日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

高級品にもデフレ現象?

2009-11-21 20:59:12 | ビジネス
日経新聞のWEBサイトに、ブランド和牛値下がり、法人需要が不振 松阪牛7%、前沢牛20% と言う記事がUpされていた。 

昨日、政府が「デフレの状況にある」と発表したばかりだが、どうやらこのデフレ現象は高級品にも波及しているようだ。
この発表の前に、いわゆる高級海外ブランドであるティファニーが値下げを発表していた。
今回のティファニーの値下げは、昨年2月に続くモノだ。
ティファニーに限らず、海外の有名ブランドは苦戦を強いられ、値下げをするか日本撤退を進めている状況にある。
それだけ、日本の市場では厳しい状況にあると言うコトだろう(一方、一部の海外有名ブランドには「日本価格」と言う、やや割高な価格設定があるとも言われてはいたが・・・その是正とも考えられるかもしれないが)。

今度は、高級食材までデフレ状態になってきているようだ。
気になるのは「法人需要がなくなったため」と言うコトバだ。
バブルが崩壊してから、企業間の「お中元・お歳暮」などの贈答需要などは、既になくなっていると思っていたからだ。
と言っても、私の知っている範囲のコトなので、役員さん同士の間では慣例的に続いていたのかも知れないが・・・。

今回の政府のデフレ宣言で、「内需拡大」とか「緊急的雇用対策」と言われているが、それを求められているのは、政治というより経済界の問題なのではないだろうか?
バブルが崩壊してからも、高級食材を贈答用として法人需要としてあったとすれば、金額うんぬんというのではなく、何となく違和感を感じてしまうのだ。
政治に内需拡大のための政策を期待したとしても、最終的にそれを実行できるのは企業にあるのではないだろうか?
これまでの景気対策の中心が、安易な雇用対策となる道路などを造る公共事業になりやすかったのは、それも大きな理由のような気がするのだ。

昨年秋に起きた、いわゆる「リーマンショック」以前まで、散々言われていたはずの「生活実感のなかった、好景気」で、大企業の多くはそれなりに企業体力をつけていたはずだ。
にもかかわらず、生活者が好景気を実感できないまま低価格商品へと生活志向が流れていったコトを、日本経済を引っ張ってきたはずの大企業は、今一度考える必要があるのではないだろうか?
それだけ日本のデフレは、早い時期から始まっていたと考えるのだ。

もし「生活実感のない好景気」の頃、高級食材の法人需要があったと言うコトは、それはそれでやはりおかしな話だと感じるのだ。