日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ロングセラー商品に見る「家族の風景」

2009-11-10 14:59:29 | マーケティング
毎日新聞のWEBサイトに、不定期企画として「ずーっと愛して:ロングセラー物語」という記事が掲載されている。
今日Upされた記事は、「バンドエイド」だった。

日本では、「バンドエイド」タイプのばんそうこうは、地域によって呼び名が違うと言われているが、そのどれもが「バンドエイド」を基にして開発された商品である事には、違いないだろう(呼び名についての資料は「役に立つ薬の情報 専門薬学」より)。
そして、「バンドエイド」などのばんそうこうをはってもらうイメージは、「お母さんが子供にはる」という光景ではないだろうか?
実際、バンドエイドなどのテレビCMでは「子供とお母さん」という組み合わせが殆どだ。

「バンドエイド」のほかに紹介されている、「三ツ矢サイダー」や「カルピス」などのも、懐かしさとともにあるのは「家族の風景」のように思う。
それは、日常の中にあるチョッとした特別なコト。
「三ツ矢サイダー」が好きだった、宮沢賢治のようにお給料日の贅沢だったり、夏休みの昼下がり(昼寝の後の「お目ざ」)だったり、何となく平凡な中にある幸福感というモノを感じる。

そして、ロングセラーとなる商品の多くは、このようなイメージのモノが多いような気がするのだ。
随分と前になるのだが、あるジャムのテレビCMに「ベストセラーよりロングセラー」というキャッチコピーがあった。
このコピーを見たとき、「商品には一時話題になり、売れる商品もあるけど、長い間多くの人に親しまれ、世代を超えて支持される商品があるんだな~」というコトを、改めて知った気がした。
そして、そのような商品は子どもの頃の思い出とともに、人の(心の)中に留まり、フッとしたときに、当たり前のようにいつもその商品を手にとってしまう、というような商品へと成長しているのだ。

だから「ロングセラー商品」の多くには、「家族の風景」を感じるのかも知れない。
そんな商品を育てることも、企業にとっては大切なコトなのだと思う。