日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

都会で味わうだけじゃなく・・・

2009-08-23 21:06:50 | ビジネス
産経新聞のWEBサイトに、チョッと興味深い記事が掲載されている。
銀座で「田舎の食材を食べて」 レストランやカフェが続々オープン という記事だ。

「地産地消」ではなく「地(方)産・都(会)消」という感じがするのだが、ここ2、3年、このような地方の県物産館内にあるレストランが人気だという。
都会にいながらにして、地方の食が手頃に楽しめるというのが、その理由だそうだ。
他にも、直売所などで販売される野菜や農水・畜産加工品など、その地方に行かなくてはなかなか手に入らないような食品が、比較的安価で手に入ると人気だと聞く。

そのこと自体、決して悪いコトではないと思う。
何よりまずPRをし、多くの人に地方のイロイロなモノ・コトを知ってもらい、触れてもらえる良い機会だからだ。
ただ気になることがある。
それは、実際その土地へと足を運んでくれる人が、どれだけいるのか?というコトだ。
むしろ、物産館で満足してしまい「旅行に行った気分」で終わってしまっている、というコトはないだろうか?
実際、百貨店の地方物産展(京都や北海道を含む)などは、売上減が顕著な百貨店業界にあって唯一といってよいほど、コンスタントに売上が見込める催事だという。
その人気の理由が、「旅行に行って、おいしいモノを食べた・買った気分になれる」というコトだ。
それと同じコトが、このような物産館でも起きているのでは?と、考えてしまったのだ。

本来であれば、物産館で食べたり購入した商品をキッカケに、興味・関心を持ってもらい、その地方を訪れるなどして欲しいのではないだろうか?
もちろん、このようなトコロでの商品購入をキッカケに、「お取り寄せ」をしている方もいらっしゃるとは思う。
お取り寄せでも良いから、地方経済活性化の一助となれば良いのだが、果たしてそこまでとなっているのだろうか?という心配をしているのだ。

お盆休みで実家に帰ったとき、父を誘ってあるカフェに出かけた(正しくは、お墓の帰りに寄ったのですが)。
そのカフェは、現在コンビニのミニストップで展開をしている「達人の珈琲」を監修しているバリスタのカフェだ。
ミニストップなどでの展開や話題もあってか?県外ナンバーのクルマが何台も駐車してあった(厳密に言えば、我が家のクルマも県外ナンバーなんですが)。
こじんまりとしたカフェは、大人気だった。

コンビニで売られている珈琲飲料や食品ではなく、その場でなくては味わえないモノ・コトを求めて来ている人がいるというコトだろう。
やはり、そのような次へのステップがなければ、地方は元気にならないのでは?と、考えるのだ。
特に農水畜産品などは、地方の自然が重要な鍵となっている。
その「自然込み」でなくては、本当の魅力とはならないのでは?

銀座で「(都会風にアレンジされた)田舎食材」だけではなく、「自然込みの田舎食材の楽しみ」という提案が、必要なのではないだろうか?