現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

桜の樹命

2009-04-09 08:51:36 | 虚無僧日記
先日のテレビのクイズで、「家紋の中に無いのは?」
という問題で、答えは「桜と椿」だった。

平安の昔、日本人にとって花といえば「梅」。武家に
とって、桜や椿は「散る」イメージが「縁起でもない」と
されていたのだ。

桜が武士道の象徴とされたのは幕末以降。日露戦争から
太平洋戦争にかけてという。予科練の徽章は「桜に錨
(いかり)」。国のために死ぬことを誉れとされ、白虎隊
などが武士道の鏡ともてはやされ、特攻隊を生み出して
いった。

そして、300万人もの犠牲者を弔うかのように、戦後、
学校や公園、城跡、河川敷などに次々と染井吉野が植え
られた。それが今日多く目にする桜だ。

その染井吉野は、樹令が60年だという。そろそろ樹命が
尽きかけてきているそうだ。木も竹も命尽きる時、最後の
花を咲かせるという。今年のこの満開の染井吉野には、
なにか異様な輝きがある。枯れゆく前の最後の輝きと
思うのは私だけか。

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同期の桜

2009-04-09 06:47:50 | 虚無僧日記
「心臓の悪い人は、白湯に桜の花を浮かべて飲むと
いいです。動悸(同期)の桜っていいますから」。
ケーシー高嶺の医事漫談ネタだ。

桜といえば『同期の桜』。我々世代では知らない人は
いない歌だ。私などは、ジーンと胸が熱くなる。

桜の時期、老人会などで、尺八を頼まれると、必ず
この曲を吹いてきた。この曲を吹けば、手拍子が出、
歌詞が無くとも皆歌ってくれた。
ところがところがである。ある時、この曲を吹いたら、
シーンとみな固まってしまった。シラーとした雰囲気。
その会は「反戦グループ」だった。「みごと散りましょう、
国のため」に、目つきが険しくなるのも当然か。以来、
この曲は吹かないようにしている。

私の父も戦友会に行くのを喜ばなかったようだ。
「さんざん部下をなぐり、いじめ、多くの兵隊を戦死させ
ながら、平然と生きて帰ってきた上官の笑い顔を見ると、
殺してやりたいくらいだ」と、母に一度だけ語ったそうな。
父の部下も多くが戦死した。生きて帰れた者が宴会で
浮かれるわけにはいかないとの思いもあったようだ。
父は絶対に宴会の席で酒を飲まなかった。

今朝の中日新聞に「戦艦大和の引揚げに賛否両論」と。
今、生存者は20名ほど。生きているうちにもう一度大和の
勇姿を見たいという人。逆に遺族の中には、「菊の紋章と
ともに墓標なのだから、見世物にして欲しくない」との
反対も。人の想いは両端有りと知る。

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