以前、書評欄で紹介されていたので読んでみたが…あまりにも身につまされる事柄が多く、読むのが苦しかった。そういった女の人、多いんじゃないだろうか?
大手商社の総合職・栄利子と、ダメ主婦ブログを書いている専業主婦の翔子。偶然、知り合った二人は、女友達が出来ない・上手に付き合えないという共通の悩みを抱えていたことで仲良くなった。その良好な関係がずっと続くと思っていたが…
栄利子には、幼馴染で、小中高と同じ学校に行った圭子という親友がいた。同じマンションだったので、小さな頃から友達というより姉妹のように遊んでいた。栄利子が有名女子私立中学に行くというので、圭子も頑張って勉強し、同じ中学に入学。ずっと仲良しだったが、高校に進学した頃から二人の関係に変化が訪れる。圭子が、高校から入学してきた女の子たちと仲良くなり、栄利子と距離を置き始めたのだ。
圭子以外にあまり友人のいなかった栄利子は、なぜ圭子が自分から離れていくのか混乱し、圭子にストーカーのように付きまとうようになる。
こういった経験のある人って、多いんじゃないだろうか?中学・高校の時って、女の友人関係が固定化してきて、自分の仲良かった子に別の友達ができると一人になっちゃうんだよね。いまさら他のグループに入ることは難しい。
小学校低学年の頃は、家が近い・登下校が一緒というだけで仲良くなれたのに、大きくなると自分なりの好みが出てきて、友人との共感を一番大切なものに思う。共感できない人は排除…みたいな。
つらいよね。自分の事を全く無視して、新しい友人たちとキャッキャと笑いさざめきあっている圭子を見るのは。でも、それは仕方のないこと。追いかけても仕方ない。学校内で友人が出来にくいと思ったら、校外に目を向けよう。別に、友人でなくてもいい、おしゃべりできる相手がいたら。
自分でも今、考えるに、どうして中高生の時、「本当の友達」「親友」という言葉にあんなに憧れたんだろう。少女マンガの影響だろうか?「永遠の友情」というのは、結果からすれば長く続いたという事で、最初から永遠を求めるのはおかしいよ。
人との関係というのは、付かず離れず が望ましい。あまりに近くなりすぎると、かえって破綻する。
それを、この高校生の栄利子さんに伝えてあげたい。
結局、栄利子の圭子へのストーカー行為は問題となり、学校や良好だった双方の家庭も巻き込みズタズタになる。
栄利子は勉強して別の大学に進み、父親のコネで大手商社に入社。キャリアウーマンとして働くが、ブロガーの翔子と出会う事で、彼女に執着し再びストーカーするようになる。
圭子も、精神に傷を負ったせいか、何をやっても上手く行かない。就職も結婚も人間関係さえ。
最後に夜更けのファミレスで、栄利子と圭子が会話する場面が心に染みる。栄利子は「偽りの親しさを向けられるくらいなら、いっそ冷たく拒否されるほうがまし」と言うが、圭子はそれに反論する。「一瞬でもその場を楽しくする花火みたいな社交性が、楽天的な調子のよさが、次につながらないかもしれない小さな約束が、根本的な解決にならなくても、実は通りすがりの色んな人を救っているんじゃないかな」
その通りだと思います。
大手商社の総合職・栄利子と、ダメ主婦ブログを書いている専業主婦の翔子。偶然、知り合った二人は、女友達が出来ない・上手に付き合えないという共通の悩みを抱えていたことで仲良くなった。その良好な関係がずっと続くと思っていたが…
栄利子には、幼馴染で、小中高と同じ学校に行った圭子という親友がいた。同じマンションだったので、小さな頃から友達というより姉妹のように遊んでいた。栄利子が有名女子私立中学に行くというので、圭子も頑張って勉強し、同じ中学に入学。ずっと仲良しだったが、高校に進学した頃から二人の関係に変化が訪れる。圭子が、高校から入学してきた女の子たちと仲良くなり、栄利子と距離を置き始めたのだ。
圭子以外にあまり友人のいなかった栄利子は、なぜ圭子が自分から離れていくのか混乱し、圭子にストーカーのように付きまとうようになる。
こういった経験のある人って、多いんじゃないだろうか?中学・高校の時って、女の友人関係が固定化してきて、自分の仲良かった子に別の友達ができると一人になっちゃうんだよね。いまさら他のグループに入ることは難しい。
小学校低学年の頃は、家が近い・登下校が一緒というだけで仲良くなれたのに、大きくなると自分なりの好みが出てきて、友人との共感を一番大切なものに思う。共感できない人は排除…みたいな。
つらいよね。自分の事を全く無視して、新しい友人たちとキャッキャと笑いさざめきあっている圭子を見るのは。でも、それは仕方のないこと。追いかけても仕方ない。学校内で友人が出来にくいと思ったら、校外に目を向けよう。別に、友人でなくてもいい、おしゃべりできる相手がいたら。
自分でも今、考えるに、どうして中高生の時、「本当の友達」「親友」という言葉にあんなに憧れたんだろう。少女マンガの影響だろうか?「永遠の友情」というのは、結果からすれば長く続いたという事で、最初から永遠を求めるのはおかしいよ。
人との関係というのは、付かず離れず が望ましい。あまりに近くなりすぎると、かえって破綻する。
それを、この高校生の栄利子さんに伝えてあげたい。
結局、栄利子の圭子へのストーカー行為は問題となり、学校や良好だった双方の家庭も巻き込みズタズタになる。
栄利子は勉強して別の大学に進み、父親のコネで大手商社に入社。キャリアウーマンとして働くが、ブロガーの翔子と出会う事で、彼女に執着し再びストーカーするようになる。
圭子も、精神に傷を負ったせいか、何をやっても上手く行かない。就職も結婚も人間関係さえ。
最後に夜更けのファミレスで、栄利子と圭子が会話する場面が心に染みる。栄利子は「偽りの親しさを向けられるくらいなら、いっそ冷たく拒否されるほうがまし」と言うが、圭子はそれに反論する。「一瞬でもその場を楽しくする花火みたいな社交性が、楽天的な調子のよさが、次につながらないかもしれない小さな約束が、根本的な解決にならなくても、実は通りすがりの色んな人を救っているんじゃないかな」
その通りだと思います。
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