ケイの読書日記

個人が書く書評

法月綸太郎「犯罪ホロスコープⅡ 三人の女神の問題」

2013-04-24 14:18:23 | Weblog
 12星座後半の6つの星座にまつわる6つの難事件。

 星座がらみだから、ギリシャ神話の話が、各短編の最初にちょこっと引用されているが、イヤな奴だよね。大神ゼウスって。子ども向きギリシャ神話を読んだ時から思ってた。なんと好色な神様だろうと。
 同意の不倫はともかく、レイプって、いいんですか? それに近親相姦も。
 いったい子どもが何人いるんだろう? 本人も判らないんだろうなぁ。
 そして、こういった神話が語られるという事は、古代ギリシャ人も、そうとう奔放だったという事か。


 このⅡでは、表題作「三人の女神の問題」が、一番いいと思う。
 10年前に解散した、女性3人組のアイドルグループ。彼女たちが所属していた事務所の元社長が、殺害される。
 犯人と目されたのは、元ファンクラブ会長。彼は、殺害をほのめかす声明文を、ブログにアップして服毒自殺していた。
 しかし、捜査を進めるうち、共犯者がアイドルグループ内にいたことが分かる。
 3人のメンバーのうち、いったい誰が共犯者なのか?

 元会長が、アイドルメンバーにかけた電話の順番、通話時間、間隔などを手掛かりに、綸太郎の推理がさえる!!



 他、一番イマイチと思ったのは「錯乱のシランクス」。ダイイングメッセージ物なんだよね。作者が、色々バラエティーに富んだものを書こうという意欲は分かるけど、ダイイングメッセージって、どうとでも受け取れるから、嫌なんだよね。こじつけなら、いくらでもできる。
 ダイイングメッセージで成功した作品って、あるんだろうか? 私には思いつけない。


 そのほか、短編だから仕方がないにしても、もう少し、法月警視と綸太郎のプライベートな日常も書いてほしい。そういえば、初期の作品に、綸太郎のガールフレンドとして、図書館司書の女の子が出てくるが、あの人はどうしたんだろう。
 最近の綸太郎に、女っ気は全くない!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 村上春樹編訳 「レイモンド... | トップ | 五十嵐貴久「シャーロック・... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事