日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「心の多重債務」

2009-06-22 10:57:30 | 徒然
先日、「更年期障害」についての番組を見ていたら「男性の更年期障害は『人生の多重債務』だと思ってください」と、ゲスト出演をされていたお医者さまが話していた。
原因は一つではなく、加齢による肉体的なコトや社会でのストレスなどが積み重なって、「更年期障害」という症状が出る、という説明のためにそのような表現をされたようだ。
「人生の多重債務か・・・上手いコトを言うな~」と思いながら、テレビを見ていたのだが、どうも最近は「心の多重債務」となるコトが多いようだ。

今日も毎日新聞のWEBサイトには、退職強要:3割が「心の不調」に、倒産・解雇に比べ突出という記事が掲載されている。
倒産や解雇なども心に及ぼす影響は、大きなモノがある。

倒産や解雇と退職の強要とでは、企業が社会から受ける批判(というべきか?)や社会的責任の問われ方が違う。
そのため、極力「退職」という方法で、解雇をしたいのだろう。
しかし、「強要退職」をさせられた人にとっては、退職に至るまで相当のハラスメントを受け、その後の生活不安とも向き合わなくてはならない。
というのも、失業保険などの支給内容も変わってきてしまうからだ。
在職中の様々なハラスメント、退職後の生活不安など心に及ぼす影響が、それだけ強いというコトだろう。
まして、「先の見えない社会状況」だ。
いくら大手企業が景気回復を感じ始めているといっても、社会全体が実感できるようになるまでには、まだまだ先の話だろう。
ますます、このような「心の多重債務」を抱えてしまう人は、増えることがあっても減る事はないだろう。

このような「心の多重債務」に陥りやすい人は、真面目で頑張る、気持ちの切り替えが余り得意ではないタイプの人に多いと言われているようだ。
「多重債務」である限り、その原因となるのは一つではない。
だからこそ、日ごろから一つでも債務を増やさないコトが大切なのではないだろうか?
時には、頑張らない自分を認めるコトも一つだろう。
自分だけでは解決できない問題を、ひとりで頑張って解決する必要はないのだから。