日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

農協を頼らなくなった農家

2009-11-06 21:35:53 | ビジネス
今日、昼間用事があり出かけた時、チョッと意外な場所でお米を販売しているのを見かけた。
お米を販売していたのは、クリーニング店の店頭。
クリーニング店とお米を販売していた方と、どのような関係があるのかは分らなかったのだが、「クリーニング店でお米を売る」という光景は、意外というか・・・。

石破前農水大臣が「減反政策見直し」という発言をして以来、「日本の農業は、これでよいのか?」という論議が活発に行われるようになってきた感がある。
もちろん「農水族」と呼ばれる自民党議員さんたちからは、この石破さんの発言は大批難を受けるコトになった。
その理由は「減反をしないと、お米の価格が維持できない」というコトだった。

確かに、小麦粉の価格が高くなった頃盛んに「パンではなく米飯にすると、節約できる」と言われていた。
それだけお米のほうが、1食あたりの単価が安いというコトなのかも知れない(個人的には、実感としてないのだが・・・)。
その価格も減反で維持できているというのが、農水族と呼ばれる議員さんたちの主張だ。

だが、本当に日本のお米は安いのだろうか?と、考えるコトがある。
というのも、一般的に私たちが自宅で食べるお米というのは、昔の「自主流通米」と呼ばれるお米で、ある程度農家の意向が反映される価格付けができるはずのお米のはずなのだ(自主流通米についての説明は、学研キッズネットより)。
だからこそ、最近のオシャレなお米屋さんなどでは「コシヒカリ」というブランド米であっても、産地や生産農家さんによって価格が違っているのだ。
この場合、お米屋さんがイロイロな地域の農家と直接契約をし、販売しているように見受けられる。

むしろ問題なのは、農家が思った価格で売れないという仕組みにあるのではないだろうか?
もちろん、主食としての米離れという問題もあると思う。
そして「減反」の理由として必ず上げられてきたのが、この「主食としての米離れ」だった。
そのことばかりが、クローズアップされてきたような気がする。
最近では「フードアクション・ニッポン」というキャンペーンを展開し、自給率を上げると同時に、米離れを食い止め様としている。

だが、本当に「米離れ」という問題だけが、減反の理由となっているのだろうか?
農家さんが直接、イロイロな場所で直接お米を販売し始めたとすれば、農協というシステムにも問題があるのではないだろうか?
もし、農協を通さずに直接農家が販売した方が、農家にも生活者にもメリットがあるとすれば、いずれは農協のあり方も問われるのではないか?

そんなコトを考えてしまった、クリーニング店のお米の店頭販売だった。
ちなみに、販売されていたお米は新潟県のコシヒカリ。
販売していた方が、自分の田んぼの写真付き説明を一生懸命にしながら、販売されていた。
一生懸命に自分のお米の美味しさを伝えようとする姿は、とても素敵だった。