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好きな映画に投資?-「知的財産」へ投資-

2005-04-10 10:04:40 | ビジネス
朝日新聞のWEB版asahi.comに映画の資金集めに「知的財産信託」 松竹が初の試みという記事がありました。
松竹は、以前にも「忍ーshinobu」という映画制作に当たって制作費を一般公募するという試みをしています。

ここ10年位すっかり映画にはご無沙汰状態ですが、テレビCMなどで映画の宣伝を見るたびに「凄い製作費用が掛かっているんだな~」と思います。
特にハリウッド映画は、「いくら使っているの?」と思うくらい数十億円というお金がかかっていそうな映画ばかり。
70年以上前に製作された「イントレランス」「メトロポリス」「ナポレオン」といった映画は、映画会社を(経営的に)傾けた映画として有名ですね。
それに対して、日本映画は費用的に厳しい映画制作を強いられているといわれていました。
「となりのトトロ」や「動くハウルの城」等でおなじみの「スタジオ・ジブリ」の作品は、徳間書店と日本テレビなどが主な出資者となって作品をつくって来ました。
徳間書店は、関連書籍の発刊だけではなく日本テレビと一緒になってDVDなどの版権を得ることができます。
日本テレビは、テレビでの独占放送が可能となります。
そうやって制作費を捻出しているというのが、日本映画の現状なのでしょう。

ハリウッド映画などは、製作時にファンドを立ち上げ広く映画制作費を集めるということがされています。
アメリカのお金持ちの中には、絵画などのパトロン的出資者がいるので、そのようなことが可能なだといわれてきました。
イギリスのロックスター・デビット・ボーイは、新作アルバムを製作するにあたり株式会社を作り、投資を募りました。
以前から、海外ではアーティスト自身が自分のレーベル(製作会社)を持つことはありました。
理由は、自分のやりたい音楽について、既存のレコード会社から口出しさせないためでした。
それが、逆に制作費などの負担が膨大になり、株式化という試みがされたということのようです。

しかし、日本の社会ではこのようなことは初めての試みです。
脚本を読み、出演する俳優さんのリストを見て、投資に値する映画なのか?という判断を一般投資家がしなくてはいけません。
一般投資家からすると、大幅にリスクを伴う投資でしょう。
映画に対して強い思いを持っている人でなければ、二の足を踏む投資です。

「好きな映画に投資をする」・・・というのは、映画ファンにとっては憧れかも知れません。
これからは、株価だけではなく映画など「遊びの教養とトレンドを読む力」が、一般投資家にも必要になってくるのでしょうか?