日々是マーケティング

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投資家?それとも事業家?-ホリエモン考2-

2005-04-07 11:08:11 | マーケティング
「愛知万博・雑感」についてのコメント及びトラックバックを頂いた今日の”俺”ニュースの“キャスター俺”さん、ありがとうございます。

さて、毎日新聞に「記者の目」というコラムがあります。
このコラムは、記者の方々が署名入りで自由な意見や考えを述べるというのが主旨です。
先日、堀江社長批判への反論という内容のコラムが掲載されていました。
これは、以前同じ毎日新聞の記者の方が書かれたライブドアの堀江社長批判に対する反論なのですが、こういう自由闊達な議論?ができるというのは、いいですね。
記者の方それぞれの立場によって、考えも違うということでしょうし、それを変にまとめようとしない新聞社の姿勢に好感が持てます。

さて、その話題の中心人物堀江社長です。
昨年のプロ野球・近鉄買収の頃と今とでは、だいぶ印象が違いますね。
どうしてなのか?と考えてみたら、今回の一件で彼が「投資家」なのか「事業家」なのか、とてもあやふやな存在だからなのではないか?という気がしてきました。

現在、ライブドアはインターネット関連事業企業ということになっています。
そのコンテンツ充実ということであれば、あのようなニッポン放送を含むフジサンケイグループ他、様々な人が不快感を持つような「買収」をする必要があったのだろうか?ということがあります。
何より、彼の言葉からは「事業に対する熱意」というものが、感じられないのです。
企業の大小関係なく、事業家であればその事業に対する思いというモノが、あると思うのです。
しかし、ライブドアのHPを見ても、「経営方針」 はあっても「経営理念」というモノはありません。
別に経営理念が無くても、会社はできますが「私(達)は、こういう気持ちでこの事業を始めました」という一種の社会に対する「宣言」(=企業理念)が、その企業の社会での生き方になってくるのではないでしょうか?
もしくは、「自分達の描く事業に対する日付を入れた夢」といえるかも知れません。
彼が以前言った「既存メディアを殺して・・・」という言葉の後に「日付の入った夢」が無ければ、殺される方も戦々恐々するばかりで、「何故、自分達を殺そうとするのか」分かりません。

それが「投資家」であれば、そのようなことを語る必要はありません。
その企業の市場価値が上がればよいわけですし、もし現在の経営陣では無理と判断すれば退陣を要求することも可能だからです。

傍から見ていると、どうもそこのところが分からないのです。
4月5日の東京新聞(中日新聞では4月6日夕刊)の「特報」に「株式持合い復活の気配」という記事があるように、「敵対的買収」ということばかりが先行し、日本の市場を閉ざしてしまうような企業がますます出てきてしまうような気がしています。
確かに、ライブドアは認知度や社会的信頼度においてソフトバンクほど無いかも知れません。
いきなり広告が貼り付けてある、企業HPにもお目にかかったことがありません。
だからといって、株の取得だけで企業内での事業における発言力が増すという考えは、どこかズレているように感じるのです。

まず、自分達がやりたい日付の入った夢について、シッカリと話すところから事業提携が始まり、より良い関係を築くために株式を購入するというステップを考えるのが、事業家だと思うのですが・・・。