敗北死…なんて都合のいい呼び方なんだろう。
上巻では、1971年8月に山岳ベースから脱走した2人を殺害したところまで書いていた。下巻では、いよいよ12人の同志リンチ殺人について書いてある。もちろん筆者は、リンチ殺人とは書かない。同志の発言や行動に問題があり、それを反省させたり自己批判させようと、つまり総括させようとして、結果的に死んだというスタンス。
柱に縛り付けたり、食事を与えなかったり、皆で繰り返し殴ったりするのは、すべて彼ら彼女らが自分で総括するのに集中するようやった事であり(総括援助)殺すつもりはない。彼ら彼女らが死んだのは、立派な革命戦士になれなかったためであり、敗北死したのだ。つまり本人が悪いのだ。本当に革命戦士になるつもりなら、どんな過酷な状況下におかれても生きているはずだ、ということらしい。
連合赤軍のトップの森恒夫は、大阪市立大学の学生で演説が巧みだった。永田洋子は、慶応大学病院薬局研究生で、薬剤師としての勤務経験もある。二人とも当時としてはエリート。特に永田は、医学的知識も豊富なはずなのに、旧日本軍のような精神至上主義におちいってバカじゃないの?
リンチ死した人たちの死に方は皆、悲惨だが、とりわけ妊婦の金子さんの死が凄惨だった。
連合赤軍幹部の吉野の内縁の妻で、山岳ベースで出産するつもりでやってきた。山岳ベースがユートピア・地上の楽園だと思ったのだろう。(もう1組、山本夫妻も乳児を連れて山岳ベースにやってきた。後にダンナは総括で殺され、赤ちゃんは母親から離され、組織の子どもとして育てられるはずだった。奥さんは後に赤ちゃんを置いて脱走)
金子みちよさんは「お腹の子どもを私物化している」との理由で総括にかけられる。理由はなんでもいいんだ。「金子はオレをにらんでいる」でも。そして、出産近い金子さんを皆でなぐる。それも素手だけではなく、もっと痛めつけてやろうと針金を手に巻き付けて。結局、金子さんは死ぬ。汗と涙と血と大小便の混じった悪臭の中で。
以前、フランス革命の本を読んだ時、ギロチンで死刑になるはずだった女性が、妊娠しているので一時的に刑の執行を停止され、その間に革命が終息し、その女性は命拾いしたという記事があった。1789年のフランス革命の時代にはもう、妊娠中の女性の死刑は一時停止という考え方が一般的だったことに感心したが、この森や永田の頭の中は、1789年以前なんだろうか? エリートなのに? 総括と死刑は違うって? 同じじゃない。総括要求されて助かった人っているの?
だいたい、何をもって総括できたと判断するのか、全く分からない。
こういった人たちが、何かの拍子に権力を握ったりすると、ポルポト政権みたいなことになるのかな?
森は1972年2月に逮捕され、73年1月1日に東京拘置所で首吊り自殺している。1年たってない。何という情けない男だろう。2か月で12人も殺しておきながら。
とにかく、この本は永田洋子の視点から書いているので、今度はもっと別の人が描いた手記を読もうと思う。
上巻では、1971年8月に山岳ベースから脱走した2人を殺害したところまで書いていた。下巻では、いよいよ12人の同志リンチ殺人について書いてある。もちろん筆者は、リンチ殺人とは書かない。同志の発言や行動に問題があり、それを反省させたり自己批判させようと、つまり総括させようとして、結果的に死んだというスタンス。
柱に縛り付けたり、食事を与えなかったり、皆で繰り返し殴ったりするのは、すべて彼ら彼女らが自分で総括するのに集中するようやった事であり(総括援助)殺すつもりはない。彼ら彼女らが死んだのは、立派な革命戦士になれなかったためであり、敗北死したのだ。つまり本人が悪いのだ。本当に革命戦士になるつもりなら、どんな過酷な状況下におかれても生きているはずだ、ということらしい。
連合赤軍のトップの森恒夫は、大阪市立大学の学生で演説が巧みだった。永田洋子は、慶応大学病院薬局研究生で、薬剤師としての勤務経験もある。二人とも当時としてはエリート。特に永田は、医学的知識も豊富なはずなのに、旧日本軍のような精神至上主義におちいってバカじゃないの?
リンチ死した人たちの死に方は皆、悲惨だが、とりわけ妊婦の金子さんの死が凄惨だった。
連合赤軍幹部の吉野の内縁の妻で、山岳ベースで出産するつもりでやってきた。山岳ベースがユートピア・地上の楽園だと思ったのだろう。(もう1組、山本夫妻も乳児を連れて山岳ベースにやってきた。後にダンナは総括で殺され、赤ちゃんは母親から離され、組織の子どもとして育てられるはずだった。奥さんは後に赤ちゃんを置いて脱走)
金子みちよさんは「お腹の子どもを私物化している」との理由で総括にかけられる。理由はなんでもいいんだ。「金子はオレをにらんでいる」でも。そして、出産近い金子さんを皆でなぐる。それも素手だけではなく、もっと痛めつけてやろうと針金を手に巻き付けて。結局、金子さんは死ぬ。汗と涙と血と大小便の混じった悪臭の中で。
以前、フランス革命の本を読んだ時、ギロチンで死刑になるはずだった女性が、妊娠しているので一時的に刑の執行を停止され、その間に革命が終息し、その女性は命拾いしたという記事があった。1789年のフランス革命の時代にはもう、妊娠中の女性の死刑は一時停止という考え方が一般的だったことに感心したが、この森や永田の頭の中は、1789年以前なんだろうか? エリートなのに? 総括と死刑は違うって? 同じじゃない。総括要求されて助かった人っているの?
だいたい、何をもって総括できたと判断するのか、全く分からない。
こういった人たちが、何かの拍子に権力を握ったりすると、ポルポト政権みたいなことになるのかな?
森は1972年2月に逮捕され、73年1月1日に東京拘置所で首吊り自殺している。1年たってない。何という情けない男だろう。2か月で12人も殺しておきながら。
とにかく、この本は永田洋子の視点から書いているので、今度はもっと別の人が描いた手記を読もうと思う。
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