日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

シニア市場とファミレス

2007-10-27 20:55:43 | ライフスタイル
先日、「夕方の女子高校生の会話」について、エントリをした。
女子高校生の元気な会話は、様々なことを考えさせてくれるチャンスを作ってくれたが、そのファミレスのレジには、「シニアのための食事バランスガイド」という、小冊子が置いてあった。

「食事バランスガイド」というのは、この春盛んにテレビCMで流れていたので、覚えている方も少なくないだろう。
「日本型食事による、栄養バランス」という趣旨で考えられた、一種の栄養ガイドのようなモノだ。
もちろん、メタボリック症候群や生活習慣病予防のための「食事ガイド」という面もある。
これまでのような一般的ファミレスメニューからすると、「食事バランスガイド」向きなメニューは少なかったように思う。
まぁ、ファーストフード店などに比べれば、はるかに「食事バランス」は取りやすいとは思うのだが、それでもファミレスの中心メニューというと、お子様大好きなハンバーグやパスタといったメニューを思い浮かべるのではないだろうか?
それが厚労省と農水省が共同して、このような「栄養バランスガイド」のようなモノを作り、ファミレスなどが積極的に活用するようになっているのだ。

団塊の世代と呼ばれる人たちが、定年退職をし自由な時間とお金を手にするようになってきた。
豪華客船での海外旅行だけではなく、週末は身近なウォーキングやトレッキングなどを楽しむという人たちも少なくないはずだ。
その人たちにとって、何よりも関心のあるのは「健康」だろう。
食材にしても、無農薬やオーガニック食品などを積極的に購入をし、「プチ・スローライフ」を実践している人もいるのではないだろうか。
そんな人たちが、ファミレスに来るとは余り思えないのだが、専業主婦だった奥さんにとっては、毎日いる夫が煩わしいだろうし、そんな時の息抜きにはファミレスで食事ということも、ありえるだろう。
そんなところに、目をつけたのが「シニア向け食事バランスガイド」のような気がする。

もちろん、それに連動するようにファミレスメニューも、様変わりをはじめている。
ランチメニューなどでは、白米だけではなく、雑穀米などが選べるようになっているし、いわゆる「定食メニュー」も充実している。
ハンバーグやステーキ、パスタなどのメニューが中心とはいえ、一昔前では考えられないような「和食メニュー」の充実度だ。

「シニア向け食事バランスガイド」という小冊子は、農水省の外郭団体・(財)すこやか食生活協会というところが作っているのだが、その考えやメニュー作りに積極的になっているのがファミレスなのだ。
「ファミレスメニューで考える、食事バランス」というのは、市場的規模が大きいと考えられるシニア層に向けて動きはじめている。
その動きは、「キレナイ子供・食事バランスガイド」など各世代向けへと、発展していくかも知れない。
そんな気がする、ファミレスの「(シニア向け)食事バランスメニュー」だ。