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オジサンに注目?-食品系テレビCM-

2007-10-08 20:50:55 | CMウォッチ
9月から気になっているテレビCMが、いくつかある。
それらのテレビCMに共通しているのが、「オジサン」だ。
いわゆる40代以上(と思われる)俳優さんが、ビールだけではなく缶コーヒーなどを中心に、出演している。
その中でも一番記憶として残るのは、グリコの「プッチンプリン」だろう。
このテレビCMには、「社長バージョン」と「社員バージョン」があるのだが、どちらも厳ついたプリンとは程遠いイメージのオジサンが主役だ。
シュチュエーションも、暗い資料室のような所で、真剣な面持ちで社長他数名のオジサン社員が会議をしているらしい。その会議が煮詰まった状況を打開するかのように「プ」と一言。
その一言で、会議の雰囲気が穏やかになり、和気藹々とプリンを食べる。
このCMで気が付くのは、「オジサンも、プリンが食べたい」ということかもしれない。

プリンというお菓子などのテレビCMは、これまでアイドルか子供が主役だった。
確かにプリンは、女性や子供が食べるモノというのは、事実だろう。
でも、本当はオジサンに象徴される男性も本当は、食べたいのだ。
実際、私の友人の中にはチョコレートパフェなどが大好きな、「甘党」の男性が少なくない。
だが、一人でチョコレートパフェを食べるのは、抵抗があると言う。
その意味でこのテレビCMは、「潜在的な市場の掘り起こし」となっているように思えるのだ。

他にも、缶コーヒーのテレビCM等も若手俳優さんなどから、「オジサン」が目立つようになってきた。
もちろん、様々な缶コーヒーのテレビCMがあるので、あくまでも傾向というコトなのだが、これもおもしろい。
アサヒ飲料のテレビCMなどは、サザンオールスターズの桑田佳祐さんと黒澤監督バージョンが8月下旬~9月、現在は桑田佳祐さんと植木等さんバージョンとなっている。
このCMを見ていると、昭和と言う時代を象徴する人+今のオジサンという組み合わせとなっている。
渡哲也さんのキャンペーンCMでも、「(昭和のヒットドラマの)どこかで見たことが・・・」と思わせるモノだ。

缶コーヒーが誕生してから、30年余り経つのではないだろうか?
その缶コーヒーを飲み始めた世代=オジサンに対して、「もう一度、缶コーヒーを飲みませんか?」という意味でのアプローチだとしたら、なんとなく分かるような気がする。
缶コーヒーで手軽なコーヒーの味を覚え、今では自分でドリップして(一手間かけた)コーヒーを楽しむ世代といっても良いのかも知れない。
その世代に向けてのCMだと考えれば、なんとなく分かる気がする。

これまで、テレビCM等では登場することが無かった「オジサン」は、新しい市場への期待なのかも知れない。