日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ビジネススクール教授の考えさせられる言葉

2009-06-29 05:46:50 | アラカルト
「MBA」が持て囃されてはじめて、どれくらい経つだろうか?
言わずと知れた、ビジネススクールを卒業して得られる「修士号」だ(アメリカの有名大学系のビジネススクール卒業生を指すのが一般的だ)。
そしてこの「MBA」という修士号を持った人たちの多くが、ウォール街で働き、世界の金融を動かしてきた。
もちろん、日本でも楽天の三木谷さんだけではなく、官僚から政治家に転進した人の何人かは、官僚当時に政府留学のようなカタチで、MBAを取得しているはずだ。
最近では、謹慎中のタレントさんが取得を目指していたりするようだが、それでもMBA取得者というだけで、ビジネスの世界では一目置かれる存在で、厚遇の対象でことには違いないだろう。 
だからこそ、大学を卒業した後2、3年働いた後、ビジネススクールでMBA取得を目指すのだと思う。

そのこと自体とても良いコトだと思う。
ビジネス経験+豊富な知識は、様々な判断をしていく中で、優位となるコトが多いだろう。
だからこそ、給与面で優遇されるのだから。
だが、そのMBA取得者に変化が起き始めているらしい。
昨日の讀賣新聞WEBサイトに、MBA「ウォール街はもう嫌だ」…金融危機で不信感という記事が掲載されていた。

この記事を読んで、今のアメリカ国内でのMBA取得者の就職観(職業観ではない)の変化は、当たり前のような気がするし、日本でも同じだろう。
世間的に「安定的高給取り」を言われる企業に就職希望をする若者は多いし、親もそれを望んでいる。
そのことを悪く言う気はサラサラない。
私が考えさせられたのは、記事中にあった教授の
「違法にならない範囲でできるだけ稼げと何十年も教えてきた。
だが、これからは公共の利益に奉仕する精神を教えなければ」

という言葉だ。
ハーバード大学のビジネススクールの教授が「お金儲けのためには、違法スレスレのことをしても良い」と教えていたというコトに、驚きを通りすぎた衝撃を受けたのだ。

アメリカ発の金融危機は、表面上落ち着き始めたように見える。
日本経済も底打ちと発表されたが、景気回復を実感できるようになるのは、まだまだ先の話だろう。
だがその原因の一つが、このような教えの基にあったとしたら・・・日本どころか世界経済は、そんな教えのとばっちりを受けたと思うと・・・。
ビジネススクールの先生は、金融危機とは関係なく今でも教壇に立って「お金儲け」を教えているとすれば・・・この人たちの功罪も考える必要があるのでは?
そんなコトを思わず考えてしまった。