日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業に都合の悪い人を雇おう-ワーク・ライフ・バランス-

2007-10-25 20:46:38 | Weblog
先日夜のテレビを見ていたら、「ワーク・ライフ・バランス」を取り上げていた。
「ワーク・ライフ・バランス」と、言われてもピンッとはこない人のほうが多いだろう。
特に「企業戦士」と呼ばれる人たちにとっては、「仕事が第一、家庭は第二」という結果になってしまっている人が少なくないだろう。
これまでの様々な意識調査では、「男は外(=仕事、会社)・女は内(=家庭)」という考えの人は、男女ともに減少傾向にあるという結果が出ている。

政府が試算する「平均的家庭=両親に子供二人」という家庭は、圧倒的に少なくなってきているはずだ。
増えているのは、「シングル・マザー、シングル・ファザー」と呼ばれる「片親世帯(差別語でしょうか?)」だ。
私のような独身世帯や、高齢者夫婦世帯、要介護世帯などその形態はひと括りできるような時代ではない。
だからこそ、「働く形態」も様々であって良いはずなのだ。
ところが、企業は今でも「企業戦士」を求めているような気がするのだ。

確かに「企業戦士」は、企業にとって使いやすい人材」かもしれない。
女性の社会進出といった時、必ず壁になるのが「女性は戦力になりにくい」ということだった。
なぜなら、女性には「出産・育児」という「ライフサイクル」があるからだ。
戦力として充実した頃(出産で)職場を離れ、(育児期間中は)「子供が熱を出した」とか「子供の行事」で会社を休むからというのが、その理由だった。
しかし、様々な家族形態が当たり前になりつつある今、企業にとって「都合の悪い人」を雇用することが、むしろ当たり前になっているはずなのだ。
企業の理論や考えで、生活者は動かなくなってきている。
むしろ、生活者を中心にした発想が、必要となってきている。
企業そのものが、発想を変え「都合の悪い人」を雇うことが、むしろ企業にとってプラスになる要素が高いのではないだろうか?

男女・年齢を問わず労働の質が同じであれば、同じチャンスが与えられるコトが大切だろう。
給与そのものも、時間当たりの給与も同じでなくてはオカシイだろう。
「ワーク・シェアリング」というコトが、言われて久しい。
様々な生活価値観をもった人たちが、自分の生活を大切にするためには「ワーク・シェアリング」の実施も必要だろう。
子育てをしているお父さん・お母さんだけではなく、老親介護をしている人たちにとっても、仕事にプラスになる制度なのではないだろうか?

これまでのような「企業中心の雇用形態」ではなく、「生活する人中心の雇用形態」へシフトすることが、「思考不全化した企業組織」を活性化するのではないだろうか?