日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

都市部と田舎-高齢者とセルフメディケーション-

2009-06-01 17:32:59 | アラカルト
今日から、薬事法改正により第2類・3類の医薬品がコンビニなどでも購入できるようになった。
といっても、資格取得者がいる場合に限られるのだが。

テレビのニュースなどを見ていると、概ね「24時間、薬が買えるので便利」という声が多い。
だが、これはコンビニが当たり前にある都市部の話だろう。
我が家も、地下鉄の駅から3軒のコンビニがある。
道を挟んでドラッグストアーもある。
そんなトコロは、全国各地にはいっぱいあるはずだ。
しかしわが実家に関して言えば。決してそのような状況ではない。
一番近いコンビニに行くために、クルマを走らせ10分ほどかかるのだ。
近所の薬局は数年前に既に閉店し、歩いて10分ほどかかる小さな薬局が一番近い。
もちろん、24時間営業などしてはいない。
コンビニなどでの薬の販売が、便利になるというのは都市部が中心だと言うことなのだ。

今回の薬事法改正は、医療費を下げる方法として「セルフメディケーション」を目的としているらしい。
「セルフメディケーション」によって、一番手軽に薬が買いたい人たちというのは、実は田舎の高齢者なのではないだろうか?
とすれば今回の薬事法改正は、田舎の高齢者を余り見ていないような気がするのだ。

「通販で薬が買えない」コトと「(第2類・3類の薬を)コンビニで自分で薬を選び、資格者がレジで販売する」コトは、一見まったく違うコトのように思えるのだが、その実「通販サイト運営者が薬剤師で、薬剤師のアドバイスを受けながら(第2類・3類の薬を)自分で薬を買う」コトでは、「どちらが安全なのか?」という点で、疑問なのだ。

都市部に限って言えば、とても便利になった感のある薬事法改正だが、田舎の高齢者にとっては、便利になったわけでも、厚労省が目指している(?)「セルフメディケーションの充実」にもなっていないように思えるのは私だけだろうか?