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社会的責任の不買運動?-ミャンマー産宝石不買-

2007-10-11 22:02:30 | ビジネス
毎日新聞のWEBサイトをチェックしていて、気になる記事があった。
それが、カルティエ:ミャンマー産宝石は不買だ。

日本では余り知られていないかもしれないが、インドやスリランカ、ミャンマーなどはルビーやサファイアなどの宝石の産地である。
それも比較的良質な宝石が、産出される地域だと言われてる。
ダイアモンドは、デビアス社がその販売価格などを仕切り、市場価格を半ば統制しているのに対し、ルビーやサファイアなどはそのような企業が存在しない。
実際、日本で活躍するインド人の宝石卸商は少なくない。
カルティエなどヨーロッパの有名宝石店も、そのような宝石卸商を通じて原石を購入しているはずだ。

そして、ミャンマーで起きた民主運動は、このような政治とはまったく無関係のように思われる企業や団体にも、影響を及ぼし始めているということに、興味をもってしまう。
おそらくミャンマーの軍事政権にとってこのような動きは、経済的な打撃を受けるに違いないだろう。
と言うのも、宝石の採掘権は石油の採掘権ほどではないにしても、それなりの大きな利益を国に与えているはずだらからだ。
主だった産業が無いミャンマーにとって、このような地下資源による利益は大きいのではないだろうか?
今回のカルティエやティファニーの行動は、世界の宝飾業界にも影響を与えるだろうし、カルティエの狙いだろう。
それが、カルティエというブランドの力だとも言えるし、そのブランド力を理解しているからこそ、カルティエらしい軍事政権に対する批判という「社会的責任」なのではないだろうか?

「企業の社会的責任」ということが言われ始めて大分立つが、日本企業の場合「環境問題」などに対するコト・モノが圧倒的に多いように思われる。
しかし、その企業の持っているブランド力や社会的影響力を考えれば、「環境問題」だけではないと言う気がする。
確かに「環境問題に取り組んでいる」というのは、生活者に対してアピールする力は強い。
だが、今回のようなカルティエのような、「社会的責任」もあるような気がする。
ミャンマーに人たちにとって、何が幸せなコトなのか?
それを考えた「社会的責任」のあり方として、今回の不買運動はアリだと思うのだ。