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携帯電話から携帯コンテンツ企業になるのだろうか?NTTdocomo

2009-06-11 14:48:20 | ビジネス
日経新聞のWEBサイトを見ていたら、気になる記事があった。
それはドコモ・集英社など5社、携帯マンガを欧州で配信という記事だ。

実は先月末から、NTTdocomoのテレビCMの中で「エ!」と思いながら見ているモノがある。
それが「docom beeTV」というテレビCMだ(紹介したのは、市原隼人さんのバージョン。他のバージョンもあり)。
実は、このテレビCMを見たとき一種の違和感を覚えた。
というのも、携帯電話会社が動画サイトの宣伝を展開し始めたからだ。

これまで携帯電話会社のCMといえば、「携帯電話を使ってください」というアプローチだけで、「携帯電話でネットにアクセスが出来る」という範囲までだった。
ネット上で見られる動画やコンテンツに対して、積極的だったとは言いがたい。
むしろコンテンツに関わらないことで、利用者の自由を提供していたような気がする。
それが、この春頃からdocomoに関しては、動画配信サービスをすることでユーザーの囲い込みに入りつつあるような気がするのだ。

その背景には、携帯電話そのものが「買い替え需要中心」になってきたというコトもあるだろう。
一つの大きな市場をdocomo、au、Softbankの3社が食いあっているのだから、どこかでコケルとその影響は大きい。
実際、NTTdocomoは「そろそろ反撃してもいいですか?」と、守りから攻勢に転じて失敗をしている(といっても、それはテレビCMの失敗が大きいように思うのだが)。
以降、携帯電話の販売実績ではSoftbankに抜かれてしまったままだ。
だからこそ、「課金」という方法で収益を上げるというコトを考えたのかも知れない。
その手始めが、動画サイト「beeTV」の運営というなのだろうと、個人的に考えている。

その第2弾として、今回の集英社とのジョイントサイトというコトになるのかも知れない。
もちろん、集英社側にとってもメリットが多いだろう。
日本国内を対象としていないにしても、昨今の日本のマンガは日本国内だけではなく全世界で読まれている。
その人気を背景に、いわゆる海賊版が作られているのも事実だろう。
それに対応するために、先日小学館は高橋留美子さんの新連載マンガを北米でネット配信し始めた(紹介記事は朝日新聞)。
今回の集英社は、フランスで携帯電話にネット配信するようだが、その目的はおそらく同じだろう。

今回のような一連の動きを見ていると、NTTdocomoは携帯電話販売し、電話サービスをする企業ではなく、携帯電話を使ったコンテンツ企業へと変わる準備を始めているように感じるのだ。
ただ、その真意は未だわからないのだが・・・。
注目しておきたい、NTTdocomoの動きだ。