日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地球温暖化対策費用負担が出来るのか?

2009-06-10 20:02:41 | アラカルト
新聞各紙のWEBサイトに温暖化ガスの削減目標についての記事が掲載されている(紹介記事は時事通信)。
その中で、日経新聞だけ見出しに家計負担増は年7万円超にという一文をつけている。

あくまでも2020年までの削減目標なので、いきなり一般家庭の負担が7万円増となるわけではないだろうが、今の経済状態から考えるとこの負担額は決して小さな額ではない。
むしろ「7万円の負担って、出来ないよ!」という家庭のほうが多いような気がする。

もう一つ気になるのは、「太陽光発電などの設置に推進」というコトだ。
一戸建ての住宅であれば、補助金など太陽光発電設置を推進させることが出来るだろうが、既に建ってしまったマンションなどの集合住宅の場合は、どうなってしまうのだろう?
特に都市部に見られるような「高層マンション」の場合、1棟の世帯数も多く全戸にある一定の太陽光電力を供給するだけの太陽光発電装置を設置するコトが可能なのだろうか?
まさか、今建っている高層マンションの屋根に太陽光発電装置を設置するわけではないだろうし・・・それとも壁面などに設置するとでも言うのだろうか?
CO2削減のために壁面を利用する場合、今は壁面緑化のほうに力が入れられているし、どちらにしても高層マンションでは難しいだろう。
もっと単純に考えても、設置費用負担は誰がするのか?という問題もあるのでは?

それだけではなく、高層マンションにそのような設備設置を求めるのなら、オフィスビルはどうなるのだろうか?という疑問もわいてくる。

確かに個々の一般家庭がわずかでも、CO2削減に取り組むことで、日本全体のCO2の削減量は大きくなるとは思う。
しかし今の家計状態を考えると、麻生さんが思っているほど簡単に、太陽光発電装置やCO2削減のための設備投資が出来るとは思えない。
そのためにまず必要なことは、雇用の安定+所得増だろう。
「節約・節約」で何とか将来の蓄えをしている多くの生活者からすれば、CO2削減のための設備投資などは二の次三の次の話だ。

それにしても麻生さんの発言は、思いつきのように感じることがしばしばある。
それも、現状をキチンと理解した上での発言なのかも、疑問な時がある。
霞ヶ関で数字だけを見ている人たちに、言わされているようにも感じる時もある。
もし今日のこの発表が、大手企業のボーナス支給日で、生活者の懐が瞬時暖かいタイミングを狙っていたとすれば、相当の策士なのだろうけど・・・。

JR(東日本)、高速1,000円乗り放題への反撃始める?

2009-06-10 16:05:41 | ビジネス
Yahooのトピックスに、「5000円乗り放題」JR東と7社提携という、フジサンケイビジネスの記事がUpされていた。
気になって、JR東日本のプレスリリース夏と秋のお出かけにおトクな切符「ツーデーパス」(注意:PDFファイル)を見ると、JR東日本の営業エリアの私鉄5社+バス会社とフェリー会社との共同きっぷのようだ。

実はこの記事を最初読んだ時、「青春18きっぷ」との被るのではないか?と思った。
ご存知の方も多いと思うのだが、春・夏・冬とJR各社共通として使える在来線の普通電車(快速は利用可)が1日乗り放題になるため、人気が高いきっぷがある。
5回分が1枚のきっぷになっているコトや、特急などの乗車には使えないなど様々な制約があるにしても、上手に使えば1日2,400円ほどで思いのほか遠いところの日帰り旅行が出来る。
私もこのきっぷを使って、京都や東京へ日帰り旅行に出かけたコトがある。
その「青春18きっぷ」の使用期間と、今回の「ツーデーパス」の使用期間がほぼ重なるからだ。

今回の「ツーデーパス」の大きな特徴は、JR東日本の営業地域内の私鉄などと共同企画をしているという点だろう。
「青春18きっぷ」があるため、JR営業地域内だけに限ってしまえば余り魅力が感じられない。
ところが、関東一円の私鉄各社と手を結ぶことで「お出かけ範囲」は、グンと拡がる。
それに有効期間が2日間というのも、魅力だろう。
というのも、1泊旅行となれば滞在時間が増え、電車を乗り降りしながら沿線各地を楽しむことが出来るからだ。
何よりも、渋滞に巻き込まれる心配が無い。

そのように考えると、案外このきっぷの経済効果に期待しているのは、沿線各地の観光地かも知れない。
電車の本数が少なくいコトを逆手に取り、滞在時間を増やす(=観光の楽しみの提案)をするコトで、お金が落ちるからだ。
クルマの魅力の一つは「目的地へドアtoドア」で行けることだが、「ドアtoドア」では楽しめないモノ・コトを提案するきっかけとなるかも知れないのだから。
実際、利用範囲の地図を見ると意外なほど遠くに行けることが分る。
「鉄男くん・鉄子さん」でなくても、十分魅力的な旅が計画できそうだ。

ところで・・・JR東海さんは、このような企画は無いのでしょうか?
名鉄と近鉄は、JR東海と重なる路線が多いから、無理でしょうかね・・・(諦)。
関西には「スルット関西」という、関西一円の私鉄・市営バスが共同で発行しているきっぷもあるんですが・・・やっぱり、名古屋はクルマなんでしょうか?