日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

盛んな議論をすれば良いのでは?

2009-11-26 12:30:40 | アラカルト
今週、行政刷新会議の「事業仕分け」の2nd.ラウンドが始まった。
1st.ラウンドでは、「仕分け人」の活躍が目を引いたが、今回は官僚も負けてはいないようだ。
その中で、昨夜「スーパーコンピューター開発費削減」に待ったをかけるため、錚々たるノーベル賞受賞者が集まり、緊急声明を発表した(紹介記事は毎日新聞)。

一部メディアなどは、あえて「仕分け人VSノーベル賞受賞科学者」と言う構図を描きたがっているように思える。
一種の対立構造を作ることで、興味を引きやすいというコトだと思うのだが、チョッと安直な気がしないわけではない。
ただ、個人的には、こういう議論はもっと積極的に展開された方が良いのでは?と、考えている。
と言うのも、ノーベル賞を受賞した科学者の皆さんたちが、本当に求めている費用内容が見えてくるからだ。

昨夜の緊急声明の記事を読んでみても、科学者の皆さんは「ハコモノを作ってくれ」と言っているわけではない。
『科学技術立国』である日本が、これから先も世界をリードするために予算を削らないでくれ!と言っているわけであって、スーパーコンピューターの開発費用を単純に減らす事だけに反対しているわけではないように思えるからだ。
もちろん、スーパーコンピューターの開発の遅れが日本のIT産業に与える影響が、どれほどなのか、門外漢の私にはわかりかねるのだが、むしろ『科学技術立国・日本』をどう考えているのか?と言う点を問われているように感じた。

もう一つ考えなくてはいけないのは、ノーベル賞を受賞できるような人材の育成と言うことだろう。
ここ2、3年問題になっている、「経済格差と教育格差」の問題だ。
経済的理由で進学を断念する子供たちの中には、将来のノーベル賞受賞者がいるかも知れないのだ。
ノーベル賞だけではなく、様々な分野で活躍できる可能性を持った子供たちの存在を忘れてはいけないだろう。
例え、世界1位のスーパーコンピューターの開発が今できたとしても、その後に続く科学技術が継続されなくては、意味がない。
その点を、ノーベル賞受賞者の人たちは言っているのではないだろうか?

今回の「事業仕分け」は、様々な論議を呼んでいる。
そして、自分たちの生活とは関係のないようなコトであっても、多くの生活者は注目をしている。
そのような中から、「今必要なコト。将来の日本に必要なコト」を、イロイロな人が考えるコトが、政府の国家戦略となっていくのではないだろうか?