ケイの読書日記

個人が書く書評

酒井順子 「ギャルに小判」 

2018-02-15 17:10:30 | 酒井順子
 前回、前々回のブログは、なかなかシリアスな本を取り上げてたので、今回はちょっと軽めのものを…と読んだのが、このエッセイ。「ギャル」という普通名詞が古めかしい。時代を感じる。これ、初出は1994年だってね。
 酒井さんは1966年生まれだから、彼女28歳の時に出版されたもの。

 酒井さんって、高校生の時に、『オリーブ』という雑誌にコラムを載せていたらしい。すごい!!! 現役高校生コラムニスト! こういうのって、どういうツテで依頼が来るんだろうか? 知り合いが編集部にいた? それとも自分で売り込みに行くんだろうか? そこら辺のところを、もっと書いてもらいたいのにね。
 とにかく、彼女の所へ、その原稿料10万円が現金書留で送られてきたらしい。
 図書券とかじゃなくて、お金で払ってもらえるんだ。すごいなーーーー!

 そのあと酒井さんは、付属の大学に行って大手広告代理店に就職。3年で辞め文筆業へ。とんとん拍子で売れっ子エッセイストになり現在に至る。

 あーーーこの人って、お金で苦労した事、ないだろうね。酒井さんの小学校時代はサンリオのキティちゃんが大流行で、いろんなものが欲しかったけど、月額500円のお小遣いでは買えるものは限られていて、お金持ちの友達が羨ましかった、とか、高校生の時はDCブランドブームで、洋服をバンバン買ってくれるお金持ちの親を持つ子に、憎しみに近い感情を持つようになった…とか書いてるけど、自分の家も十分お金持ちじゃん! そうじゃなきゃ、私立小学校の学費なんて払えないよ。

 そして、酒井さんの会社員時代は、バブルという事もあり本当に華やか。お友達と連れだってハワイに出掛け、あるいは現地で友達と合流して、涼しい時間帯はビーチ、暑くなるとショッピングセンターをぶらついて、疲れたらお茶を飲みながら買い物三昧。ああ、いいなぁ。
 ただ、この時代は酒井さんたちだけじゃない、多くの日本の若い女性が、買い物フリークになってたんだよね。


 そして、この本が出版された1994年、世の中は不況です。ただ、酒井さんの仕事は相変わらず順調らしく「私も、バブルの崩壊まで会社に勤め続けていれば、ちょっとは不況な気分を味わう事ができたかもしれない」なんて、ノーテンキな事を書いている。
 「フリーの立場って、バブルとか景気とかは関係ない真空地帯にいるようなもの」って書いてもいらっしゃるが、そんなことはない!!! フリーの人が一番、景気の動向に左右される。それを感じないってことは、実力があるって事なんでしょう。

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