日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

定番化したキャンペーンから新しい展開

2009-06-23 10:42:51 | ビジネス
サントリー「伊右衛門」のテレビCMが、今年も夏キャンペーンヴァージョンとなった。
おそらく、今年で3シーズン目に入ると思う「氷出し碾茶セット」のキャンペーンだ。
変な言い方かも知れないのだが、このテレビCMを見ると、「夏仕度をしなくては・・・」という気になってしまう。
夏仕度といっても、取り立ててあるわけではないのだが、夏の帽子や寝茣蓙の用意など、押し入れから引っ張り出したりしている。

この「伊右衛門」の「氷出し碾茶セット」だが、毎年評判が良かったのだろう。
今年からネット販売が始まっている。
キャンペーンプレゼントである「氷出し碾茶セット」だけではなく、碾茶や煎茶の茶器セットなどがある。
いずれも、「お茶を楽しむための道具」だ。

それにしても、いくら評判が良いキャンペーンだからといって、同様の商品をネット販売する必要があるのだろうか?
何となくではあるのだが、「伊右衛門」のブランド展開を単純な「商品展開」ではなく、「伊右衛門文化(=サントリーの考えるお茶文化)」として展開したいのではないか?と、考えるのだ。
「伊右衛門」をお茶の老舗・福寿園と企画した時、そのようなことを考えていたのかは分らない。
もしかしたら、単なる「老舗お茶屋さんのペット飲料」だけだったのかも知れない。
事実、「伊右衛門」のヒットで他社も追従するように、京都の老舗お茶屋さんの名前で、次々と発売された。
それが、年数を経るにつれ、海外への進出、ティーサロンへの展開と、範囲が広がっていった。
その中で「日本のお茶文化」だとか「和文化」のようなモノを、提案するブランドへと変化させて言ったのではないか?と、考えるのだ。

それは「伊右衛門」のHPを良く見ると、そう感じる部分が少なからずある。
現在京都の「伊右衛門サロン」の店舗は、京友禅の老舗・千總(ちそう)のビルにある。
そして、千總とのジョイント企画などを催したり、今回のネット販売でも千總オリジナルデザインの「お茶道具」を販売している。

このような一つの商品から、大きく展開をし、その流れの中でキャンペーン商品が期間限定とはいえ、ネット販売されるというのは、余り例がないように思う。
だからこそ、今後にも注目したいと思っている。