日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

発想の転換・「減築」

2007-10-09 21:19:10 | ライフスタイル
毎日新聞のWEBサイトを見ていたら、面白い記事を見つけた。
それが、住まいナビ:リフォーム 「減築」って何ですか。と言う記事だ。

田舎だけではなく、都心部でも「高齢者世帯」は多くなっている。
子供が独立をし、夫婦二人だけの世帯となっているのだ。
バブル期には、土地の値段が高騰し「住宅問題」ということが盛んに言われた。
反面、少子化に伴い同居世帯が増えたり、(親が亡くなった後)親世帯の住宅を引き継ぐので、解消されるとも言われた。
しかし、現実には独立した子供たちは別世帯を持ったりして、同居だとか親世帯の住宅を引き継ぐと言うことは余り無いようだ。
何より、子供世帯からすれば「使い勝手」という、問題もあるのではないだろうか?
そんなこともあり、最近では団塊の世代を中心に「住宅リフォーム」が盛んだ。
以前拙ブログでもエントリさせていただいたが、団塊の世代の住宅リフォームのポイントは、「3m」という夫婦の距離感らしい。
夫婦二人の生活を上手に楽しむためのリフォームが、今では主流となっているのだ。

そんな時、問題となるのは「子供部屋」だろう。
かつて子供たちが使っていた部屋は、成人し、新しい家族を持った子供たちが使うには、不便だろう。
子供たち世帯が、寝泊りするほどの大きさもない。
普段使わない部屋ということもあり、荷物置き場となっている場合も、あるのではないだろうか?
それまで「増築」という発想で、住宅のあり方を考えてきていたのに、いつのまにか自分たちの生活サイズと住宅サイズが合わなくなる、と言うことなのだ。

もう一つ興味深いのは、この「減築」という発想が集合住宅にも、応用できるということだ。
高度成長期に都市部を中心に次々と建てられた「団地」は、今、高齢者世帯、特に独居老人世帯となりつつある。
このような団地が抱える問題は、「孤独死」だといわれて久しい。
アスベストなどの問題さえ解決できるのであれば、部屋数を減らし、バリアフリーにして「グループハウス」のような集合住宅へ転換できるのであれば、住み慣れた住宅に「安心」がプラスされる。

今気になっているのは、都市部を中心に起こっている「マンションブーム」だ。
高層化するマンションだが、20年30年先、そこに住んでいる人たちの生活が、どのように変化しているのだろうか?と言うコトなのである。
日本の住宅(建築)の発想には、「将来の生活」というモノが考えられていないような気がするのだ。
20年30年と言う住宅ローンを払い続けるのに、20年30年後の自分たちの生活と言う視点を、もう少し重視しても良いのではないだろうか?