詭弁家ウソつき枝野の本領発揮2月1日(2012年)衆院予算委質疑

2012-02-08 08:56:24 | Weblog

 2月1日(2012年)の衆院予算委員会、政府の原子力災害対策本部議事録未作成問題で公明党の石井啓一議員が質問を行った。

 石井啓一公明党議員「えー、それからですね、原子力関係についてですね、議事録問題、ですね、この原子力対策本部の議事録が存在しないという、俄には信じがたい事実が明らかになりましたけども、今回の、あのー、東京電力福島原子力発電所の事故は、全電源喪失というかつてない、未曾有の深刻な原子力事故だったわけです。

 えー、これに対する調整に当って、政府はどのように意思決定をしたのか。その経過を残すということは、私は政府のですね、歴史的な検証に対する責任であり、いわゆる国際社会に対する責任だと思うんですね。

 我が党の山口代表が本会議の代表質問でこのことを指摘をいたしましたけども、総理の答弁は震災直後の緊急事態にあったことや、記録を残すことの認識が不十分であったこと等のためにですね、各本部の議事内容の一部、または全部が文書で随時記録されていなかったことは事実であり、真に遺憾、まあ、こういうふうに答弁されていますけども、私はね、民主党に政策の意思決定の記録を残すことの、重要さ、あるいは責任感というのが、全く欠けているんじゃないかと。あまりにもズサンと言わざるを得ないわけであります。

 あの、福島の双葉町長ですね、議事録がないのは背信行為だと、こういうふうに批判されていますし、国会事故調査委員会の黒川委員長も、全く信じられない、理解不能だと、こういうふうに批判されています。

 改めて総理の所感を伺います」

 枝野経産相「原子力災害対策本部の議事を記した正式な記録が、あー、つくられていなかったことについては、原子力対策本部の事務局は、あー、経産省のもとの保安院が担っておりますので、大変申し訳なく思っております。

 えー、当時、発災直後、特に緊急的は状況であったということはございましたが、それにしてもできるだけ早い段階でですね、あの、議事をずっと整理をして、えー、意思決定のプロセスが明確に分かるような形で記録を残すべきだったというご指摘は甘んじて受けなければいけないと思っております。

 できるだけ、えー、今、当時の原子力災害対策本部は、あの、本部員に限らずですね、えー、各省の事務方も含めて、相当、多くの人数が出席をしておりまして、事務方等もメモを取って、多くおられましたので、そうした部分を最大限集めてですね、それから議事の多くはですね、用意された資料を解説すると、説明するということでございましたので、こうしたことについても最大限正確に回復できるよう作業を進めているところでございます。

 同時に私はその当時内閣官房長官でございました。あのー、議事要旨等については、あのー、当然つくられているものという思い込みをしておりましたが、あー、こうした重要なことでありますので、えー、そうした思い込みをせずにですね、えー、確認やチェックをすべきだったと、いうご批判は甘んじて受けたいというふうに思い(最後まで「ます」と言い切らないで端折る)――。

 大変申し訳ございません

 石井啓一議員はこの問題についてこれ以上取り上げなかった。

 枝野は例の早口で次から次へと尤もらしく聞こえる言葉を機関銃の弾のように撃ち出す。

 最初に「原子力災害対策本部の議事を記した正式な記録が、あー、つくられていなかったことについては、原子力対策本部の事務局は、あー、経産省のもとの保安院が担っておりますので、大変申し訳なく思っております」と保安院に未作成の責任を押し付けているが、ご承知のように原子力災害対策本部は菅政権が立ち上げた組織で、首相官邸に設置、本部長は菅仮免で、当時の枝野官房長官が閣僚の一員としてメンバーに加わっていた以上、会議が適正に運営されているかどうか、あるいは会議に加わっている各メンバーがそれぞれの役割を果たしているか、本部長の菅仮免はもとより、副本部長の海江田経産相、事務総長の細野原発担当相、そして内閣の要に位置する主要閣僚の一人として枝野官房長官にしても事務局の保安院を含めて監視する責任を有していたはずだ。

 閣僚の発言が不適切であった等の場合、官房長官が注意するのはそのためであろう。

 当然、内閣官房長官として何よりも自身の責任としなければならない立場にあったはずだが、それを事務局は保安院が担っていたからと、その責任不履行とのみ押しつけて自身の責任は棚上げとし、「大変申し訳なく思っております」と保安院に代わっての謝罪で済ましている。

 全くカエルの面にショウベンの詭弁も詭弁、陰険・狡猾を顔の下に隠した言い抜けとしか言いようがない。

 自身には責任はないとしているから、「えー、当時、発災直後、特に緊急的は状況であったということはございましたが、それにしてもできるだけ早い段階でですね、あの、議事をずっと整理をして、えー、意思決定のプロセスが明確に分かるような形で記録を残すべきだったというご指摘は甘んじて受けなければいけないと思っております」の批判甘受の姿勢も口先だけとなる。

 そして最後に「同時に私はその当時内閣官房長官でございました。あのー、議事要旨等については、あのー、当然つくられているものという思い込みをしておりましたが、あー、こうした重要なことでありますので、えー、そうした思い込みをせずにですね、えー、確認やチェックをすべきだったと、いうご批判は甘んじて受けたいというふうに思い――」と、今度は自身の責任として批判甘受の姿勢を見せているが、既に保安院に責任転嫁しているのである。その矛盾が口から出任せの発言でしかないことを物語っている。

 「議事要旨等については当然つくられているものという思い込みせずに確認やチェックをすべきだったというご批判は甘んじて受けたい」といった趣旨の、さも謙虚らしく見せかけた発言は、自身がすべき「確認やチェック」といった監視の責任を果たしていなかったことへの言及であるはずだ。

 もし真に自身の責任不履行が見逃した議事録未作成だと少しでも認識していたなら、保安院のみの責任とはせずに最初に自身の責任を持ってきて、その責任に対する謝罪としただろう。

 だが、全然そうなっていない。

 口から出任せなのは東日本大震災発生3月11日(2011年)から約2カ月半後の5月24日の枝野官房長官記者会見の発言が証明してくれる。

 このことは2012年1月26日当ブログ記事――《原子力災害対策本部議事録未作成は菅仮免による情報隠蔽からの不作為の疑いあり - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》に一度取り上げている。

 「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」が記者会見当日の5月24日(2011年)の閣議により内閣官房に設置されることとなった。

 この委員会は読んで字の如く、政府や東電の事故対応を調査・検証する目的で設置された。

 記者「事故当初から議事録などがないことによる調査への影響は」

 枝野官房長官正確に言うと、ない部分がある、というのが正確だろう。これはどこまで言っていいのか分からないが、例えば、(官邸地下の)危機管理センターにおいては膨大な量の書類が作られて回覧、配布されて、そこには東電や経済産業省原子力安全・保安院から報告された事故や何らかの指示がされたことについて、共有するためにそうしたものにしっかりと書かれて、書類として残っている。

 ただ、3月11日から数日間は、まさに大変緊迫した状況の中だったので、誰かがメモをとって正確にきちっと記録するというゆとりのない中での議論、判断という局面があったことは否定しない。

 ただ、前後の様々なしっかりと記録されている事項から記憶を喚起すれば、それなりのものはしっかりと検証できるのではないかと。例えば私も今回いろいろ問題なっている12日夕方6時からの打ち合わせについては、記録をしっかりチェックすると、その時間帯、私は記者会見をしていたので、どうもその部分についての記憶がないなと思っていたが、そういったことが確認できたりとかということで、できるだけ正確な事実関係の整理をできるようにしていきたい」 (以上asahi.comより)

 枝野は原子力災害対策本部の議事録が「正確に言うと、ない部分がある、というのが正確だろう」と言っている。「ない部分」は一部で、大部分が存在するという意味のはずである。

 だが、《原発事故 国本部の議事録作成せず》NHK NEWS WEB/2012年1月22日 17時44分)は次のように記述している。

 〈東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡って、避難区域や除染の方針など重要な決定を行ってきた政府の「原子力災害対策本部」の議事録が作成されていなかったことが分かりました。〉

 〈NHKで、去年11月、それまでに開かれた21回の会議について「議事録や内容をまとめた資料など」の情報公開請求を行ったところ、公開されたのは、議題を記した1回の会議について1ページの「議事次第」だけで、議論の中身を記した議事録は作成されていなかったことが分かりました。NHKの取材に対し、原子力災害対策本部の事務局を務めている原子力安全・保安院の担当者は「業務が忙しく議事録を作成できなかった」と説明しています。〉――

 「ない部分」が一部どころか、議事録自体はまるきり作成されていなかった。

 枝野は平気でウソをついたのである。

 ウソをついたばかりではない。議事録が作成されていない事実を知ったはずである。もし調べもしなかったとしたら、出任せのウソをついた上に自分の発言に全然責任を持たなかったことになる。

 この発言以降、議事録未作成を解消すべく「公文書等の管理に関する法律」に則って原子力災害対策本部会議のみならず、政府が行うすべての会議の議事録を取るよう指示すべき官房長官の立場にありながら、その責任さえ履行しなかった。

 しかも原子力対策本部の事務局は保安院だからと、未作成の責任を保安院に押し付け、「議事要旨等については、あのー、当然つくられているものと思い込んでいた」「そうした思い込みをせずに確認やチェックをすべきだったというご批判は甘んじて受けたい」とウソつきの本領を発揮して現在に至っても誤魔化しに走る。

 石井啓一議員は「改めて総理の所感を伺います」と答弁は首相を指名したにも関わらず、自分からわざわざしゃしゃり出てウソ八百を並べ、ウソつきであることと同時に無責任を曝した。

 こういった閣僚の資質をこそ、問うべきだろう。


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