日々是マーケティング

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ムダな研究が新しい市場を創る?

2007-10-06 22:35:43 | アラカルト
昨日、「イグ・ノーベル賞」の発表があった。
今年は、イグ・ノーベル賞:26歳山本さん、化学賞受賞 牛ふんからバニラの香りが話題となった。
以前、この「イグ・ノーベル賞」受賞で話題になったのは、ドクター・中松氏だった。
意外にも(?)この「イグ・ノーベル賞」は、様々な分野で日本人が受賞している。

こうやって受賞リストを見ていると、一見「ムダ」と思われる研究が、その後大きな市場を創る要因となっていることが分かる。
もちろん「ムダ」なだけで終わってしまっているモノも無いわけではないが、どこかユーモアがあって「へ~」と思わせる研究には、「なるほど」という市場を創る力があるような気がしてくる。
もちろん大切なことは、「ユーモア」だけでは新しい市場を創っていくことはできない。
その「ユーモア」のセンスをいかに、商品化し「社会が豊かになるのか?」という視点があってこそ、新しい市場が創造できる。
大切なコトの一つは、「ムダと思われる研究」を、いかに真剣にさせるだけの「ゆとり」なのではないだろうか?

商品化についても、同じである。
「効率化」だとか「合理的」という視点だけでは、モノづくりや市場を創造する力が限られてしまう。
だからこそ、「ムダ」なことも必要なのだ。

今回「牛糞からバニラ香料」の受賞の時、関係者には「バニラアイスクリーム」が配布された。
もちろん、会場からは「食べろ!食べろ!」の大コール。
恐る恐る口に運ぶ関係者だったのだが、こんな所も「イグ・ノーベル賞」らしい、ユーモアだろう。

因みにこの「イグ・ノーベル賞」には、究極のムダと思われるモノ・コトにも皮肉を込めて贈られる。
例えば1996年には、広島・長崎原爆投下50周年に原爆実験を行った仏・シラク大統領に贈られた「平和賞」だ。
「ノーベル賞」が権威の賞だとすれば、「イグ・ノーベル賞」は生活者の賞かも知れない。