日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

効率・合理性優先から・・・-企業の少子化対策-

2005-04-04 12:51:08 | アラカルト
4月に入って、企業が様々な取り組みを始めています。
その中でasahi.comに79社が子育て支援策定 企業の少子化対策で本社調査という記事がありました。
政府が「少子化対策は急務である」と言って久しい気がしますが、大企業ではやっと本腰を入れ始めたという感じでしょうか?
「お祝い金の支給」等様々な対策があるようですが、もっと考えて欲しいのは「働くお母さん」と「働くお父さん」のことです。
日本では、サラリーマンという職業が登場し始めた頃から「男は外、女は家」ということが、暗黙の了解のようになっていました。
まるで戦時中の「戦場に赴く夫、銃後の守りは妻」という考えが、そっくり引き継がれたような考え方が、当時の企業にとっても良かったのでしょう。
しかし、時代の変化は生活者の意識変化となって「少子化」という現象を生み出してきたように思います。
一部では、「女性の高学歴化や就業率の高さが少子化に拍車を掛けている」ように言われますが、見当違いのように思います。
実際、出産経験のある働く女性の多くは、第二子を望んでいる人が少なくありません。
それを、躊躇させているのは「効率・合理性の対極にある『育児』に対して、企業がネガティブ」だったからではないでしょうか?
企業はネガティブではないにしても、社内の雰囲気というモノが拒んでいた。ということは無いでしょうか?

そんな中、静岡新聞に子育て中も安心の出社事業所内託児施設が開所 ヤマハ発動機という記事が、ありました。
同様の業界では3社目ということのようですが、女性が多く働く職場では事業内託児所は以前からありました。
確かに喜ばしいことですが、まだまだこれからという感じです。

「効率や合理性」ということばかりに目を向けていると、見落としてしまうことがあるように思います。
「少子化」とは関係ありませんが、老親介護の場合、虐待者となってしまうのは子どもである息子が多いと聞きます。
動きの遅くなった老親に合わせた生活というのは、効率や合理性を優先していてはできません。
また、思い通りにならないこともしばしばあります。
ある意味、子育てと老親介護は似ているところがあるのかも知れません。
「女性だから得意」なのではないと思います。
「子育てという経験」の違いのような気がするのです。

日本の社会は、「少子化」と「高齢化」という大きな問題を抱えています。
今、一番大切なことは「男性も子育てや老親介護をしやすい環境」だと思うのです。

愛知万博についての雑感

2005-04-04 01:50:54 | アラカルト
どうも名古屋に住んでいると、毎日何らかのカタチで「万博ニュース」なるモノを目にしたり、耳にしたりする。
好き嫌いの問題ではなく、ありとあらゆるメディアがニュースを提供しているのである。
35年前の「大阪万博」の時、こんなにニュースが流れたのだろうか?
当時、関西に住んでいなかったのでわからないが、全国ニュースではそれほどではなかったように思う。
それだけではなく、今回の万博ほどトラブルが無かったようにも思う。

トラブルをザッとあげてみると・・・
人気パビリオンにおける、入場制限
「となりのトトロ」の「さつきとメイの家」の入場予約券が一番象徴的なのだが、ローソンの「ロッピー」でしか予約を受け付けないというのは・・・。
公平性という点でいうなら、「入場予約券申し込み」→「抽選」→「入場券発行」という面倒な手順を踏んだ方が、いいのでは?
そもそも、コンビニエンスストアーにあるチケットなどの予約販売機の操作が、誰でもできると思っているのは、万博関係者だけでは?
操作そのものは簡単でも、使い慣れている人とそうでない人では、格段に手際が違う。
「誰でも簡単に予約ができるシステム」ということを考えれば、もっと違った手段があるように思える。
他にも、「インターネットを使って入場予約をする」というシステムなども、「皆が簡単便利に使えるシステムなのか?」という点で、疑問。
インターネットが使えない環境にある人たちは、既にこの時点で見学することから外れてしまう。

テーマと内容が伴っているの?
「自然の叡智」と言っていても、人気パビリオンは「ロボットの楽器演奏」が楽しめるトヨタグループ館やハイテクを駆使した映像パビリオンなどなど。
これって35年前の「大阪万博」の「進歩と調和」と変わっていないんじゃ・・・。
まして、夜遅くまでライトアップしてパビリオンを照らしている風景は、確かにきれいかも知れませんが、それによる生態系の心配って、どうなっているんでしょう?
こういうことも疑問です。
それと、笹島サテライト会場として設けられた「デ・ラ・ファンタジア」って、一体何?
万博と、どう関係がある「遊園地」なの?
「世界各国のお料理が食べられる」というのが、売りらしいのですが。

誰のための万博
そして、小泉さんの「ツルの一声」でOKになった「飲食物の持ち込み」です。
「飲食物の持ち込み」ができなかった主な理由は「食中毒対策」でした。
行くその日の朝作ったお弁当で、当日の来場者に食中毒が発生するというのであれば、真夏のスポーツ大会の弁当は、総て持ち込み禁止ということになってしまいます。
でも、そんなこと「夏の高校野球」でも聞いたことなどありません。
穿った見方をすれば、出店している飲食店やコンビニエンスストアーへの配慮だったのでは?
ちなみに、「菓子パン」はOKでも「調理パン」は持ち込み禁止です。
ペットボトルは持ち込み不可ですが、水筒はOK。
ただし食べる場所については、ガイドブックなどで確認する必要がありそうです。
「お弁当持込可」となった日、パビリオン入り口付近でお弁当を広げ、注意された方が少なくなかったようです。

前々から言われていたことですが、「自然の叡智」と言っても「企業の技術発表会」という気がしてならない、愛知万博です。
あと、「来場者のことを考えていない」ということも分かりました。