日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ホンダ・インサイトの次の仕掛け

2009-06-12 21:10:36 | CMウォッチ
発売当初に比べると、随分落ち着き始めた感のあるホンダ・インサイト。
もちろん、トヨタの新型プリウス発売の影響が大きいのだろう。
しかし、手をこまねいて見ているだけではなかったようだ。
テレビを何気なく見ていたら、今ではすっかりインサイトの顔になったスヌーピーが、チェッカーフラッグを持って登場するテレビCMを見た。

テレビCMを見ていると、どうやら新しい「仕掛け」をしているようなのだ。
その名も「エコグランプリ」
F1のテレビ番組で使われている(?)音楽に乗り、華々しく公道を走る映像が登場するのだが、その内容は、インサイト・オーナー対象のいかに燃費良く走るのか?を競う内容。
インサイト・オーナーという横のつながりを仕掛けることで、オーナー同士のコミュニケーションを図り、インサイト・ファンを作っていくという仕掛けのようだ。

このような「ファン作り」というのは、何もホンダだけがやっているコトではない。
おそらくトヨタや日産でも、WEB上で同じような「顧客の囲い込み」をしているだろう。
ただ、今回の「エコグランプリ」は、インサイト・オーナーのコミュニケーション作りというだけではなく、エコドライブ技術を上げるという狙いもある。
インサイトの性能をユーザーが、自分たちで引き出すという仕掛けがあるように思える。
それにより、オーナー自身にインサイトの魅力を実感し、WEB上に展開することで、より広く多くの未購入者にインサイトの魅力を伝えていくコトも狙っているようだ。

そしてもう一つ注目したいのは、このインサイト・エコドライブのサイトは、インサイトオーナーだけを対象としていないというコトだ。
正しく言うなら、ペーパードライバーはもちろん、私のように運転免許を持っていない人までも巻き込むような仕掛けとなっている。
それが「バーチャルチャレンジ」
いわゆるオンラインゲームのようなモノ(なのでは?)と思われるのだが、今までクルマのHPにアクセスしなかった人たちにもアピールすることで、新規の掘り起こしを狙っているようなのだ。
もちろん新規の掘り起こしだけではなく、「ホンダ」という企業のイメージアップや親しみ度を上げるという意味もあるだろう。

このHPを見て感じたコトは、「楽しく、エコドライブをしながら、インサイトの魅力をみんなで発見し、体験してね!」そんなメッセージを伝えるのが上手で、「ホンダらしいな~」というコトだった。

問題の本質がズレてはいないか?

2009-06-12 13:11:25 | アラカルト
このところ、「鳩山総務大臣VS日本郵政・西川社長」というニュースが、連日連夜にぎわしている。
先日もエントリさせて頂いているのだが、このニュースを聞く度に思うコトがある。
それは「問題の本質がズレているのでは?」という点だ。

まず問題点を整理すると・・・
鳩山さんがご立腹+任命拒否をしている理由とはなにか?
西川さんは、日本郵政の民営化推進をどれだけしたのか?
という点だ。

鳩山さんがご立腹+任命拒否をしている理由は、「かんぽの宿二束三文払い下げ」の説明責任を果たしていない。という一点なのではないだろうか?
そして、西川さんは民営化推進をどれだけしたのか?という点は、「事業を立ち上げた」というコトだろう。
といっても、西川さんが社長になる前に郵政省解体→民営化が決まっていたので、「事業を立ち上げた」というほどでは無いように思う。
推進という点では、事業が立ち上がったばかりなので「分らない」のではないだろうか?
もちろん、民営化に当たっては「郵便貯金の使われ方に問題」と「民間で出来る仕事は民間に任せるべき」という、小泉さんの考えがあったからだ。

と、ここまで書きかけたところでニュース速報が入り、鳩山さんが辞任したようだ。
というコトで、このニュースは今日で決着というコトになるのだが、この話題を端で見ていると、問題の本質が大きくズレているような気がしていた。

というのも、「日本郵政株式会社」の社長さんは確かに西川さんだが、与党である自民党は何故「西川さん=郵政民営化の象徴」と言うのだろうか?という点だ。
「小泉-竹中改革」というラインで、西川さんの社長が決まったと記憶しているのだが、今では「小泉-竹中改革の見直し論」が出始めている。
その改革の象徴であった郵政事業に関しては、見直し論を唱える人たちから意見が出ていないように感じる。
何よりも西川さんは、郵政株式会社の社長さんとして、どんな実績を残してきたのか?という、検証もされていないように思うのだ。
少なくとも、地方、特に田舎ではサービスの低下が激しく、顧客離れが起きているというのは、実家に帰る度に実感するのだ。

なのに、与党の改革派と呼ばれる人たちは「西川さんでなくては、民営化は推進できない」と言い張っていた。
「郵政民営化の象徴が西川さんだから」というのが、その理由のようだが、それは違っているのでは?
「郵政民営化の象徴」は、「事業分割化」であって「西川社長」ではないのでは?
その論点を間違えると、本質を見誤ってしまうように考えるのだ。

それと「かんぽの宿二束三文払い下げ」は、その後一体どうなったのでしょうか?
西川さんとオリックスの宮内さんと、とても懇意な関係があり「お友達価格」で払い下げる内約束でもしていたのでは?と、穿った見方をしてしまうのは私だけだろうか?
そして、もっと穿った見方をすると、西川さん支持を表明していた人たちもそのおこぼれに与っているのでは?と、勝手に想像してしまうのだ。