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ルールがあるからスポーツ

2007-10-15 22:46:29 | スポーツ
先日来から、話題になっている「亀田VS内藤」というボクシングの試合。
実際の試合は、見ていないのでどのような試合だったのかは知らない。
そもそも、ボクシングのルールそのものを良く知らないので、世間的に「問題の多い試合だ」といわれれば、「そうなんだ・・・」と思う程度なのだ。
そんな私がテレビのニュースなどで見て、「それは反則だろう!!」と分かるような酷い試合だったようだ。

その試合の処分が、今日決まった。
亀田家に対する処分が、厳しいとは思わない。
なぜなら「反則を積極的に促すようなトレナーやセコンド」だったからだ。
この処分が下される前対戦相手の内藤選手が、日本ボクシング協会に要望書を提出している。
その時「ルールがあるから、ボクシングなんです」という、趣旨の発言をしていた。

このコトバは、「的を得ている」というだけではなく、スポーツの基本的なあり方をよく現しているように思う。
ルールが無ければ、単なる殴り合いだろう。
それは、何もボクシングだけではないように思うのだ。
最近の大相撲を見ていても、「それは反則なのでは?」と思うような、取り組みがあった。
今モンゴルに帰国している朝青龍の取り組みに、その傾向が多く見られるように感じたのだが、「勝てば官軍」のような雰囲気があったように感じていた。
確かに横綱なのだから、強くなくてはいけない。
だからといって、反則ギリギリのような取り組みをしても良いのだろうか?
そういう問いかけをしたいのだ。

考えてみれば、亀田家も朝青龍も「ヒール役」のような雰囲気をもって、そのスポーツを注目させてきた。
それにメディアが便乗し、身の丈以上の(強い)イメージを作ってきたのではないだろうか?
大相撲の場合、「若貴ブーム」が去り観客動員が減ったところに朝青龍が登場した。
その当時の朝青龍は、本当に強かったのだと思う。
だからこそ横綱になれたのだろう。
しかし、その後の朝青龍の取り組みは横綱としての取り組みではなく、「勝つために何でもアリ」の取り組みになってしまったのではないだろうか?
ボクシングも以前のような人気は無く、他の格闘技にファンを取られてしまった。
そこへ「大口たたきのヤンチャ」という「キャラ立ち」している、亀田(興毅)選手が登場した。
取材をしたら一家揃って「大口たたきのヤンチャキャラ」亀田家は、テレビメディアのキラーコンテンツを特に持っていなかったテレビ局にとっては、飛びつきたくなるほど魅力的だったのではないだろうか?

「スポーツの魅力とは?」と考えた時、「フェアであること」は重要なコトだろう。
昨今人気の「「(スポーツ)王子」たちは、礼儀正しく・フェアな印象がある。
彼らを引き立てるための「ヒール役」は、必要かも知れないが、それはあくまでも「スポーツの土俵・ルールがあってのコト」だろう。
メディアも含め「ルールがあって、スポーツ」だということを、もう一度考える必要があるように思うのだ。