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想定内?-ワールドカップ予選「無観客試合」-

2005-04-30 12:27:38 | スポーツ
昨夜遅く発表された「2006年FIFAワールドカップドイツ大会TMアジア地区最終予選B組北朝鮮対日本」の「第3国開催・無観客試合」という決定が、観戦ツアーなどを予定していた関係者に衝撃を与えているようですね。

冷静に考えてみれば北朝鮮とは国交が無く、ビザの発効なども一般旅行客では難しい状況にあります。
今回は「超法規的措置」のようなカタチで朝鮮総連が領事館の役目をし、ビザを発行するということになっていました。
個人的には、「入国受け入れの準備がある」という程度の話のように、受け止めていました。
というのも、欧州リーグなどでは年に数回「無観客試合」があり、ピッチ(=グランド)に暴徒と化した観客がなだれ込んできた」という場合に、適用されることが多かったからです。
そのような前例があることから「無観客試合」という裁定となるだろうというのは、多くのサッカーファンにとっては「想定内」だと思っていました。
しかし、そうでもなかったようですね。

2002年の日韓大会が終わった時、ある心理学者の方がワールドカップの騒ぎを『プチナショナリズム』と評したことがありました。
サッカーやワールドカップを知らない方にとっては、「あの騒乱状態」は「ナショナリズム的」に映ったかも知れません。
普段は「君が代」も「日の丸」も関係ないような若者達が、あの時ばかりは声を張り上げ、旗を打ち振るっていたのですから。
でも、ああやって騒いでいたのはごくごく限られた人たちだけで、現実には「勝って良かったね」と言って、ビールで祝杯をあげている人たちの方が、はるかに多かったと思っています。
むしろ、ワールドカップに乗じて騒いで頂けなのでは?
ですから、今回の平壌での試合がなくなり残念がっている方の多くは、Jリーグの試合には行かないけれど日本代表の試合だけには熱を上げて行く人たちのような気がしていました。
まだまだ、日本のサッカーが「日常のスポーツ」として根付くのには、時間がかかりそうです。

旅行代理店の方は「ファンのことも考えて欲しい」とコメントしているようですが、「ファンのことを考えたら、このような判断は想定内だった」と言って欲しかったですね。
それが、サッカーツアーを企画している人たちの責任のような気がしています。