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静かに忍び寄る「アタマの生活習慣病」-学力テストと思考力-

2007-10-24 21:16:47 | ライフスタイル
今日、小6・中3年生を対象に実施した「全国一斉学力テスト」の結果が発表された。
全体的には「記憶力」については高い結果となたが、思考力が必要となる「応用力」では、問題のある結果となった。

この類の問題は、以前から指摘されていたと思う。
「方程式を解く力はあって、方程式の成り立ちは理解できていない」というコトだ。
考えてみれば、受験だけではなく各種資格試験の殆どは「覚える」コトで、ある一定の成果がでる。
むしろ、変に考えるよりもポイントを覚えて、テキパキとマークをチェックするテクニックのほうが、何かにつけて優位だということだろう。
しかし、それでよいのだろうか?

先日、ある雑誌を立ち読みしていたら「思考停止=アタマの生活習慣病」と、いう記事を見つけた。
記事の内容は、ビジネスなどの場面における「思考停止」ということが書かれているのだが、この「思考停止」は、日常生活でも間々として起きているような気がする。
会議などの場面では、「声の大きい人の意見が通る」と言われることがある。
他にも「耳障りの良いコトバ」や「有名な人のコトバ」「(なんとなく理解しているツモリの)カタカナ語」などを酷使することで、一部の人の意見が通ってしまい、他の人たちは、その間「思考が停止」しているという場面もある。
他にも、「最初から考えることを止めてしまっている」というコトもあるだろう。
分かりやすい例が、今回のような「学力テスト」での「方程式にあてはめる」コトだ。

今までの様にトップダウンで、モノゴトを決めるような時代であれば良いだろう。
大量生産・大量消費という時代であれば、問題ないだろう。
しかし、多品種少生産、一人ひとりに対して「カスタムメイド」のようなサービスや商品を求められるような今では、思考停止をしていては難しいのだ。
そのような「思考力」が求められている時代に、「思考不全」のような子供たちが増えることが、決して将来的なプラスになるとは思えないのだ。

有名大学や高学歴を誇っていても、マニュアル化されたモノの丸覚えでは何も見えてこない。
今の政治にしても、官僚、大企業のトップにしても、使うためには「思考力停止・思考放棄」をした人のほうが使いやすいかも知れない。
それでは、生活者=ステークホルダーを考えた企業倫理も必要がない。
大人も子供も、もっと「思考力を高める必要がある」のではないだろうか?