日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

どうなる中部のグルメブランド-名古屋コーチンと赤福-

2007-10-13 22:22:29 | アラカルト
昨日、「赤福」の製造日偽装が発覚した。
「赤福」というのは、ご存知の通り伊勢神宮の門前で、餡子餅を製造販売している。
今では、「お伊勢参り」の定番土産だ。
それだけではなく、門前「おかげ横丁」
を、運営している。
単なる「伊勢のお土産」というだけではなく、地域活性化の中心企業でもあるのだ。
その「赤福」の製造日偽装と言うのは、「赤福」だけの問題ではなく「おかげ横丁」全体の今後にも影響していく程の、問題でもある。

「赤福」の製造日偽装の前に、名古屋を震撼させたのが「名古屋コーチン偽装」だ。
「3大地鶏」の一つ「名古屋コーチン」だが、最近のグルメブームでそのブランド力が一気に高まったような気がする。
実際、名古屋の居酒屋さんに行けば「名古屋コーチン」を使ったメニューにお目にかかれる。
それは、鶏肉としてだけではなく、名古屋コーチンの鶏卵を使ったデザートまでに及ぶ。
グルメではない私は、「名古屋コーチン・プリン」といわれても、普通のプリンとの差が分からないのだが、おそらく分かる人には分かるのだろう。
ただ、近所のスーパーマーケットなどではお目にかかれるような商品ではなく、デパ地下の鶏肉専門店や老舗精肉店などでしか買えない。
それらのお店には、「名古屋コーチン普及協会」の認定書が掲げられており、その品質が保証されていたと思うのだが、実は「名古屋コーチン」表示のある商品の内約2割が、偽装品だったというのだ。

「名古屋コーチン偽装」の発覚直後には、お米のブランド調査が行われた。
昨今のグルメブームで、生活者は「本物志向」が強まっている。
それを逆手にとるように、ブランドに名を借りた偽装が横行している。
ファッションブランドとは違い、素人目には本物かどうか判らないと言うことが分からない。
だからこそ、ブランド名は「信頼の証」となっているのだ。

「赤福」の偽装と「名古屋コーチン」の偽装は、同じコトではない。
しかし、生活者の信頼を裏切っているコトには変わりはない。
これから先、この二つのブランドの復活は中部地区の食の安全の象徴として、今後注目されていくだろう。
だからこそ、二つのブランドに関わる人たちは今よりも、生活者のコトを考えなくてはいけないのだ。