日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

主旨は良いのに、伝わらないキャンペーン

2009-11-15 08:21:40 | アラカルト
先月末くらいからだろうか、FMなどで時折流れるCMを聞きながら「主旨は良いのに、これでは伝わらないのでは?」と思うモノがある。
それは公共広告機構(通称:AC)の「ごきげんうかがい」と言う、ラジオCMだ。
実際、テレビで流れているのかは分らない(私は、見たことがない)のだが、FMという「映像のない状態」で聞いていると、とても違和感があるのだ。

と言うのも「ご機嫌伺い」というテーマであるにも関わらず、一番最初に使われている言葉が「オレ、オレ」で始まるのだ。
CM全体を通して感じるのは「オレ、オレ詐欺に注意しましょう」という内容なのか?と、思ってしまうのだ。
ところが、そのCMの主旨は「離れて住む老親へ、(頻繁に)連絡しましょう」というモノ。

我が家もそうなのだが、大学進学や就職で親元を離れ、そのまま就職・結婚をし、生活そのものが親とは遠く離れた状態にあるという方は、多いと思う。
そして、忙しさについ連絡を怠りがちになり、帰省するのはお盆と正月(+GW)程度。
気にはかけているけど、介護をするような状態ではない、元気な老親との程よい距離感と関係を考えているという場合だ。
その「程よい距離感と関係」を作るために、「ご機嫌伺い」の電話をするという提案は、とても良いと思う。
思うのだが、違和感を与えてしまっている原因は、「オレ、オレ」で始まるからだろう。

と同時に、男性の皆さんがご実家やご自宅に電話をされる場合、「俺、俺」と言ってかけられるコトが多いのだろうか?とも、思ってしまったのだ。
電話をかける時、相手が家族であっても名前を名乗る、と言うのが電話のマナーだとおもうのだが、違うのだろうか?
ラジオCMと言う制約があるのだから「オレ、オレ」で始まるのは、仕方ないと言うコトだろうか?
「特定の個人を思い起こさせるような、名前の使用は出来ない」というコトかも知れないが、太郎さん(麻生さんのことではない)とか一郎さん(小沢さんのことではない)と言った、記入例などでよく使われるような名前では、問題があったのだろうか?
麻生さんや小沢さんも「太郎だけど・・・」とか「一郎ですが・・・」と、ご家族に電話をされているのではないだろうか?

折角主旨は良いのに、内容がこのCMを台無しにしているように思うのだ。
公共広告機構は、これまで優れたCMを作り続けてきたはずだが、このCMだけは・・・いただけない。