日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

原点に戻るコンビニ?

2009-11-25 21:09:35 | CMウォッチ
今週になって、「オヤ!」と思ったテレビCMがある。
ファミリーマートの「お帰りなさい」と言う一連のテレビCMだ。
その中でも、特に仕事帰りにコンビニ(=ファミリーマート)に寄って、できたてのコロッケなどのお惣菜を買い、夕飯の食卓に並べると言う内容のテレビCMに、「オヤ!」と思ったのだ。(訂正:エントリ後、偶然このテレビCMを見ましたら、ファミリーマートではなく、セブンイレブンでした。申し訳ございません)

コンビニができ始めた頃、盛んに言われてことがある。
それは、「コンビニが、冷蔵庫の代わりになる」というコトだった。
マーケティングを学んでいる方なら、聞いた事がある話だと思う。
コンビニの登場により、必要な食べ物を必要なだけ自分の都合に合わせて、買う事ができる。
その事で、冷蔵庫で野菜やお惣菜などを保存する必要が無くなる、と言うのがその理由だった。
事実、若い独身者にとってスーパーで家族向けサイズ・量のお惣菜を買うよりも、若干割高であっても、遅くなった仕事帰りに、自分の食べたい分だけのモノが買えるというコトで、都市部では冷蔵庫を持たない若い独身者も当たり前のようにいた。
もっとも、ビールのおつまみになるようなお惣菜とお弁当が、主な買い物となっていたようだ。

そのような状況だったのが、今から20年近く前のコトだったと思う。
その後、大手スーパーは営業時間を延長し、今では24時間営業と言うスーパーも登場してきた。
それだけではなく、お弁当などにも力を入れはじめている。
元々、お惣菜などを作るノウ・ハウがあるのだから、むしろスーパーのお弁当の方が、種類も多く、選べると言う点ではコンビニよりも、便利かも知れない。
もちろん、お惣菜なども少人数用・一人用の少量のモノや、少量のお惣菜を数種類集め、1パックとしたモノも、人気があるようだ。
その意味で、スーパーとコンビニとの差が無くなりつつある、といっても良いかも知れない。

その中で、今回ファミリーマートが打ち出した「お帰りなさい」というキャンペーンは、「作りたて・出来立て(のお惣菜)を必要なだけ、気軽に・便利に」というコトを打ち出している。
このテレビCMではないが、例えば中華まん1個をスーパーで買う事はできないが、コンビニであれば可能だ。
それも、スチーム器に入った熱々の中華まんを買う事ができる。
この季節なら、各社力を入れているおでんなども、そうだろう。

仕事で疲れて帰る人たちにとって、「必要な分(=少量)だけ、作りたて・出来立て・気軽に・便利に」というコトは、24時間営業のスーパーではできない点でもある。
その意味で、この一連のキャンペーンはコンビニの原点に戻ったテレビCMのように思えるのだ。