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お受験-安倍さんの辞任による意外な影響?-

2007-10-05 21:50:49 | トレンド
この時期、東京・関西などの有名私立小学校では「受験申し込み」などが、始まっているのだろうか?
ここ名古屋でも、小学校~大学までの一貫教育校が1校増え、教育熱心なご両親などは、目の色を変えているのではないだろうか?
昨日書店に立ち寄った時、ある女性週刊誌の見出しが気になってしまった。
それは「公立小学校が、子供に競争力や忍耐力をつけさせる」という、内容の見出しだったのだ。

「平等教育」と言うコトが叫ばれて、大分立つような気がする。
その間「モンスター・ペアレンツ」と呼ばれる、「クレーム保護者」が増えたりして、学校の教育現場が大変だと言われて久しい。
といっても、このようなコトが話題になるのは公立学校が殆どで、「子供をイジメなどにあわせることなく、安心して個性を伸ばしながらノビノビと大学まで進学させたい」という親御さんは、小学校から大学まで一貫教育をしている私立学校と言うことになっていた。
今や都市部では「お受験」は、当たり前となりつつある(ような報道がされている)。

ところが、安倍さんのプッツン辞任を受け「モノゴトを途中で投げ出さない子供にするためには、お受験で一貫教育の私立学校に入学させるのではなく、競争し自分で困難に立ち向かうことができるよう、中学受験の方が望ましいのではないか?」ということらしいのだ。

確かに、安倍さんは小学校~大学まで「成城学園」という、お坊ちゃま育ちだ。
そして「お受験」は、子供の受験と言うよりも「親の受験」ということも、言われてきた。
多様な家庭環境にある子供たちではなく、高い水準の経済力と家柄のようなモノが選考基準となっている。
と言うよりも、それだけの経済力や同質の価値観がなければ、入学させることができないという現実がある。
公立学校では、多様な家庭環境にある子供たちが集まるだけではなく、様々な価値観をもった家庭の子供たちが集まっている。
だからといって、「競争力が身につく」だとか、「困難に立ち向かう力が身につく」というわけではないだろう。
むしろ、多様な価値観を認め合う力が身についたり、勉強ができる子・スポーツが得意な子などがいることで「人の長所・短所」を知ることができる、と言うことなのではないだろうか?

しかし、昨今の「過剰な平等意識」は、そのような「長所・短所」を認めることを拒否しているように思えるのだ。
「気に入らない」という理由で、イジメが起きたりしている現状があるのだ。
「公立小学校に行けば競争心や忍耐、困難に立ち向かう力がつく」というのは、余りにも乱暴な発想のように思えてならない。
そして、メディアの変わり身の速さに翻弄される親御さんがいるとすれば、一番迷惑なのは子供たちなのではないだろうか?

個人的には、今のお受験ブームとか中学受験には疑問があるし、本来の子育てからすれば本末転倒な気がしないわけではないのだが・・・。