日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

先人たちの言葉にこころ傾ける

2007-10-30 23:17:52 | 徒然
先日読んでいた本に、福沢諭吉の『学問のすゝめ』の一文が掲載されていた。
その文章とは
『独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼するものは必ず人を恐る、人を恐るる者は人にへつらうものなり。常に人を恐れ人にへつらう者は次第にこれに慣れ、その面の皮鉄の如くなりて、恥ずべきを恥じず、論ずべきを論ぜず、人をさえみればただ腰を屈するのみ』
 という一文だ。

この文章を読んだ時、フッと連日テレビのニュースで「申し訳ありませんでした」というコトバを言って、頭を下げる偽装企業の経営陣の姿を思い浮かべた。
もちろん、この文の意味はもっと違うということも分かっているツモリなのだが、例えば「独立の気力」というのを、「間違ったコトに対して、間違いであるといえる気力」と置き換えることができるのではないだろうか?
いわゆる「長いモノに巻かれろ」的思考からの脱却という意味だ。
「人を恐れる」というコトにしても、「人のもっている権力に恐れる」と考えれば、様々な利権に群がる政治家や企業、人の姿とも感じ取れる。
また、同時にそれらの「権力や利権を手放すコトを恐れ、本分を忘れている権力者の姿」とも重なるような気がする。

その繰り返しが、いつしか慣れとなり、当たり前のコトとなっていく・・・そんなコトへの警告のような気がしてならないのだ。 
今のような「経済優先(というよりも自己利益優先の金儲け)の何でもアリ」という風潮のある社会では、先人たちの言葉に、こころを傾ける必要があると感じるのだ。

企業優先思考や官庁のピラミッド型思考は、行き詰まり感がある。
企業や官庁などの前に、人優先という思考がなくては、今後も企業や官庁のトップがアタマを下げるようなニュースは、無くならないだろう・・・そんな気がする。