日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

企業が農業を変えるのか?

2009-06-17 21:07:04 | ビジネス
日経新聞のWEBサイトに、とても興味深い記事が二つ掲載されていた。
一つが、サントリー、ホップ農家に資金援助 ビール原料の安定調達狙うという記事。
もう一つが、秋田の酒造30社、酒米を地元農協から調達 コスト1割削減という記事だ。
サントリーは日本国内ではないが、いずれも原料となる農作物を直接買い付けるというコトだ。

目的は、それぞれ「安定調達」であったり、「コスト削減」であったりと違うのだが、他にも大きなメリットがあるように思うのだ。
例えば、食品の安全性という面だ。
企業が直接的に農作物と関わることで、「安心・安全」という点も重要になってくる。
何故なら、今年の初めにあったような、「偽装米」事件のようなコトが防げるからだ。
と同時に、農家側(地元農協側)としても、安定的に農作物を買い取ってくれるという安心感は大きいはずだ。

既に大手ファミレスや居酒屋チェーンなどは、このような活動を進めているはずで、企業によっては実際農業活動をし始めているところもあるはずだ。
ただ、大手ばかりに任せていても限りがあるのも事実だろう。
むしろ、飲料水メーカーや地元企業の集合体が、このような活動をすることでより大きな消費が生まれるかも知れない。
お酒のように、地方によって味が違うモノは、大手酒造メーカーが造るお酒とはまた違った美味しさがあるはずだ。
サントリーのように、原材料の安定供給を目的としているにしても、そのことでその地域(この場合、海外ではあるが)活性化されるだろうし、生活者にとってはほんの少しかも知れないが、ビールが値下がる可能性も期待でいる。
もしそれが日本国内産であれば、それこそ今の「プレミアムモルツ」よりも「よりプレミアム」なビールが飲めるという期待も出来るのでは?

今の日本の農政は、大きな岐路に立っている。
単なる減反政策だけでは、日本の農家は疲弊していくばかりだろう。
であれば、消費する側もアイディアを出して「より安全で安心な美味しい食」を考えなくてはならない。
きっかけは、「安定調達」や「コスト削減」であっても構わない。
少なくとも、今の当てにならない政府よりも、その効果は高いと考えるからだ。

選挙の「ジャケ買い」は無い

2009-06-17 11:50:50 | 徒然
先週末に行われた、新聞社などの「世論調査」。
内閣支持率が、急落している。
急落と言っても、元々余り高くない上に大幅に下がってしまい、一部では「危険水域」と言われているようだ。
内閣としても、自民党としても、今総選挙をすれば惨敗が予想されるという数字だ。
こうなると、与党からは「麻生降ろし」だとか「内閣改造」という声があがる。
麻生さんに総理大臣を辞めてもらって、新しい党代表の元で選挙をし、何とか衆議院で過半数を獲りたいというコトのようだ。
 
このような政治の動きをみていると、政治家は「選挙のために党首を選び、政治活動をしている」という印象を受けてしまう。
実際、民主党の小沢さんを見ていると「政治家」というより、「選挙屋」という気がしてくる。
確かに、政治家にとって選挙は言葉が悪いが「就職活動」のようなモノだ。
落選すれば「政治家」という職業では無くなり、無職になってしまう。
就職活動に熱心な学生以上に熱心な活動をしなくては、ならないのは新卒者などとは比べられないほどのお金をもらい、権力を得るからだろう。
まして、中高年と呼ばれる年代の方たちがほとんど。
落選をして、新たな仕事を得ようにもなかなか難しいだろう・・・というコトも、暗に想像できる。
大学の講師などの職を得られる人などは、当選回数も多く、テレビなどで顔を売っていた人ぐらいだろう。
だからこそ、選挙に有利な「党の顔」が欲しいのだ。

試聴もせずに(レコードやCD)ジャケットだけを見て買うようなコトを、「ジャケ買い」というのだが、まるで「ジャケット(党の顔)を見て、買ってくれ(投票してくれ)」と言っているかのようだ。
先の「郵政選挙」などは、まさに小泉さんの写真をデカデカと使った「小泉改革」というタイトルに、帯には「郵政民営化、賛成か反対か。あなたの(政治)改革度を示せ!」というキャッチコピーが踊っていた「ジャケット」だったのではないだろうか?
そのジャケットを見て、多くの人が「カッコイイ」と思い、買ってしまったという気がしている。

一番の問題は、その中身が「・・・・」だったコトだ。
レコードやCDは、聞かなければ良いだけの話だが、政治は生活に直結することなので、そんなわけにはいかない。
多くの人は、「ジャケットばかりカッコよくても、中身がね~・・・」というコトに気づいてしまったはずだ。
だからこそ、今度の総選挙は「ジャケ買い」だけはしないように思うのだ(というか、思いたい)。
なのに、当の政治家の皆さんは今だにジャケット(=党の顔)で、選挙が決まると思っている。

そろそろ気が付いても良いと思うのだが・・・。