日々是マーケティング

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訴えたいこと-日清カップヌードルのCM-

2005-04-18 10:05:31 | CMウォッチ
4月から変わったテレビCMが、いくつかあります。
日清の「カップヌードル」もそのひとつです。
これまでも、「カップヌードル」という商品とは関係のなさそうな、シチュエーションのCMでした。
3月まで放映されていたCMは、「美しく咲き誇る野原に忽然と現れる朽ち果てた戦車」でした。
そして最後の言葉は「NO BORDER」だけ。
「一体、カップヌードルとどう関係があるのだろうか?」と思いながら、見ていた方も多かったのではないでしょうか?
このようなCMは、「商品CM」というよりも「企業CM」と呼ばれるモノです。

「カップヌードル」という商品が、既に「一企業が市場に提供する商品」ではなく、「食文化のひとつ」として捉え「日清」という「企業が訴えたいメッセージを込める程に成長した商品」だからこそ、このようなCMができるのです。
その制作企画については、HPで確認することができます。

一連のこのCMを見ていて、どこか悲しい気持ちになるのはどうしてでしょうか?
特に、今回の「少年兵」のCMは、「まだまだ様々な事情によって、武器を手にする子ども達が世界にある」ということを伝えています。
以前、そのセンセーショナルさで話題になった、ベネトンの新聞広告とは違った意味で、受け手である生活者に「考えさせる」力を持っています。
「日本人らしい、直接的ではないが鋭角的なメッセージ」というモノを感じます。
もちろん使用されているミスチルの「and I love you」や、以前使われていた「タガタメ」といった楽曲の持っているメッセージも、重要な要素となっています。

CMの世界でも、国際的な賞があります。
ただ、日本のCMは「何がいいたいのかわからない」という、指摘がされて来ました。
日本語という言語の問題だけではなく、「ヴィジュアルとして伝いたいことが分からない。」ということだったようです。
しかし、この「少年兵」のCMは、言語の問題を軽く超えてしまうほどの「強さ」を感じます。
久しぶりに「凄い!」と感じるCMでした。
そして、どうかこのCMの最後、左下に出るテロップをシッカリ見てください。
このテロップにこそ、このCMが伝えたかったことがありますから。