日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

最近気になるコトバ「ファスト」

2009-08-07 19:17:03 | アラカルト
個人的興味で申し訳ないのだが、最近気になっているコトバがある。
それが「ファスト」というコトバだ。
と言っても、TDLで使われている「ファストパス」のことではない。
「ファストファッション」などとして使われる、「ファスト」だ。

「ファストファッション」の代表と言えるのが、H&Mやフォーエバー21などの安価で大量生産されるファッションのことだ。
その意味で、ユニクロも「ファストファッション」だとも言われている。
その由来となっているのは、ご存知の通り「ファーストフード」だ。
「ファーストフード」のように、安価で手軽、何よりも早いと言うコトから「ファストファッション」と呼ばれている。

「安価で早い」のには、キチンと理由がある。
それが「SPA」という生産形態だ。
その時々のトレンドにあわせ、最低ロット数で契約工場などで生産し、直売をすると言う方式のコトだ。
そのため、トレンドにあわせた安価な洋服が、店頭に並び、企業は大きな利益を得ることが出来る。

「安直で画一的な」という意味合いも含んでいるのかも知れない。
と言うわけでもないのだろうが、先日読んだ「無印ニッポン」の中では「ファスト風土」というコトバが使われていた。
この「ファスト風土」というコトバは、もちろん作者である三浦展さんの造語で、日本各地にある郊外型大型スーパー、その多くはショッピングモールに象徴されるような、画一的でかつてのような地域コミュニティーが失われつつある「まち」の姿を指しているようだ。

そして昨日エントリした「スタジオ・ヴォイス休刊」についてかかれたコラムの中には「雑誌のファスト化」というコトバがあった。
おそらく作者が指している「雑誌のファスト化」というのは、その時々の話題だけを記事にする安直で、右へならへ的な作りをしている雑誌のコトを指しているのだろう。

考えて見ると、今の社会には「ファスト」的なモノ・コトが溢れているのではないだろうか?
その一例が「勝ち組・負け組」なのではないだろうか?
そしてそのような思考の一般化(と言うのも変だが)に、一種の怖さを感じてしまうのだ。
何を持って「ファスト化」というのではなく、安直に流行りに乗ってしまう風潮や、その思考、そのことに違和感を持たない社会と言った方が良いのかも知れない。

少なくとも、政治や経済・企業は、「ファスト化」してはいけないと思うのだ。