日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

女性専用車両のオジサン

2009-08-17 22:22:08 | 徒然
今日、実家から帰ってきた。
明日から、いつもの生活となる。
ところで、今日自宅に帰る地下鉄の電車内で、「エ"」という光景を見かけた。
それが、エントリタイトルとなっている「女性専用車両のオジサン」だ。

首都圏だけではなく、全国各地に広がりつつある「女性専用車両」。
目的はただ一つ、「痴漢行為の撲滅」だ。
「撲滅」というのは、いささか大げさかも知れないが、被害者も逆被害者も出さないための一つの方策として、導入されているのはご存知の通りだ。
ここ名古屋でも、時間を決め「女性専用車両」がある。
当然、決められた時間帯に乗車するのは女性のみ。
今日、丁度その時間帯に地下鉄に乗るコトになったのだ。

その「女性専用車両」は、私が利用する駅では一番改札口までの最短ルートとなるため、利用している男性からは、「ズルイ!」と思われているかもしれない。
私も、改札に近いという理由でその車両に乗ったのだが、そこに「ひとりのオジサン」が・・・。
余りにも堂々としているので、一瞬「女性専用車両」だというコトを忘れそうになった。
しかし、ホームには「女性専用車両停車位置」と大きく・わかり易く記されているし、車両トビラにも「女性専用車両」と書いてある。
それどころか、再三駅のホームに着く度に「女性専用車両」についてのアナウンスがある。
それほど再三アナウンスがされ、表示されているにも関わらず、「そのオジサン」は疑うことなく一般車両として、乗車しているようなのだ。

大変失礼とは思いつつ「そのオジサン」を暫し観察させていただくコトにした。
もちろんジロジロと見るのは、失礼なので本を読むフリをしながらなのだが。
地下鉄の駅に停まる度に、女性がドンドン増えていくコトに「そのオジサン」は、「今日は、女性ばかりが乗ってくるな~」と不思議そうにしている感じではない。
だからと言って、観光地の男子トイレに乱入するオバサンのような、確信犯のようでもない。
何となくなのだが、「そのオジサン」の視界には「乗車する女性の姿が見えない」ようなのだ。
もちろん、視力の問題ではなく「自分が乗った車両は一般車両だ」と思い込んでいて、周囲を見ていないというコトだ。
「そのオジサン」の視界にあるのは、地下鉄の窓に映る自分の姿だけで、周囲のコトなど一切気にしていないようなのだ。

「そのオジサン」の姿を見ながら、かくも「思い込み」というのは、周囲状況を見えなくさせてしまうのか?と、凄さを感じたのだった。
ちなみに、「そのオジサン」は、電車を降りる時も実に堂々として降りられたのだった。