日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

イメージの作られ方

2009-08-12 05:35:53 | アラカルト
昨日の地震には、びっくりした。
名古屋でも相当の揺れを感じたので、震源地となった静岡にお住まいの方々は、さぞ怖い思いをされたのでは?
それにしても、前日には台風9号による大雨の被害があり、この夏は「災害の夏」と言う感じだ。

そんなニュースとともに、連日テレビを賑わしているのが芸能人の薬物逮捕だ。
特に、酒井法子容疑者に対しての報道は、ワイドショーだけではなく一般ニュース番組でも多いと感じる。
これらの一連の報道で気になったことがある。
それが酒井容疑者について紹介される、枕詞のような「清純派」と言うコトバだ。

実は、私は酒井容疑者の出演したドラマをほとんど見たことがない。
そのため「清純派」と言われても、「はぁ・・・そうですか」と言う感じでしかなかった。
そんな時、あるテレビ番組で「『清純派』と言っても、酒井容疑者本人のプライベートな部分も見て『清純派』と言っているのではなく、(所属)事務所など周囲が、タレントとして『どんなイメージで売り込むのか』と考えた、作り上げられたイメージ」と言う内容のコトを指摘する人がいた。

おそらく、この方の指摘が一番当たっているのだと思う。
酒井容疑者本人は、グルーブ感のあるノリノリの音楽が大好きで、髪の毛を振り乱した踊ったりすることが「素の自分」だったのでは?と、思うのだ。
しかし、デビューしてタレントと活躍をしていく中で「清純派」言うイメージのほうが売りやすいと言う、周囲の判断があったのではないだろうか?
そのイメージそのままに「良妻賢母」的イメージで雑誌に登場したり、洋服やファッション小物のプロデュースをしたほうが、ビジネス的にも遥かにプラスだったと言うのは、よく理解できる。
なぜなら、「アンチ良妻賢母(と便宜上表現する)」的イメージで、主婦向け雑誌などに登場するよりも「可愛らしいアイドル→素敵なママドル」の方が、ウケ易いからだ。

20年近く前、一人のアイドルをデビューさせるためには、1~2億のお金が必要だと聞いたことがある。
そのためには、念入りなイメージ戦略があり、そのイメージに沿ったファッションをさせ、媒体に登場させる必要がある。
もちろん、出演するテレビや映画などのそのイメージに沿ったものではなくては、意味がない。
場合によっては、雑誌やテレビ、ラジオなどのインタビューでも、入念なチェックがされ、作られたイメージを壊さないような努力を周囲がしていたのかも知れない。

確か「アイドル」と言う英語には、「偶像」と言う意味も含まれている。
その「偶像」が崩れたと思えば、枕詞としての「清純派」は作られた虚イメージであったと言うコトだろう。

ただ、「虚イメージ」と言うのは、何もタレントだけの専売ではない。
案外、商品・サービス、企業にもある。
多くは念入りに練り上げられた「戦略」があり、その「戦略」にメディアが乗り、生活者に印象付けられる(それをするのが、マーケターの仕事でもありますが・・・爆)。
むしろ、商品・サービス、企業の「虚イメージ」のほうが、私たちの生活に直接関わってくるため、それを読み解く感覚を磨く必要があるのかも知れない。
あ!政治も一緒ですね・・・。