日々是マーケティング

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コンビニも失速気味?

2009-08-20 22:27:30 | ビジネス
毎日新聞や産経新聞のWEBサイトに、コンビニの7月売上大幅減という内容の記事が掲載されている(紹介記事は毎日新聞)。

大幅に減少した理由の一つとして上げられているのが、「タスポ効果」の減少だ。
確かに、これまでコンビニ好調の一つとして挙げられていたのが、「タスポ効果」だった。
「年齢識別カード:タスポ」の申請が面倒臭いという喫煙家にとって、コンビニでのタバコ購入は便利だっただろうし、「タバコ購入ついで買い」というのがコンビニの売上を押し上げてきたとも言われている。
その効果が薄れてきたという。

もう一つは、この夏の天候不順で冷たい麺類の売上が伸びなかったことだ。
冷たい麺類だけではなく、アイスクリームなどの菓子類やデザート類の落ち込みも影響しているという分析だ。

記事にあるような「タスポ効果の減少」や天候不順などの影響も大きいとは思うのだが、本当にそれだけだろうか?という気がしている。
というのも、何となくなのだが最近コンビニそのものに、人が余り入っていないような気がする時があるからだ。

自宅近くには、大手コンビニチェーン店が4店舗ある。
確かにお昼時になると、近くの会社や事業所に勤める人たちがお弁当などを買い求める姿を見かけるのだが、それでも以前に比べると少なくなったような気がする時がある。
もしかしたら「弁当男子・弁当女子」が増え、コンビニ弁当そのものの購入が減り始めているのでは?と、感じたことが何度かあった。
それだけではなく、いわゆる「コンビニデリカ(=コンビニ店内で調理した揚げ物や軽食)」を買い求めている人もめっきり減ったような気がしていた。

自宅近くには、コンビニだけではなく24時間営業のスーパーがあるため、なにもやや割高感のあるコンビニでお弁当やデザートを買うよりも、スーパーで買ったほうが便利だということも影響しているのかも知れない。
それにしても、利用客が減りつつあるな~というのが、実感としてあったことは事実だ。
もしかしたら、1店舗当たりの売上そのものは大分前から減少しつつあったのだが、新規出店でトータルの売上を伸ばしていただけなのではないだろうか?
それが、新規出店する店舗にも限界が見え始めた結果、大幅な売上ダウンということになったのでは?
個人的には、そんな気がしている。

かつて「冷蔵庫のライバル商品・サービスは、コンビニである」といわれた。
その「コンビニエント」なサービスの提供が、24時間営業スーパーなどの登場により、既にコンビニのウリではなくなってきている。
この7月の数字は、「コンビニ」そのものを考えなおすキッカケとなるかも知れない。

それにしても、「対面販売」を基本とする小売りの数字がドンドン下がっていくことに、一抹の不安を感じる。