の信号が青にならなければプラットホームに進むことができない。歩行信号が青になるのを歩道際で待っていて運転手に手を挙げて電車が発車しないように合図している者を置いてきぼりにするわけにもいかない。何やかんやで余分に時間がかかることになる。

 路面電車のプラットフォームに立っていて思い出すことは雨の降っている日は自動車が水しぶきを立てて近づくと、差していたコウモリを急いで足許に差しかけて水しぶきがズボンにかかることを防いだことだ。

 もし路面電車を復活させるなら、軌道を道路の中央に設けるのではなく、自動車の障害を最小限にとどめるために歩道際に単線で設ける。少なくとも複線よりも道路上に取る場所は半分で済む。国土の狭い日本には最適の方法だと思う。

 プラットホームは歩道がその役を果たしてくれるから、新たに設けなくても済む。単線だと一方通行となって、逆方向の利用者の用に供することができないから、すれ違い線は交差点内に設ける。

 最近の交差点の横断歩道は道路カーブの頂点からかなり離れた場所に設置してあるから、単線で歩道際を走っていた軌道を横断歩道に近づく形でカーブを切り、反対方向からの電車は交差点のセンターラインに近づく形で軌道を張り出して相互にすれ違うように交差点内のみ複線とする。

 センターラインからはみ出さない範囲で2台の電車がすれ違えなければ、対向車線の車の障害にならないようにするために歩行者にとって少々不便になるが、横断歩道を道路のカーブの頂点からさらに離し、歩道のカーブのR(半径)を削る形で小さくして、センターラインをはみ出さずにすれ違うことができるようにする。多分Rを少し削るだけで片付くと思うが。

 このように上り・下り方向の電車が交差点内で安全にすれ違いができるようにするためにはまず電車専用の信号と自動車専用の信号を別々に設置しておく。その上で双方向からの電車が交差点に同時に差し掛かるようにコンピューター制御で運行を行う。つまり交差点前の停留所にそれ程の時間の違いがなく到着できるように双方の電車の速度を制御する。乗客の乗降が済んだなら、電車の運転手は相互に合図を送ってどちらか決めておいた運転手が電車の中からリモコン装置で電車専用の信号に赤外線、もしくは電波を飛ばして青とし、青になったのを確認してから双方共に発車する。その間勿論のこと、電車のすれ違いが終わるまで自動車用の信号は赤となっている。

 交差点内ですれ違うだけなら、そんなに時間はかからないのではないか。1分もかからないないと思う。

 また、電車は軌道に沿って走るといっても、万が一の不測の事態に備えて、自動車のようにウインカーを設けたらどうだろうか。路面電車が多くの利用を期待するためにはより多くの路線が必要となり、直進だけではなく、右折したり左折したりするケースも生じる。どう走るかがウインカーの点滅が教えてくれる。

 電車の車体は障害者や高齢者の乗降の安全に供するために超低床式は当然だが、内部は片側だけ座席を設け、反対側はサイクルトレインのように自転車を乗せることができるようにしたらどうだろうか。電車の路線が限られていたとしても、自転車を携行すれば路線から離れた場所に時間を取られずに行くことができる。

 自転車はそのまま乗せたのでは場所を取る。最近の自転車は軽くできているから、自転車が一台一台収まる間隔で立てたポールの間の背丈よりも高い位置の壁際に前輪を両側から挟みつける装置を取り付けておいて、ハンドルを持ち上げてその中央に前輪を当てると自動的に閉じて自転車が固定されるようにする。乗客は固定した自転車かポールを利用して身体の支えとする。降りるときはポールの上部に取り付けたボタンを押すと、装置が外れるようにする。

 自転車の乗客が少ないときは一般の客がポールを掴むなりしてそこに場所を取ればいい。若い男女はなるべくそこに乗るよう,暗黙の了解事項とすべきだろう。

 このような路面電車はどうだろうか。単線方式が難しくても、路面電車の復活は環境対策の上からも趨勢としなければならないということだけは言えると思う。


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